2021年も残りあと僅かとなりました。


本年最後の四国八十八ヶ所お遍路の旅の記録をもって、ブログの書き納めとなりそうです。


大寒波による大雪の影響で交通機関の運行状況が乱れていましたが、ここのところ恒例となっている、夜行フェリーで四国上陸→高松から特急で区切り打ちのエリアへ移動というパターンで最後の六ヵ寺をお参りしてきました。


今回も神戸港を深夜1:00に出航する「こんぴらⅡ」に乗船。






フェリー売店のメニューで一番のおすすめはカレーうどんであるいう情報を入手したので、試しにオーダーしてみました。

コシのあるうどんに、シェフが丸一日かけて仕込んだルーをよく混ぜ合わせて食べるという、混ぜ麺のようなスタイルでした。

お四国へと向かう船内でうどんを食べるのも、新たな楽しみの一つとなりそうです^^



今回は愛媛県の松山市内の五ヵ寺と、スケジュールの都合でお参り出来ていなかった高知県南国市の一ヶ寺という、かなり距離の離れた区切り打ちとなるため、四国DC満喫きっぷを利用しました。


この切符は¥9000でJR四国+土佐くろしお鉄道の特急列車+路線バスが3日間も乗り放題なので、私のように公共交通機関+歩きでお遍路をする者にとっては大変ありがたい企画乗車券です。





車内改札の際に、車掌さんから缶バッジをいただきました。

四国DC切符利用者へのサービスだそうです。

おもてなしの心が感じられて嬉しいですね^^




6:00発の特急いしづちは松山へ向かって最高時速130kmで颯爽と駆け抜けて行きます。

ところが!!!!!

なんと早朝から松山付近で人身事故が発生したようで、列車は急遽伊予西条駅止まりとなってしまいましたガーン

後続の列車は調整中というアナウンスがあるだけで、このままでは松山着は何時になることやら。。

乗客は全員伊予西条駅へ放り出され、しばし呆然と立ち尽くす事に。


何か他に移動手段はないものかと、乗換検索で調べてみると。。ありました!

新居浜特急線という、松山行きの路線バスが伊予西条駅を経由しているようです。

バスが来るのは約20分後だったのでタイミングもバッチリです^^

他にも同じように気付いた方々がおられたようで、皆さん血相を変えて続々とバス停へ駆けつけて来られました。

ほぼ定刻通りに到着したバスに飛び乗り、松山へと急ぎます。



前回お参りした際に歩いた伊予西条のへんろ道を、今度はバスで通過していく事になりました。

前神寺、吉祥寺、宝寿寺を改めて車内から遥拝させていただく事が出来て、これはこれでありがたい体験となりました。






そしてバスの停留所一覧を調べてみると、さらにありがたい事に、松山駅までの道中に、最初にお参りする予定の札所からほど近い停留所がある事が判明。

鉄道は海岸線沿いをぐるりと大回りして松山へ続いていますが、三津浜特急線のバスは山間部を走るので、かなりショートカットの道のりで松山市内へ入りました。

バスを下車して500メートルほど歩くと、結局のところ特急列車で松山駅へ向かう行程よりも一時間ほど早く第四十九番札所「浄土寺」へ到着。






お大師様、ありがとうございます。




浄土寺を打ち終えた後は、歩いて第五十番札所「繁多寺」へと向かいます。




住宅街の遍路道を1.5kmほど歩きます。




浄土寺から約25分ほど歩いて、繁多寺に到着です。












伊予西条はどんよりとした曇り空で雪もちらついていたけど、松山は良いお天気で、道中着の上からダウンジャケットを羽織って歩いていると身体がポカポカとしてきました。

繁多寺から次の第五十ニ番札所「石手寺」までは約2.5kmのへんろ道を歩いて向かいます。

住宅街で道が割と複雑なので、スマホのマップ+道しるべを頼りに歩きます。



こんなところにも道しるべがあります。
ありがとうございます。



道中で親子連れと出会い、幼稚園児くらいの男の子が「お遍路さん頑張ってくださいね〜!」と声をかけてくれて、元気付けられました^^
 
この橋を渡ればあと少しで石手寺です。



繁多寺から約40分ほど歩いて、石手寺に到着しました。

この時点で昼過ぎだったのでお腹が空いてきましたが、まずは本堂と大師堂へお参りです。







石手寺は見どころがとても多いのですが、本堂と大師堂をお参りした後は一旦門前へ戻って、「五十一番食堂」で昼食タイムにしました。

寒い季節には土鍋うどんが五臓六腑に染み渡ります。

中華そばも人気との事なので、次回はぜひいただいてみようと心に決めました。



食後のデザートに、名物のやきもちと抹茶でほっこり。



店主さんはとても感じの良い方でした。

そして店主さんのお母様(?)から言われた「歩けるというのはありがたい事やねぇ」という一言が心に染みました。

2年前の今頃は寝たきりの生活だった事を思えば、たとえ少しの距離でも歩いて巡礼が出来るようになった事、元気な心と身体を保つためのエネルギーを再び与えて下さった仏様、神様のご守護に感謝しなければなりません。

