2011年7月から始めたメルマガですが、いよいよ丸10年を迎える事となりました。

創刊からずっと読み続けてくれている読者の方も多くおりますが

お別れしてしまった方や全く知らない方の目に留まればと

ブログで一部をご紹介させて頂きます。

今週号はこんな感じの書き出しでございます。

 

 

490 2021年 3月31日 Vol,490

【ご挨拶】

皆様おはようございます。本日は3月最終日でございます。

昨年29日に亡くなった志村けんさんの「志村ショック」から一年が経過しました。

同じタイミングで山梨県で初のクラスターを起こした飲食店舗がニュースになりました。

三ツ星カンパニーの星野のお店です。その後の山梨県のコロナ感染防止対策は病的な程で、県内の飲食店への当てつけはそれはそれは厳しいものでした。しかし結果的に言うとその感染防止対策が一年経った現在評価?されており、緊急事態宣言が今月22日に開けた今、既に第4波が!などとマスコミがはやし立てておりますが山梨県では県内の感染者がゼロの状態が続いて居るとの事で。

これはある意味いち早くクラスターを起こした星野の功績なんじゃ無いかと思っております。星野に、SNSなんかで「僕の功績です!」って言って出て来いよ。と投げかけましたが、「有り得ないです、、、まだカサブタ乾いて無いっス。」と返って来ました。チキン野郎め。

 

3月末決算の多い日本社会で有りますが、この一年デストロイヤー号が日本中を駆け巡り続けた結果、歴史ある外食企業や新興成長企業、又外食以外では旅行会社などが着々と積み上げて来た純資産を根こそぎ溶かしてくれました。手が打てる企業で有れば増資などで債務超過をギリギリ回避して3月末決算を乗り切って来る事と思いますが、多くの中小企業が抗う手立て無く債務超過となる決算が出揃うのでは無いでしょうか。

 

先月このメルマガで「備長扇屋」や「紅とん」「パステル」「一源」など多数のブランドで展開する(株)ヴィア・ホールディングス社が債務超過に転落し、この度のコロナ禍における日本の外食業界で初めての事業再生ADR手続きを取る事を紹介しました。

http://www.via-hd.co.jp/

先週その計画の概要が公表されたのでざっくしと解説します。

20年4月1日から12月末までの第3四半期で38億円の当期純損益を計上し27億円の債務超過となりました。この時点での同社の銀行借入は82億円で、現預金は8億円です。

この状況で詰んでる訳ですが、りそな銀行と政策投資銀行が出資するファンドであるRKDエンカレッジ ファンド投資事業組合が音頭を取り、ヴィア社の借入先である、りそな、みずほ、横浜、三井住友、三菱UFJの5行が第三者割当増資を引き受けます。

これら含め計画では総額約70億円の資金調達を図ります。

この第三者割当増資が払い込まれたあとの資本金78億円を減少させて資本金を1億円にします。又同様に資本準備金の額を37億円減少させて0円にし、減少させた資本金と資本準備金の合計約105億円をその他資本剰余金に振り替え、それをその他利益剰余金に振り替え、現状マイナス84億円有る利益剰余金の欠損填補に充てる予定です。

意味わかり辛いですよね(笑)

簡単に言うと株を刷って取引銀行に株を買って貰い、それで得たお金で銀行に借入金の約半分を返済し、バランスシート上ではコロナ以前とこのコロナでこさえた84億円の累積赤字を売った株の代金で綺麗に消しちゃうと言うものです。これにより債務超過は解消され銀行取引も正常の状態となります。銀行も破産されちゃったら貸してたお金がパーになってしまうので、追加でお金を出して経営権を握り、経営の健全化を図り長期で回収をして行くと言う座組です。

21年4月28日に新しく同社の代表取締役に就任する楠本健一郎氏(56歳)はりそな銀行出身で2012年にヴィア社に財務担当役員として出向され、1年半後にりそなに戻りますが、その3年後の2017年4月にヴィア社に常務執行役員社長室長として入社します。

直近19年3月には子会社の株式会社一丁の代表取締役に就任して現任ですが、コロナ以前から業績が低迷しており何かしら抜本的な方針転換をしないとならなかった同社ですが、この度のコロナが決定打で、今後完全に銀行主導の経営体制となる模様です。

それでもって此度の約70億円を調達した資金使途は以下の通りです。

 

① 店舗設備投資 9.27億円

② 運転資金 4.74億円

③ 借入金の弁済 45億円

 

この資本政策で何より肝となるのは借入過多となった銀行借入額を正常化させ、BSでは債務超過を解消するのが第一フェーズです。そして次のステップが、一旦正常化したは良いけど、正常にキャッシュを稼げる事業体になるのかと言うのが何よりの肝部分です。

 

業態転換は1店舗当たり800万円から3000万円程。二毛作業態では1店舗当たり300万円程度、リニューアルは1店舗当たり700万円から1500万円程度を予定しているそうです。

これらの投資を2022年3月期から2024年3月期にかけて実施して9.27億円を使用し、業績改善を図る計画だそうです。

 

「備長扇屋」「やきとりの扇屋」「本陣串や」の273店舗。

「パステル」、洋食ファミリーレストラン「オーブン亭」「カプチーナ」「シェーンズバーグ」、中華ファミリーレストラン「双囍亭」「虎包」、ステーキとハンバーグ専門店「ステーキハウス松木」、ダイニング・バーとして「ベッラベーラ」「ビバリー」など計89店舗。

「食彩厨房いちげん」、焼きとり居酒屋「とりげん」、串揚げ居酒屋「串げん」の22店舗。

「日本橋 紅とん」、お好み焼き居酒屋「大阪下町の味 ぼちぼち」の22店舗。

「うおや一丁」の10店舗。

 

コロナで閉店等しているので店舗数に相違があると思いますが、ざっくしこんな感じの規模感です。悲しいぐらい居酒屋に偏ってるのですが、これを再建させるのは相当なハードルだと思いますがやるしか無いですからね。うおや一丁みたいな都心部の大型居酒屋は再生不可だと思いますが、備長扇屋や紅とんなどサイズ感が丁度良いのでどこかやらせて貰えないかなぁなんて勝手に妄想しております。

すかいらーく創業者でヴィアホールディングス前社長の横川紀夫さんはこれで引退しちゃうのか、未だ経営に携わるのかだけが不明ですが、日本一のファミレスチェーンを作った偉人方もこのコロナには為す術も無かった結末で有りました。

 

 

 

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