日本の総人口は1億2494万7千人です。
15歳未満人口が11.6%、15~64歳人口が59.4%、
65歳以上人口が29.0%となっています※。
※総務省統計局の人口推計(2022年10月1日現在)より。
ところが、アンケート調査などで、
自分の年代を選ぶときは、
20歳代から60歳までは、
20歳代、30歳代と10歳ごとに分かれても、
60歳以降は、団塊の世代の方を含め、
人口が多いのにもかかわらず、
十把一絡げ(じっぱひとからげ)で、
60歳以降、65歳以降と
なっている場合もあります。
そこで今回は、
60歳以上の男女個人を対象に、
2023年12月に公益財団法人
生命保険文化センターから発表された、
「ライフマネジメントに関する高年齢層
の意識調査」の結果のなかで、
筆者が気になったところを、
見ていくことにします。
お伝えする内容は次のとおりです。
・調査の内容
・医療・介護費用の生活費に占める割合
・医療・介護保障準備手段
・遺族保障準備手段
・今回のまとめ
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調査の内容
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この調査は、
「生命保険文化センター」によると、
「多様化する長寿社会に対する高齢者の考え方、
生活の実態・意向等を把握し、
これからの長寿社会のあり方を検討することを
目的として実施した調査」です。
調査は、全国200 地点で、
60 歳以上の男女個人に(回収数2,084)、
調査時期は、
2023年4月6日~5月28日となっています。
結果は、全体の平均値と、
60~64歳以降から90歳以上まで、
5歳区切りで記載されています。
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医療・介護費用の生活費に占める割合
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最初は、医療や介護費用の平均月額と
生活費に占める割合です。
60歳以降全体の平均額20,600円で。
割合は、9.8%です。
60~64歳:1.62万円、7.8%
65~69歳:2.13万円、10.1%
70~74歳:2.17万円、9.6%
75~79歳:1.90万円、10.0%
80~84歳:2.35万円、11.2%
85~89歳:2.55万円、11.6%
90歳以上:2.28万円、11.0%
となっています。
ただし、医療費の自己負担額は、
70歳までの自己負担額は3割、
それ以降は所得により変わりますが、
1,2割の負担。
介護保険は、
65歳から第1号被保険者となり、
1割の自己負担です。
しかし、80歳以降は、
生活費の支出額としては増えています。
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医療・介護保障準備手段
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医療・介護の私的な準備手段状況として、
<医療の準備>は、
「生命保険」が、
60~64 歳で最も高く76.6%、
年代が高くなるごとに割合は減少していき
65~69歳:71.0%
70~74歳:65.4%
75~79歳:62.3%
80~84歳:52.7%
85~89歳:42.6%
90歳以上:32.8%
となっています。
また、「預貯金」での準備は、
全年齢層にわたり
6~7 割台となっています。
60~64 歳で最も低く61.3%
70~74 歳では65.5%と「生命保険」と
ほぼ同じ割合で、
75~79歳:66.9%
80~84歳:67.4%
85~89歳:66.0%
90歳以上:74.1%
と、「預貯金」で準備している人が、
「生命保険」を上回っています。
<介護の準備>は、
「生命保険」での準備が58.7%、
「預貯金」が60.3%と
60~64 歳は拮抗しています。
しかし、「生命保険」は徐々に加入率が減り
90歳以上では24.1%となっています。
反対に、「預貯金」は徐々に増え、
90歳以上では77.6%となっています。
年齢が高くなるほど、
特に介護用の保険には加入していなく、
高齢になってからの費用は、
「貯蓄」を取崩して、
支出しているようです。
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遺族保障準備手段
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また、万が一死亡して残された遺族の
保障の手段として、
「預貯金」での準備は、
60~64歳:58.9%、
65~69歳:59.5%
70~74 歳で64.1%を最高に、
75~79歳:58.8%
80~84歳:61.5%
85~89歳:61.0%
90歳以上で62.1%と
全年齢層にわたり60%前後となっています。
また、「生命保険」での準備は、
60~64 歳で62.9%を最高に、
65~69歳:55.0%
70~74 歳:54.0%
75~79歳:54.2%
80~84歳:45.4%
85~89歳:38.3%
90歳以上:31.0%
となっています。
さらに「不動産の売却や賃貸」が、
60~64歳と90歳以上で10.0%台、
85~89歳は20.0%台と一番高く
その他の年齢で15%台前後でした。
預貯金で準備している方が一番多く、
70歳代までの方の半数は、
生命保険でも準備して、
不動産資産でも準備している方もみえる。
ということです。
しかし、この統計値では、
現金に換算した数値がわかりませんので、
割合=資産額にはならないでしょう。
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今回のまとめ
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今回は、医療と介護それに遺族保障に
ついてのデータでした。
このデータは、医療費や介護費用、
それに遺族保障を準備していく上で、
ひとつの指標にはなります。
しかし、加給している「生命保険」の、
保障は適切なのか、
「預貯金」の額も充分なのか、
不動産は、相続する側にとって、
負担にならないのか、
それらは、家庭ごとの家計収支で、
検証することが大切です。
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◆ 今週のポイント
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たとえば、
生命保険に加入しているなら、
それだけで満足することなく、
いつの、何の保障のために、
加入しているか、検証が必要です!
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◆ 編集後記
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日本での生活に、
生命保険は欠かせない!?
人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第586号)
Photo by photo ac
「人生の添乗員」「人生の行程表」は牧野寿和の登録商標です