集英社のスポーツ総合雑誌の公式サイト「web Sportiva」に、中国電力の岡本直己選手の記事が掲載されました。

 

 

 

岡本選手は秋に行われるMGCの権利を獲得していますが、39歳を迎えることになります。翌年のパリオリンピックでは40歳ということになります。この年齢までトップ選手として活躍できる理由は、同年代のライバルの存在が大きいと思います。ただ、精神力だけで30代後半まで高いパフォ-マンスを発揮することはできません。無理のない効率の良い走りをしていることは間違いないでしょう。

 

web Sportiva の記事の中で、マラソンで成功するきっかけとなった2018年の青梅マラソンでの優勝のことがふれられています。このレースで優勝できた理由については、「厚底シューズと練習メニューを変更したことが大きいですね」と書かれています。

 

 

 

過去の投稿で岡本選手のランニングフォームについて確認をしました。具体的には2019年の北海道マラソンと、2020年のMGCのものになります。この2つのレースでは明らかに違いがあるように見えますが、現在では厚底シューズに合った走りを習得したのではないかと思います。

 

フォームが変わった理由と直接関係ないかもしれませんが、練習メニューの変更により疲労をためない状態を保ち続けることができるようになった可能性があります。2017年に福岡国際マラソンで優勝したソンドレノールスタッド・モーエン(ノルウェー)選手のメニューが雑誌に掲載され、この内容を参考にしたということです。

 

 

 

モーエン選手はノルウェー国籍です。非アフリカ系のランナーです。以前紹介したレナート・カノーバコーチに指導を受けていました。(現在は不明)

 

 

この雑誌を確認しましたが、カノーバコーチの言葉が紹介されていました。

 

アフリカ選手の優位性は遺伝ではなく、練習の雰囲気やトレーニング条件の考えている(高地、大きなトレーニンググループ、精神的な限界を作らないこと、身体の感覚を重視すること)

 

実際のモーエン選手のトレーニングの概要はこのようになります。

 

①ボリュームの多いロングインターバル

②走行距離が19キロ前後の60分ファルトレク(変化走)

③速いペースでの距離走

 

この3つはいわゆるポイント練習ということになります。非常に強度の高い練習内容になりますが、週2回程度と実施頻度は高くありません。福岡で優勝する前には200日以上にわたりケニアに滞在していますが、2000mを超える高地でこれらの練習をおこなっています。そのほかの日はロングリカバリーということで、10~20キロの距離を2回に分け、キロ3分40秒から55秒ぐらいのペースで走っています。

 

高地ということを考えるとかなりハードな練習といえます。当時モーエン選手は20台半ばということで体力的にも一番無理のできる年齢だったともいえます。

 

岡本選手がどの内容を参考にしたかは定かではありませんが、ポイント練習の内容や頻度やリカバリーの取り方ではないかと想像しています。緩急をつけた練習内容が、自身が取り組んでみたかったものとうまく合致したのではないでしょうか。

 

パリオリンピックの代表選考を兼ねたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)は今年の10月15日に開催されます。岡本選手は同い年のトヨタ自動車九州の今井正人選手とともに出場することになると思われます。

 

結果はともかく、両選手のベストの走りを期待したいと思います。