令和六年 三月七日
四国遍路三日目の記録の続きです。
第十一番藤井寺を打ち、いよいよ四国遍路の最難関である焼山寺道へ進みます。
焼山寺道の入り口にはたくさんの立札があります。
「最後まで残った空海の道ウォーク」
「トイレは済ませましたか?」
「健脚5時間 平均6時間 弱足8時間」
私は弱足8時間でも辿り着けるか解りませんが、とにかく前へ進みます!
登り始めの道沿いには、四国八十八ヶ所のご本尊様の石仏がお祀りされています。
第一番霊山寺のお釈迦様とお大師様へ合掌礼拝させていただきました。
しばらくは優しい道なので楽しく歩けます。
時間に限りがあり一つ一つのお堂へ手を合わせる余裕がないので、右手で金剛杖を突き、左手で合掌しながら通らせていただきます。
しっかりと整備して下さっていて、とても歩きやすい道です。
ありがとうございますm(_ _)m
八十八ヶ所のお堂の先には、第十一番藤井寺の奥之院がありました。
大日如来さまとお大師様がお祀りされています。
「おん あびらうんけん ばざら だとばん」
「南無大師遍照金剛」
どうか最後まで無事に歩けますよう、お導きくださいm(_ _)m
マムシ注意!
でもまだ寒い季節なので大丈夫でしょう。
道中には古い道しるべや石仏が多数残っています。
へんろころがし1/6の始まりです。
急な登りが続きますが、ここはまだ転がり落ちるような険しい道ではありませんでした。
最後まで頑張ります!
へんろころがしを過ぎると勾配はかなり緩やかになりました。
へんろ道を示す道標。
分岐点には分かりやすい道しるべがあります。
少しずつ標高が上がってきました。
「独り来て 大師の懐にあな嬉し」
急勾配舗装路の区間もあります。
勾配の緩やかな優しい道に出るとホッとしますね^^
端山休憩所に着きました。
ここでまず最初の自撮り。
まだまだ余裕の表情です。
元気なうちはゆっくり休憩する時間がもったいないので、どんどん進む事にしました。
「六根清浄」
「十一番右へ」
藤井寺を示す道標がありました。
逆打ちの方のために建てられたのでしょうか?
所々に、腰をかける事の出来る切り株もあります。
「一歩あるけば 一歩ちかづく」
焼山寺へはあと何万歩でしょうか。。
標高が上がってくると、昔ながらの自然道の区間が多くなってきました。
鯖大師様のありがたいお言葉に励まされます^^
水大師に着きました。
水は少し流れ出ていますが、口にするのは控えておきました。
隣に小さなお堂が建っています。
お堂の中に、菅笠とわらじが置かれています。
誰かが奉納した物なのでしょうか。
「お大師様と二人つれ」
長戸庵まであと600m
正面にお堂が見えてきました^^
藤井寺より3.4km、標高440mの地点にある長戸庵に到着。
お大師様が焼山寺へ行く道中で最初に休憩をされた場所だと伝わるそうです。
一息入れるのにちょうど塩梅良き場所、という事から長戸庵と名付けられたとの事。
こちらで本日二枚目の記念撮影。
「南無大師遍照金剛」
長戸庵の前のベンチで少し休憩させていただきました。
ここで、外国人の若い女性のお遍路さんが通り過ぎて行きました。
アクションカメラを片手に歩いていたので、おそらくSNSへ動画を投稿されているのでしょうね。
石のお堂へ手を合わせ、先へ進みます。
再び急な登りが続きます。
長戸庵から少し先に進むと、風景発心の地と言われるスポットがあります。
休憩所の椅子に腰かけて、ゆっくりと絶景を眺める事が出来るようになっています。
曇り空ですが、素晴らしい眺めでした^^
道しるべに柳水庵の案内が出てきました。
楽しく歩ける尾根道もあります^^
へんろころがし2/6の始まりです。
藤井寺から4.6km。
こんなに登ってもまだ半分も進んでいないので、まだまだ先は長いです。。
この尾根道の区間が一番好きです^^
柳水庵まで1.5km、私の足だと30分では無理でしょうね。。
けっこう歩いたように思っても、まだ300mしか進んでいません。
前日の雨で地面が湿っている所も多いので、滑らないよう注意が必要でした。
石垣の上におられる仏様へ合掌礼拝。
