今月でけん熊谷店が閉店します。


けんから業態変更した店は

蒲生・川越・宮前平と3店舗ありましたが

完全撤退はこれが初めてとなります。


この熊谷店の歴史についてお話します。


現在のけん熊谷店は

今から15年ほど前に

「肉のハナマサ」さんが

焼肉の食べ放題と言う業態でオープンさせました。


当時焼肉の食べ放題は非常に流行っていたらしく

ハナマサの外食部門の中でも熊谷店は

かなり上位の黒字店だったとの事です。


その後、肉のハナマサさんが、チコマート社に

レストラン部門の一部を売却。

その時に熊谷の店は売却されました。


そして5年前にチコマートは倒産。

経営権が宙に浮いた

熊谷の店を含む6店舗の経営権を

引き受け、エムグラントの前身となる会社が立ち上がったのです。


その後唯一一店舗だけだった

焼肉食べ放題の店をけんに業態変更。


それから3周年になる直前での今回の撤退です。


思えば熊谷店は色んな思い出がありました。


けん全店の中で一番追加投資した店だったと思います。


一番最初の追加投資は

キッズルームを作るんだ。と

当時未だ会社の財務状態は非常に貧弱ながらも

売上向上を期待を胸に、追加投資をしました。


しかしあまり効果はありませんでした。


そして次に、セットバックしている建物の為

視認性向上の為に棟屋の巨大な看板を変えようという

話になりました。


これも結構な投資がかかりました。


しかし効果はありませんでした。


そして最後の失敗が

いよいよ焼肉バイキングを止めて

「けん」に切り替えるんだ。と

2000万円の改装工事を断行しました。

この時の銀行借入で僕の自宅が担保になりました。


そして一番大箱のけんが出来ました。


墓場まで持って行きたいこの時の裏話。

焼肉バイキングからけんに切り替えるにあたり

当時僕を含む4人の幹部で多数決をしました。


意見は賛成と反対で2対2でした。


そして残りの一票を委ねました。


結果けんに変えようという話が決定し

大掛かりな改装に至りました。


しかし開けてみると・・・。



焼肉バイキングの頃の方が売上が良かったなんて

本当に笑えない話になりました・・・。


この時から僕は多数決を止めました。


一番リスクをとる人間として

どうせ失敗するなら、自分で賛成して失敗したなら

諦めもつくけど、そうでない場合は本当にやるせない気持ちになります。

それ以降は全ての出店は独断敢行しています。


良い経験でした。


話は戻りどうして閉店に至るかの話です。


大きな黒字ではないものの

現在は年間300万程ではありますが

利益の出る熊谷店。


しかしこの時期に何をトチ狂ったのか

貸主が賃料の値上げを要求してきました。


値上げどころか下げてもらいたいと思ってるぐらいなのに。


話は平行線で、契約の満期を迎えました。


僕達が撤退したら恐らく同じ経済条件で出店するテナントは

間違いなくいないと思います。


百歩譲っても、その後継テナントが決まるまで営業をやらせてもらえないかと

申し入れしました。


しかしその貸主の会社の担当者は

一歩も譲りません。

本業は自動車のディーラーで

上場企業です。


僕らが出て行ったら明日から賃料が入らない。


後継テナントは現時点で決まっていない。


恐らく一年たっても絶対に決まらない。


スケルトンになったら

家賃只でも僕は借りない。


そんな物件なのである。


こういう意味不明な担当者って

電鉄系の不動産会社とかにとても多いんです。


「別に貸さなくともいーんだよ。」とか言います。


でも空いてたら一円も賃料入らないジャン。

ってか貸さなくともいいなら賃料上げるとか言うなよ。


と全く矛盾だらけ。


こんな奴らがロクな仕事もしないで

ギャラ貰ってるかと思うと、吐き気がするほどムカついてくる。


そんな担当者に潰されたけん熊谷店


家賃を上げたら残れたじゃん。と思う方がいるかと思いますが

そう言う事では無いんです。


熊谷なんてあっちこっちで空きテナントばかりです。


うちの物件なんて17号沿いと言いながらも

17号から物件は見えません。


敷地に入らないと店は認知できません。


築20年以上の建物で雨漏りもしてました。


そんな箱で

この時代にポンポン借り手がつくと思ってる

目出度い担当者が居る様な会社とは到底付き合いたくもありません。


そんな事情で

本日営業最終日です。


けん熊谷店の皆様。

今日まで本当に有難うございました。


又、ご来店頂いておりましたお客様。

長らく御愛好有難う御座いました。


撤退は

本当に悲しいです。