会社設立以来

常々理想的な会社を作る為に

大事な指標を持ってました。


今日は適切な「本部コスト」についてお話します。


我々外食業においては

利益を稼ぐのは全て「店舗」であります。


メーカーの様な会社であれば

「営業」が社内にはおりますが

我々の様な会社の「本部」と言うのは

あくまでも管理機能のみであり

経理・労務管理以外で言うなら、新規出店の開発機能

商品開発・広報と言った営業の補佐だけの

機能が集約されている場所であります。


僕は本部経費は

店舗から売り上がる総売上に対して

2%以内に納めなくてはならないとと言う

指標を徹底して参りました。

そして100%株主である自分の報酬は

売上に対して1%以上は必ず取ると言う指標を

決めてました。


これは店を一軒から立ち上げて

創業者自身がお店に入っていて

「本部」なんてものは未だ存在しない。と言う会社では

全く適用出来る数字ではないのですが

店舗数で10店舗を超え、年商で10億円を超えはじめた

ぐらいから「本部」を作りはじめた会社に参考にしてもらえればと思います。


先ず弊社の状況から言うと

7月の弊社の売上が12億程でした。


本部2%ルールで言うと

管理本部のコストは2400万円以内でなければなりません。

当社の7月の本部経費はどうかと言うと

法定福利費(社会保険負担・労働保険)を全額本部経費で経常(1100万円)

して3000万円でした。


基準から少しオーバーしているのは

今年の4月よりふらんす亭事業を引き受けた事により

今年2月まで僕も含めて5名だった本部スタッフが

15名までに増えた事が要因です。

伴い事務所の拡張を行い、今後拡大する事業規模に併せた

人材配置と言った先行投資によるものです。


現在の出店ペースで売上が伸びて行くと

10月には適正な管理本部コストに成ります。

僕の報酬については適正では無いのですが

期中に役員報酬を変更する事は出来ないので

来年3月に決算を閉じてから5月には変更したいと思います。


ではなぜ2%では無くてはならないのか?

について触れます。


お店からあがってくる利益は直営店だと

売上に対して8%が平均値です。

30%近い利益をあげる店もあれば5%ぐらいの店もあります。

全体平均すると8%ぐらいが現在のスコアです。

FC店に関して言えば、売上に対して3%のロイヤリティ収益のみです。


これが外食業界の標準的な数値では無いでしょうか。

ダイヤモンドダイニングさんやひらまつさんの様な

超高収益企業は又別物ですが

我々の様な会社であればこれが限界です。

なので本部経費は極限を如何に下げる事が

競合他社に対して競争力を持つ事と

利益を生み出す原資なのです。


まぁあとは普段営業に立っている現場スタッフから見ると

どうしても事務所でのオフィスワークは肉体的には

現場程しんどくないので、本部=楽 みたいにとかく見られてしまいます。

だからこそ本部は最小人員で生産性の高い仕事を追及しなくては

成らないと常々考えております。


そんな当社の少数精鋭と自負している

本部スタッフの仕事を紹介すると、


例えば店舗開発のスタッフについてお話します。


今年の4月ぐらいまでは物件開発の仕事は僕の仕事でした。

月間5軒ぐらいの契約ごとを僕とFC加盟開発の責任者である小林大悟の

二人で行ってました。


4月よりふらんす亭で開発をやっていた柿本さんが加わりました。

いいタイミングだったので柿本さんに開発を預ける事にしました。


「店舗開発部 柿本部長」


これが彼の名刺ですが、部員は一人もいません。

一人親方です。

9月は10店舗の新規出店

10月16店舗の新規出店を予定しています。

この契約の全てを柿本さん一人で行っています。


開発をやっている方が見たらこの数字が如何に凄いかわかると思います。

開発エリアが全国で、しかも全て敷地300坪、店舗面積80坪以上の

大きな箱で、飲食店の居抜きのみ。

この限りなくニッチな条件を満たした上で一人で月間16軒の

開発を決めるのは並大抵の事では出来ません。


ふらんす亭からエムグラントの新規出店お開発に切り替わった当初。

柿本さんには連日僕から直々に厳しいレビューを繰り返しました。

柿本さんからしたらふらんす亭時代に、会社の事情で

2年近く新規の契約を行っていないのに

エムグラントに参加したらいきなり毎月5軒・10軒の開発を命じられ。

「スピードが遅い!!」とか「回答納期はいつだ!!」とか

毎日僕に激ツメされていました。

本当にしんどかったと思います。

しかし最近では多くを言わなくともアクションして貰えるようになりました。

安心して開発を任せられるまでになりました。


加盟開発の責任者をしている小林大悟 についても

フランチャイズの加盟収益を年間2億円達成すると公言しています。

これも一人仕事です。

アシスタントに古賀ちゃんをつけてから更に生産性が

高まったと、事務所には殆どいません。


月間10店舗以上の店を作る為の

内装の施工管理も、一番信用出来ない男一人

まかせています。


けん事業部の事業責任者である

遠山昌一も、事務所には机すらありませんし

事務所に来るのは月に一度ぐらいでしょうか。

電話をすると殆ど焼場で肉を焼いてるか、

仕込みをしています。


一番暇そうなのは中村さんぐらいで

いつも事務所で携帯いじるか

仕事が入っても部下のコータロー に丸投げして

コータローを困らせています。


経理部にはこれまたふらんす亭から転籍

頂いた山口さんと、陽気な山下さん。

それと紹介で入社頂いた飲むと壊れる鈴木さんが加わって

頂いた事は本当に助かりました。

今までエムグラントの経理を守って来てくれた

向井ちゃんが目出度くご懐妊をし

秋口には産休に入ってしまう為に

あのタイミングで山口さん達が合流してくれなかったら

本当に大変でした。


今まで契約書の管理や社内書類の管理が

徹底出来ていなかったのも法務の勝治さんが

これまたふらんす亭から転籍頂き本当に頼りになっています。


話を元に戻して

この様に会社作りは一貫して

規模に併せた人的投資と設計をする事が大事です。


勢い良い時に

どーーーんと本部人員の拡大!!とか

綺麗で広い格好良い本部!!


とかやると必ず勢いが止まった時に

苦しめられると思って

慎重に慎重にやってます。


攻める時は攻めます。


その攻める時の為に

足元はガッチリ固めて置きましょう。