よくこんなトップが居る。
「現場の意見を集約した結果意思決定した。」
僕は大きい声で異を唱える。
勿論現場の声を聞くのは大事。
でも重要な経営判断はトップがするしかないのである。
ほっといても大きな過ちにならない事は任せとけばいい。
しかし大きな投資や勝負を決定付ける判断は
何がどうあれトップが意思決定しなくてはならない。
現場の奴はリスクなんて無い。
やりたい事を言うだけだ。
成功しようが失敗しようが自分の腹は
そんなに傷まない。
しかし経営者だったら全てのリスクを背負わなくてはならない。
借金を個人で連帯保証するのも経営者の仕事だ。
負けたら待っているのは自己破産。
労働保険にも入れないから
即無収入。
ある店で
使いたい設備で取り組みたいが
その設備の納期が間にあわない。
なのでオープン日を遅らせてでも構わない。
と言う要望を聞いた。
心の底から
バカな判断だと罵った。
売れるか売れないかわからない店に
過剰な設備を先に投資したがる感性が理解しかねる。
売れたら増やせばいいだけだが
売れなかったら小さくする事は出来ない。
追加で投資は出来るけど
投資してしまった分を減額する事は出来ない。
であれば取り返せる方を選択するのが
まっとうな経営判断である。
しかし
出来そうで出来ないのだ。この判断。
なんて言うか多分
舞い上がるんだろうね。気持ちが。
でも世の中そんなに甘く無い。
俺がそう言う経験をしてきたからだ。
一号店を作った時
事業計画では堅くみて280万円
そこそこうまく行って360万円
頑張って480万円
って事業計画を作った。
480万円売れたら毎月150万円抜けるな。なんて
エクセルを眺めてにやにやしてた。
開けてみた。
140万円だった。
9月にオープンして
その年の初めての年末12月
12月24日に
牡蠣でノロウィルスを出して
1週間営業停止を食らった。
年末の忘年会が全てふっとんだ。
死のうかと思った。
俺はそんな経験をしてきている。
しかも1号店で。
その後もその店は全く泣かず飛ばず。
それを取り返す為に
取れるリスクの全てをとって現在に至った。
だから少なくとも経験則で言っている。
人から聞いた話や本で読んだ事では無い。
だから俺の言う事はリアルだ。
飲食店ではじめて独立開業する全ての人へ言いたい。
『店をあけりゃ売れると思うな飲食店』