11月24日に、第97回箱根駅伝シンポジウムがWEBにて開催されました。例年であれば会場を設けて、視聴者を集めて行われていましたが、今回は新型コロナウイルスの影響でこのような形となりました。事前に抽選が行われ、自身は当選しましたので視聴することにしました。

 

 

 

司会は日本テレビのアナウンサーの菅谷大介さん、関東学連駅伝対策委員長の山梨学院大学の上田誠仁さんが進行に加わりました。ゲストは1990年代に箱根駅伝で活躍したランナーである武井隆次さん、花田勝彦さん、真也加ステファンさんの3名です。

 

シンポジウムがいつから開かれているのかはっきりわかりませんが、2004年の第80回大会の記念事業として始まったようです。私自身は全く知りませんでした。

 

ただ、初めてのWEB開催のためでしょうか?冒頭から音声が途切れて聴きづらく、30分後ぐらいにはスタッフの音声が数分にわたり流れ、出演者の声が聞こえなくなりました。スタッフの会話の中で音声の調子が悪い事を話していましたので、自分だけでないことがわかりました。

その後も音声の途切れは続き、さらには音声が消えてしまうこともありましたが、50分後ぐらいには音声がはっきり聞き取れるようになりました。

 

途中で視聴を止めようとも思いましたが、我慢して最後まで聴いたものの、最終的には再配信するという結果になりました。

 

ゲストの3人ですが、武井隆次さんと花田勝彦さんは早稲田大学で第67回大会から、真真也加ステファンさんは山梨学院大学で69回大会から、それぞれ4年連続で箱根駅伝を走っています。武井隆次さんは4年連続区間賞という素晴らしい記録を残しています。

 

現在はというと、武井さんは地元(杉並?)で子供たちの指導を、花田さんは以前の投稿でも紹介したようにGMOアスリーツの監督、真也加ステファンさんは桜美林大学の監督と、それぞれ指導者として陸上競技に関わっています。

 

シンポジウムの中では、大学に進学した経緯や、箱根駅伝を走っていた当時のエピソード、実際のレースのことなど、いわゆる裏情報を聞くことができました。

 

 

 

私自身が非常に参考になったのは、「指導者としてみる 箱根駅伝」の質問に対するそれぞれの方の回答でした。

 

私自身も3年半ほど前から陸上少年団の指導をしていますが、いずれの方も長年にわたり指導を続けられていますので、経験として私とは雲泥の差があります。

 

その中でも、上田誠二さんの話は非常に深いものがありました。個人的には上田さんのことはあまり評価していませんでしたが、長年にわたり山梨学院大学を指導するなかで、いろいろな経験をされたのだと思います。

 

真矢加ステファンさんの選手とのコミュニケーションが大事という発言に対しては、

 

「フェイスツーフェイスで、目を見合って思いを言葉に乗せて、どのように自分が感じるかは、指導の中心になると思う。そういう部分を彼が一番大事に思ってくれているのは非常にうれしいです」

 

武井隆次さんの子どもたちの指導に対する「話を聞く態度を教えたい」の発言には、

 

「指導というと指した方向に導く コーチングは馬車のこと、目的地に運んでいく、目標とかこうなりたい思いを導いてあげということ。それぞれの指導者には、ではどうやるんだという苦悩がある。道なき道を明りも全知全能を傾けて歩いているようなもの。この方向に行ったら必ずその夢にはたどり着けるんだという確信をどこかに持ちながら、やっていくのが指導の良さでもあり、難しさでもある。」

 

司会の菅谷大介さんの、取材を通じて人間的な魅力のある選手が多いとの感想に対して、

 

「外された選手が翌日元気に走っていて、お前布団かぶって泣いたんじゃないの外されちゃったから、彼は監督何いってるんですか、僕の箱根駅伝は終わったけれど、僕たちの箱根駅伝は終わっていないですから、これ泣けました。そういうことを自然に言える、そういう人間を育ててくれるのも、箱根駅伝という大会があったればこそだと思うんですね。」

 

指導者冥利に尽きると思います。

 

指導者であるゲスト3人のまとめとして、上田誠二さんが語った言葉です。

 

「ブレない、ズレない、ユレないという芯の強さを持たなければいけない」

 

「探求心、研究心、好奇心という勤勉さを持たなければいけない」

 

「拝聴の聴の聴く力、応じるという答える力、伝えるという力、このものをコミュニケーションとして持たなければいけない」

 

経験に勝るものはないと実感しました。

 

 

 

今年の箱根駅伝は無観客で開催される予定ですが、もちろん初めてのことですので、果たしてどうなるのかわかりません。

 

個人的には正月休みの最大の楽しみになっていますので、無事開催されることを望んでいます。