東京オリンピックでは思ったような走りができなかったサニブラウン・ハキーム選手ですが、出身高校は東京都豊島区にある城西高校になります。

 

 

 

中高一貫の学校になりますが、高校陸上部の部員数は100名近くと大所帯です。この理由は、陸上部の顧問がオリンピックに出場した山村貴彦さんであることが影響していると思います。

 

山村貴彦さんは、2000年のシドニーオリンピックの400mに出場しています。この年に日本歴代2位の45秒03で走っています。日本人のトップランナーの一人だったことは間違いないと思います。

 

 

 

以前紹介した為末大学の動画で、城西高校のトレーニングが紹介されているのが目に入りました。確認してみましたが、非常に興味ある内容です。

 

 

 

 

 

 

 

ツーステップで行っている動きが、非常に多いように思いますが、為末大さんもチャレンジしています。元トップアスリートの為末さんの動きがぎこちない感じになっていますので、難しい動作といえるでしょう。私も試しにやってみましたが、イメージ通りにはいきません。

 

 

学校の所在地は東京都豊島区です。池袋駅から1キロ余りの場所にでは、広い校庭は望めるはずもなく、運動できるスペースはテニスコート3面ほどです。他の部活もありますので、陸上部の練習できるスペースはテニスコート一面に限定されるようです。

 

この極小のスペースで、工夫をしながら練習を行っていることは注目に値します。ミニハードルやボール、ウエイトのシャフトなどの道具を利用することでトレーニングに変化を与えているように思います。

 

このスペースでは、ハードな走りのトレーニングを行うことは物理的に無理ですので、

基本的な動きのトレーニングを徹底して行っていることが想像できます。

 

 

※サニブラン選手が登場しています

 

城西高校の公式ホームページの動画になります。常識にとらわれずに自身で考えてトレーニングをすることの重要性を伝えています。指導者によっては、自分の考えを一方的に伝えるだけで、指導される側の意見を聞かないケースが結構あるのではないかと思います。

 

高校時代に活躍した選手が、大学に進学してから伸び悩むケースが多々ありますが、このパターンは相当数あるように思います。多くの大学が高校の時のように、指導者が練習メニューをいちいち指示することはなく、自身で練習内容を組み立てることが一般的です。基本メニューはともかく、特に短距離や跳躍、投擲はその傾向が強いと思います。

 

城西高校の強さの秘密は、基礎的な練習を中心に徹底した動きづくりを行っているこだと思います。加えて自身で考えて取り組む姿勢を養うことで、より効率的な練習を行う習慣が身につき、レースでのパフォマンスにつなげることが可能になるということでしょうか。

 

 

 

9月5日放映のフジテレビの番組 『ミライモンスター』 で、今年城西高校に入学した税田ジェニファー璃美選手が取り上げられました。サニブラウン選手同様に200mが専門になりますが、中学校時代から活躍している選手です。インターハイでは惜しくも決勝に残ることができませんでしたが、国際的な場で活躍できる可能性があると、顧問の山村先生も番組の中で語っています。

 

 

※5コースが税田ジェニファー璃美選手になります

 

父親がナイジェリア人、母親が日本人と、最近の陸上界で活躍している選手に少なからず見られるハーフということになります。身長が176センチで脚が非常に長く、大きなストライドが武器です。

 

粗削りな走りという感じがしますが、基本的なトレーニングを重要視している城西高校でトレーニングを積むことで、洗練された走りに変わっていくのではないでしょうか。

 

過去のオリンピックで、200mに出場した女子短距離選手はほとんどいません。税田ジェニファー璃美選手が、世界選手権、そしてオリンピックの200mを走る姿を見せてくれることを期待したいと思います。