柳水庵へ近づくと、下り道になってきました。
滑らないよう慎重に下ります。
石畳の急勾配の下り道。
ここは本当に危険でした。
右手にお堂らしき建物が見えてきました。
降りてきた所に、へんろころがし3/6の札が立てられていました。
あの強烈な下り道はまさに遍路ころがしです。。
こちらの建物は柳水庵の奥之院のようです。
堂内へ入ってお参りさせていただきます。
「南無大師遍照金剛」
ノートに書き込みして、三枚目の記念撮影。
奥之院からさらに石畳の道を下ります。
柳水庵に着きました^^
下って来たところに、大変ありがたい給水スポットがありました。
ペットボトルの水はほぼ飲み干してしまっていたので、こちらで給水させていただきました。
一滴の水にも天地の御恩徳に感謝し、ありがたくいただきます。
柳水庵の本堂へお参りさせていただきます。
こちらもご本尊はお大師様です。
斜めからも撮影。
鯖大師様からのありがたいお言葉です。
あわてず、急がず、お大師様の道を歩いて修行させていただきます。
2001年までは、柳水庵には庵主様が居住しておられ宿泊も可能であったそうです。
少し先にトイレと休憩所があるようです。
女性の方は長戸庵でトイレの利用が可能でしたが、男性はここが初めてのトイレ休憩スポットです。
急勾配の舗装路を下ります。
正面に休憩所が見えてきました。
地元の方々が有志で建てられた休憩所のようです。
足を痛めたり、体調が悪い時は一泊のみ可能と書かれています。
こちらでも記念撮影。
ちょっと疲れた顔になってきています。笑
休憩所から先へ進むとアスファルトの道に出てきました。
吉野川市の道路標識があります。
ここから再び登りの遍路道が続きます。
勾配は緩やかで歩きやすい区間です。
分岐点には三つの道しるべが立てられていて、左へ進むよう案内して下さっています。
段々と道が険しくなってきました。
こちらの分岐点では右の登り道へ進みます。
急勾配の激坂が続きます。
登っても登っても、延々と続く険しい道。
へんろころがし4/6の始まりです。
これは見るからに転がされそうな道です。。
思わず、よっこらしょと声が出てしまいます。
苔むした大きな石は滑りやすいので要注意!
日陰の道は湿っていて滑りやすいので、歩幅を小さくして慎重に進みます。
焼山寺へ近づいてくると、距離が刻まれた丁石のお地蔵様を見かけるようになりました。
あ、右手に少し開けた場所がありそうです!
坂を登り切ると、正面にお大師様のお姿が見えました^^
標高745m、焼山寺道で最も高い所にある浄蓮庵に到着です。
階段を登って、お大師様の御前へ。
「南無大師遍照金剛」
神々しいお姿のお大師様。
拝ませていただく事が出来て感無量です。
天然記念物「左右内の一本スギ」は、お大師様が焼山寺へ向かう途中にお手植えされたという伝説があるそうです。
詳しくはこちらをご覧ください。
境内の静けさ、清々しい空気、天から降り注ぐ光、全てが神聖なものであると感じる所です。
さすがに疲れてきてお腹も空いたので、ベンチに座って少し休憩させていただきました。
コンビニのおにぎりでさえ、最高のご馳走だと感じます。
境内に数多く立ち並ぶ、苔むした石仏。
浄蓮庵の本堂。
ご本尊は阿弥陀如来様です。
「おん あみりた ていせい から うん」
本堂の反対側に立つお堂には、千手観音様がお祀りされているようです。
境内には民宿の案内板も立てられていました。
浄蓮庵を過ぎると、再び山を下ります。
「要注意 急な下り道」
との注意書きがあります。
急な下り道を進むと、舗装路と民家が見えてきました。
舗装路の左手には墓地もあり、小さな集落のようです。
民家方面へと続く細い道を進みます。
石垣の上を歩かせていただきます。
ずっと人気のない山道を歩いて来たので、民家を見るとホッとしますね。
こちらの分岐点では左へ進みます。
道標には「右 こんぴら」の文字が刻まれています。
昔はこの道を歩いてこんぴらさんへ向かわれた方もおられたのですね。
小さな集落の生活道路へお邪魔しますm(_ _)m
小さな橋を渡り、
早咲きの桜を眺め、
再び山道へ入ります。
あれれ?
