親が子どもに贈る財産があれば、
それを子どもに贈るのは、
生前贈与も含めていつがいいのか?

今回は、その適齢期を考えてみます。

お伝えする内容は次のとおりです。

・親の財産を子どもに贈る親の環境
・子どもがもらうベストな時期
・様々な財産の移動方法
・まとめ、お互い幸せに過ごせるように

--------------------------------
親の財産を子どもに贈る親の環境
---------------------------------

事業継承を除いて、
親が、子どもに個人的な財産を
贈るには条件があります。

まず、当然なことですが、
子どもにとって親が有益な財産を
持っていることです。

また、子どもや孫が必要なときに、
親の財産を生前に贈与するなら、

その後も親の生活が、
生涯、成り立っていくことです。

また、子どもにとって不要な相続、
たとえば、既に子どもが、
住宅を所有しているのに、

両親が亡くなったあと、
誰も住まない「空き家」になった実家を、
子どもに押し付けないことです。

つまり、「空き家」になった実家でも、
立地がよく、建物に手を加えて、

賃貸で貸せたり、
高値で売却できればいいのですが、

子どもの家計に、重荷になる相続は、
やめた方がいいです。

------------------------------
子どもがもらうベストな時期
------------------------------

通常は、親が亡くなってから、
子どもは親の遺産を相続します。

その頃、子どもは50歳近くか
初老の域に達しており、
孫も親から独立して
生活しているかもしれません。

そのような時期でも、
いいのかもしれませんが、

子どもが住宅購入の頭金などに使える、
また、孫の大学受験や学費などに使える、

といった、親子とももっと若い年齢に、
生前贈与したほうが、

子どもにとっては、
贈られた財産を有効に使える、
適切な時期かもしれません。

ただ親にとって、その時期は、
勤め先を退職したり、
老後の年金生活が始まったりと
家計収入が少なくなる時期です。

とはいっても生前贈与した方が、
子ども家族は助かることが多いと、
矛盾が生じます。

-----------------------
様々な財産の移動方法
-----------------------

また、相続専門の税理士などに
相談して、
相続税の節税対策を取りながら、
贈る時期を見極めることも大切です。

生前に贈与するためには、
贈与税が課税されない、
毎年110万円まで暦年贈与をする。

相続時精算課税を利用して、
生前贈与をするといった方法があります。

相続時精算課税とは、
累積2,500万円までの贈与財産には、
贈与税が課税されなく、

贈与者(親)に、
相続が発生した(亡くなった)とき、
贈与分も含めて、
相続税が課税される制度です。

さらに2024年1月1日からは、
毎年、贈与額から110万円控除できる、
「基礎控除」制度も新設されました。

累積贈与額が2,500万円を超えない範囲で、
年間110万円までは贈与税がかかりません。

なお、相続時精算課税を選択すると、
その翌年の2月1日から3月15日までに、
税務署に贈与税の申告が必要です。

また、相続時精算課税を利用して贈与した後に、
暦年贈与に戻ることはできません。

-------------------------------------
まとめ、お互い幸せに過ごせるように
-------------------------------------

子どもの家計で一番お金が必要な時期が、
相続の適齢期です。

ただ、その適齢期は、
親にとっては、年金生活が間近か、
既に始まった時期で、

親自身が自身の今後の生活に
不安を抱く時期と、
重なるかもしれません。

従って、特に親は自分たちの今後の家計を
シミュレーションして数値化をすることが、
まず大切です。

そして、今、生前贈与ができるのか、
また、何年後に生前贈与ができるか、
まったく、生前に贈与することは無理か、

また、相続をするにしても、
どのくらいの資産を、
子どものだれに相続するのか、
子どもに伝えて、

また必要であれば、
遺言書を作成しておくことです。

また、親から直接、生前贈与や
相続の意向を聞いた子どもも

無駄なお金を使わないように、
計画的に家計を運営したいものです。

なお、ここまでのことをすることなく、

扶養義務者である親や祖父母から、
子や孫へ、

通常必要と認められる金額の
生活費や教育費を、必要な都度贈り、

貯蓄をすることなく、
すぐに生活費や教育費に使えば、

基本的にはその費用に課税はされません。

*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*
◆    今週のポイント
*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*

円滑な相続に、

親子の対話は欠かせません!

:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:
◆ 編集後記
*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:

知識や知恵といった、

無形で無償の価値ある財産は、

時を待たずして、

いつでも贈れます!

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第596号)
Photo by photo ac
「人生の添乗員」「人生の行程表」は牧野寿和の登録商標です