流されるまま、店内に入る。



バー…かな?



でも、何かが違う。




とりあえずカウンターに座り、Aさんとマスターと三人で他愛のない話をしていた。





…違和感。


マスターは、ウチの事をやたらと褒める。普通なら悪い気はしないのだろうが、ウチは美人でもないしスタイルも良くない。褒められても、その言葉の裏を勘繰ってしまう。





ふと、壁に飾られているものに目がいった。
その店は、ビルの三階にあった。




入口の前には看板がなく、インターホンがある。



Aさんがインターホンを押す。



『あーい』



声が聞こえた。



鍵を外す音が聞こえて、ドアが開いた。








出てきたのは初老の男性。『マスター』と呼ばれていたが、その言葉がぴったりな雰囲気の人だ。
第一印象は、テンポの早い人。





…苦手なタイプだ。生理的にではなく、堂々と自己主張できるタイプ。ウチは、こういう人を前にすると、卑屈になってしまう。






「Aです」



あ、この人、名乗った。


少し、ホッとした。




そのまま、繁華街の外れのビルに連れられて入った。