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 とある猫背に関する20万部超えの本に関してです。
この本ではいきなり骨格的姿勢ではなく、呼吸に関しておよそ全220ページのうち66ページをさいておりその視点は大事と思います。著者の見解は、とかく小さくしか一般的に認識されない肺を実際の肺は肋骨下から鎖骨のところまでの大きさがあるのだから、正しくそこまで意識して深い呼吸をすれば運動能力も上がるし心も安定化するとのことでした。この辺は真新しくもないけども妥当な話です。ただこの第一章の呼吸に関しての記述の最後に、
呼吸の仕方は胸式と腹式と分けず全体呼吸をしてくださいとのことですが、この著者が力説するのは、「お腹に空気が入らないのにお腹に空気をいれようとして腹式呼吸をするのは間違ったイメージ」ということですが、著者の言う通りもちろん「横隔膜を下げて内蔵を押し出すイメージが正しい」と理論的には思いますが、実際上肺に空気が入るのでお腹に空気をいれるのではないことは大概の方は知っておりますし、イメージとして横隔膜を意識するのは一般的に難しいからお腹を膨らますイメージで行って深い呼吸になっていくのですし
、わざわざ声楽プロでもない一般の読者に向かって言わなくてもと思った次第です。イメージとして有効性があれば一般的にそういう指導がなされていて効果的であれば、わざわざ否定的に言わなくてもと思った次第です。
ただ問題は次の第二章で膝立ちすれば(膝を床につけて正座から起き上がっている姿勢をとれば)、普段猫背の人も腹筋背筋の弱さも問題なくスッと真っ直ぐ立てると言ってる点です。著者の論理は、足の裏で立つ場合だと重心の置き方が前寄りになったり踵の後ろ寄りになってしまい正しい位置になりにくいので、膝立ちで脚の大腿骨に上半身と骨盤を乗っけて膝の一点で立てば猫背にならないのだと主張しているのです。論理は正しいようですが実際上人間が猫背の姿勢になれていると、やはり猫背のなりにバランスを取って、膝立ちでも姿勢はさほどよくなりません。猫背の特徴である巻き肩のままで膝立ちはできてしまうのです。無理に背筋(セスジ)を伸ばしても一時だけで猫背が直る訳ではないと言うのは確かにとは思いますが、著者の核心となる手法が普遍性に欠けるとなんでこの本ベストなのかと疑問符をつけざるを得ない感じです。