今回は、会社員や公務員が加入している、
健康保険組合と
全国健康保険協会(以下:協会けんぽ)の
基礎知識をお伝えします。

なお、国民健康保険については、
またの機会にお伝えします。

お伝えする内容は次のとおりです。

・覚えておきたい5つの基礎知識
(1)被保険者と被扶養者とは
(2)保険料
(3)療養の給付(自己負担額)
(4)高額療養費
(5)傷病手当金
・民間の保険商品との比較

なお、今回の記事は、
一部の健康保険組合や協会けんぽの資料を参考に、
筆者がまとめたものです。

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覚えておきたい5つの基礎知識
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健康保険組合と協会けんぽの
基礎知識として、
次の5つを上げることができます。

これら公的な健康保険には、
毎月給与から保険料が天引きされています。

従って、民間の保険に加入する場合、
これらの保障を補うために、

どのような保障に、
何歳から何歳までどのくらい期間、
必要なのか参考になります。

それでは順番に見ていくことにします。

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(1)被保険者と被扶養者とは
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企業や官公庁といった、
厚生年金適用の事業所に、就業したその日から
健康保険にも加入して「被保険者」となります。

なお、75歳以降も会社員として勤める場合は、
75歳の誕生日当日に、
健康保険の被保険者の資格を喪失して、
同日、「後期高齢者医療」の被保険者の
資格を取得します。

また、「被扶養者」の範囲は、
被保険者の3親等内(配偶者、子、
兄弟姉妹、父母、祖父母、曾祖父母)で、
被保険者に生計を維持されている方です。

加えて、被扶養者になる方が、
・被保険者と同居と別居
・60歳未満と60歳以上または障害者か
・年収
といった要件があり、
すべての条件に合致すると、
被扶養者に認定されます。

または、被保険者のおじ、おばなどで、
被保険者に生計を維持されて同居している
場合も被扶養者になれます。

現在「パート従業員の年収130万円の壁」と、
報道されるのは、
この部分の問題でもあります。

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(2)保険料
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被保険者と事業主が折半して負担します。
保険料率は、各健康保険組合ごとに、
協会けんぽでは、都道府県ことに異なります。

また、40~64歳までは、
介護保険の第2号保険者として、
介護保険料が上乗せ徴収されます。

65歳以降は、
介護保険の第1号保険者として、
介護保険は、居所の市区町村の保険料率で、
市区町村に納付します。

一定以上の収入があれば、
老齢基礎年金から天引きされます。

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(3)療養の給付(自己負担額)
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病気やけがで、医療機関で診察を受ける場合や
入院して治療や手術などを受ける場合、
自己負担分以外の医療費が給付されます。

実際には、自己負担分だけを支払っています。

自己負担の割合は次の通りです。

・小学校入学前:医療費の2割
・小学校入学後70歳まで:医療費の3割
・70~74歳:医療費の2割(※1)、3割(※3)
・75歳以上:医療費の1割、2割(※2)、3割(※3)

なお、自治体によっては、無償化されている、
年齢もあります。

(※1)昭和19年4月1日以前生まれの方は1割負担。
(※2)課税所得が28万円以上かつ「年金収入+その他の合計所得」が、

20万円以上の方は、2割負担。
(※3)70歳以上の被保険者で診察月の標準報酬月額(給与に相当)が、

28万円以上の方および70歳以上の被扶養者は、3割負担。

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(4)高額療養費
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医療機関や薬局の窓口で支払った医療費の
自己負担額が、1ヵ月(1日から月末)に、
一定の額(自己負担限度額)を超えた場合、

その超えた金額が公的医療保険
(健康保険や協会けんぽ)から、
支給される制度です。

自己負担限度額は、
年齢や所得によって異なります。

入院をする場合などは、
健康保険や協会けんぽ健康組合で、
事前に手続きを済ませておけば、
自己負担分のみ病院から請求されます。

またマイナ保険証(保険料利用登録を行った
マイナンバーカード)を、
医療機関に提示するときに、
「限度額情報の表示」に同意すれば、
1ヵ月(1日から月末まで)窓口で支払いが、
自己負担限度額までとなります。

詳しくは、
受診する医療機関で確認してみてください。

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(5)傷病手当金
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被保険者が、病気やケガのために勤務先を休み、
勤務先から十分な給与が支給されなかったとき、

または、給与が支給されてもその金額が、
傷病手当金の金額より少なかった場合も含め、

規定の額まで、健康保険から
傷病手当金が支給されます。

支給の条件は、
・業務以外の病気やケガで療養中
・療養のため就業できない
・4日以上仕事を休んだ
(引き継いで3日間の待機期間をおいて、
4日目から支給)
以上3つです。

傷病手当金の金額は、休業1日につき、
直近の継続した12ヵ月の標準月額の平均の30分の1、
3分の2相当額です。

受給できる期間は、同一の病気やケガに関して、
受給開始日から通算して、
1年6ヵ月に達する日までです。

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民間の保険商品との比較
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以上が、健康保険の基本的な内容です。

毎月の保険料や保障の内容を再度、
検討して、ご自身にとって、
保障に不足している分を
民間の医療保険などに加入して、
補っても良いでしょう

また、現在加入中の民間の保険商品の
保障内容を見直すことで、
家計支出の削減にもつながるでしょう。

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◆    今週のポイント
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必要以上の保険に加入すれば、

家計の負担にも

成りかねません

見直しましょう!

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◆ 編集後記
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保険を見直したら、

お金が埋まっていた!?
 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第604号)
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