僕が一番嫌いな店


それは決められたオープン時間に開店しない店だ。


嫌な思い出がある。


独立する前に役員をつとめていた会社で経営していた

焼肉屋があった。


その店の責任者はその会社の社長のお気に入りの奴で

口先ばかりの達者な僕が一番嫌いなタイプの人種のKと言う男だった。


その店のコンセプトや内装、メニューは僕が考え

その彼が運営の責任者だった。


思うように売上が乏しくて

頻繁に臨店はするのだが、話せば

あれが無いとかこれが悪いとかそんな話ばっかり。


我慢しながらそいつに任せて居たのだけど

我慢の限界が訪れたのはこんな話。


オープン当初は

17時から営業開始で24時で終了と言う営業時間だった。


開業後思うような売上が作れなかった。

結果高騰する人件費について

改善を求めるとそいつは、17時~18時の集客が乏しいから

営業開始を18時からにしようと言う話になった。


ひとまず任せて居たから

だったらそうしてみろ。と言う事で

営業時間を一時間短縮して18時からのスタートになった。


当然営業時間を短くしたのだから

売上があがる要因にはならない。


しかし人件比率も全然落ちてこない。


更にその後

スタッフが終電で帰れない時があるので

ラストの時間をもっと早くして欲しいと要求され

23時ラストオーダーの23時半閉店になった。


当然売上は上がらず、人件費率も落ちる事無く

赤字が続いた。


そして我慢の限界となる時が来る。


その日お客様を案内すべく18時に予約をして

お店に向かった。


しかし開店時間の18時になっても店は開かない。


聞けばスタッフが遅刻をして仕込みが間にあわず

結局6時15分の開店となったと言う顛末。


その時点で悟った。


そりゃ売上あがらんわ。人件費下がらんわ。


今だったら600%そんな話あり得ないけど

独立する前の会社はそんな奴が経営幹部に居るような会社だった。


当然そんな会社なもんだから僕が退職後

3年程で潰れてしまった。


その時の教訓にしてるのが


「開店時間にオープン出来ない店」を僕は一番嫌う様になった。


夜のお店で

18時開店の店を僕は信じない。


17時から18時の間。


「お客様が来ない。」じゃなくて


「お客様を呼ぶ」んだよ。


楽ばかり考える従業員だったら

難癖つけて18時から開店したがる。


でもそんな声は一切聞いてはならない。


そんな楽ばかりする奴が

「独立を目指します!」なんて言うもんなら

鼻で笑ってやる。


お前が借金して店作って商売始めてみろ。と


赤字で困っていると言う経営者が居て

その店が18時に開店して24時に閉店してたら

笑ってやるって。


そんなんだから潰れンだよ。と


24時間開けてやる!ぐらいの気合が必要なんだ。


事務所のそばに

「常に精一杯誠心誠意魂込めての一杯を作ってます!」


と店内に額に入れられたポスターが貼ってあるラーメン屋があった。


11時開店の店で

11時丁度ぐらいに行ったら

表にある券売機が稼働していなかった。


「張り切って営業してます!」


なんて看板がとっても薄っぺらく見えた。


忘れた「だけ」かも知れない。


でもそれは「だけ」じゃないんだよ。


誠心誠意魂込めてんだったら

開店前に店前に打水して10分前から準備万端にしておかなきゃあかんのよ。


うちの店でも出来てるか?と言ったら

恥しい話自信が無い。


店長・幹部・オーナー様


開店時間にしっかり店が開いてるかを

毎日毎日常に確認してください。


真夏の渋谷


熱いエントリでした。