いつの間にやら、へんろころがし6/6の地点へ着いてしまいました。
どうやら5/6の札は見落としてしまったようです。。
ここからのへんろころがしが、焼山寺道で最も険しい登り道となります。
所々で、ロープを掴んで登らないと危険な箇所がありました。
本当に厳しい道でしたが、何としても16:30までに焼山道へ辿り着きたいという思いもあったせいか、火事場のクソ力が出たかのように登り切る事が出来ました。
最後のへんろころがしの区間で、藤井寺で少し話をしたお遍路さんに追いつきました。
膝が痛むそうで、かなりペースが落ちてしまったようです。
「焼山寺まであと少しなので、最後まで頑張りましょう!」
と声をかけ、先に進ませていただきました。
あと十一丁。もうひといきです。
最後のへんろころがしを登り切ると、道が優しくなります。
光が差してきて明るくなってきました。
この辺りで16:00になろうとしていました。
遂に焼山寺の参道が見えてきました!
車やバイクでなら、何度も通った事のあるお馴染みの道。
歩いてここまで辿り着くと、より一層神聖な道であるように感じました。
参道に立ち並ぶ仏様を拝みながら、山門を目指します。
やっとの思いで、焼山寺の山門前に到着。
この石段が段差が大きくて、へんろ道を歩いてきた後にはかなりこたえます。。
山門前のお大師様へ合掌礼拝。
一礼して境内へ入らせていただきます。
金剛力士様へも合掌礼拝。
厳しい表情の金剛力士様も、ご苦労様と労って下さっているかのように感じました。
焼山寺の境内の神聖さは、やはり群を抜いているように感じます。
本堂、大師堂、三面大黒天堂、十二社神社が立ち並んでいます。
焼山寺の鐘の音は、浄蓮庵を過ぎたあたりの遍路道まで聞こえてきました。
焼山寺縁起
鐘の由来
本堂へお参りさせていただきます。
ご本尊は虚空蔵菩薩様。
「のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきゃ まりぼり そわか」
続いて大師堂へ。
「南無大師遍照金剛」
最後に三面大黒天様へ手を合わせます。
「おん まか きゃらや そわか」
そして、焼山寺道初制覇の記念撮影。
めちゃくちゃ疲れているはずなのに、意外と清々しい顔してました。笑
お参りを終えた時点で16:25だったので、滑り込みセーフで納経所へ駆け込み、無事に納経印をいただく事が出来ました。
藤井寺をスタートしたのが8時半過ぎだったので、お参りの時間も含めて所用時間はちょうど8時間でした。
道中で撮った写真を確認すると500枚を超えていたので、撮影時間を差し引きすると実質6時間半〜7時間といった所でしょうか。
何はともあれ、大きな怪我もなく無事に焼山寺へ辿り着く事が出来て、本当にありがたい限りでした。
同行二人でお導き下さったお大師様、仏様、神様へ感謝申し上げます。
大変長い記事となりましたが、最後までご覧いただきありがとうございましたm(_ _)m