昼食休憩で身体も心も元気になったので、再度本堂の方へ向かい、裏手にある洞窟巡りを体験してみました。



閉所・暗所が苦手な方は少々勇気が必要です。笑



堂内を真っすぐ進めば奥の院へ、入ってすぐ右手へ進めば大師堂の裏手へと出ます。


地面は水気の多いところや、段差もあったりするので慎重に進みます。

洞窟内の霊圧もなかなかのものですが、コウモリに遭遇したのにはさすがにびっくりしました。笑




5分くらい歩くと奥の院側へ出てきました。










洞窟内へ戻って今度は大師堂方面へ向かいます。

大師堂までは洞内八十八ヶ所霊場の道が続いています。



大師堂の裏手に出て来ました。



他にも見どころはたくさんあるのですが、あまり写真ばかり撮っている時間もないので次の札所へと急ぎます。

第五十ニ番札所の太山寺までは約13kmほど 距離があるので、ここからはバスで一旦松山駅へ戻り、列車に乗って伊予和気駅へと向かいます。

石手寺前から同じバスに乗った夫婦のお遍路さんも列車に乗って伊予和気で下車されたのですが、先に第五十三番札所からお参りして逆打ちで第五十ニ番札所へ向かうと仰っていました。

他のお遍路さんと出会ってちょっとした会話が出来るのも楽しみの一つです。



圓明寺はここから1kmほどですが、さらに3kmほど南西方面へ歩いて第五十ニ番札所「太山寺」へ向かいます。

































太山寺もかなり境内が広く見どころが多い札所です。

20代前半くらいの青年二人組と出会ったのですが、つくばナンバーの車に乗っていたので茨木県からはるばるお参りに来られていたようです。

お参りの際にはきちんと読経もされていて、若いうちから仏縁をいただけるのは素晴らしい事だと思いました^^

太山寺は急な坂道もあるのでお参りすると少し疲れてきましたが、また来た道を戻って、第五十三番札所「圓明寺」へ向かいます。

山門を過ぎたところで、先ほどの夫婦のお遍路さんと再び出会いました。

思いの他早く太山寺まで来られていたので、ちょっとびっくり。

私も頑張らなければ!



太山寺から25分ほど歩いて、第五十三番札所「圓明寺」に到着。





御本尊の阿弥陀如来様、お大師様に、本日の5ヵ寺を無事にお参り出来た事へのお礼を申し上げました。






圓明寺の境内にはキリシタン灯ろうがあります。

隠れキリシタンの信仰に使われていたという説があるそうです。



圓明寺をお参りして納経した時点で17時前、早朝から思わぬアクシデントがあり一時はどうなる事かと思いましたが、何とか一日で5カ寺を打ち終える事が出来ました。

もし予定通り特急列車で松山駅まで行っていれば、きっと時間的に余裕がなく慌ただしいお参りになっていたと思います。

これもお大師様のお導きだったのでしょう。
 
残すところは高知の一ヶ寺のみです。

この日のうちに高知駅まで列車で移動して、駅近くのホテルで一泊しました。

次回3300円で宿泊出来る優待券もいただきました。



夜遅くの到着で飲食店が空いていなかったので、夕食はコンビニで買ったラーメンで済ませる事に。

土佐なのにさぬき醤油ラーメンです。笑



そしてさらに翌朝の朝食はさぬきうどん。笑




ホテルは7時前にチェックアウトして、土讃線に乗って御免駅へと向かいました。

土佐くろしお鉄道の車両を見ると、高知へ来た実感が湧いてきます。



御免駅前から南国市のコミュニティバスに乗って、最後にお参りする第二十九番札所「国分寺」へ向かいます。

国分寺口バス停で降り、左手に500メートルほど歩いて国分寺に到着です。



















朝早い時間の静寂に包まれた国分寺の境内は実に清々しい空間でした。

御本尊の千手観世音菩薩様、お大師様へ無事に八十八ヶ所をお参り出来た事のお礼を申し上げ、感謝の気持ちを込めておつとめをさせていただきました。

コロナ禍の影響で思うように巡礼が出来ない時期もありましたが、今年の7月に第一番札所の霊山寺から打ち始めて、約半年で一巡する事が出来ました。

賜弘法大師号1100年記念の御詠歌札と大師納経も全ての札所で授与していただく事が出来たので、またの機会に改めてご紹介させていただければと思います。

拙いブログですが、ご訪問いただいた皆様、今年も一年間ありがとうございました。

これからも体調の許す限り巡礼の旅を続けていきたいと思っておりますので、来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。