外貨の定期預金金利が上がっています。
しかし、対米ドルに対して、
円安の状況が続いています。

そこで今回は、
実際に米ドル建て定期預金に、
日本円で100万円を1年間預金した成果を、
シミュレーションしてみます。

お伝えする記事の内容は次のとおりです。
・サンプルにする定期預金の内容
・預け入れの時の計算
・運用結果
・為替レートに注目して引出し時の計算
・まとめ

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サンプルにする定期預金の内容
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日本の銀行の米ドル建て定期預金の商品を、
次のように、1年間預金するとします。

・預入れ金額:日本円で100万円
・年率:6.0%
・預入期間:1年間
・為替手数料:売買ともに1円
・現在の為替レート:米1ドル140円
・1年後に引出し時のレート
:130円と150円

それでは実際に計算してみます。

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預け入れの時の計算
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1ドルが140円の時に100万円預金するとします。

まず円から米ドルに換金します。

手数料が1円かかりますので、
実際には、1ドル141円で100万円を
米ドルに換金すると、
7,092ドルとなります。

従って、
7,092ドルに年率6.0%の利息が付きます。

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運用結果
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1年間の運用後に引出す時には、

426ドルの利息が付き、
7,518ドル受取ることができます。

しかし、実際に収益があったかは、
為替レートの影響を受けます。

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為替レートに注目して引出し時の計算
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預入れた時は1ドル140円でした。

426ドルの利息がついた7,518ドルを
日本円で引出す時、

1ドル130円の円高になっていたら

日本円に換金するときに、
1円の手数料が必要でしたので、
1ドル129円で計算します。

結果は、日本円で96万9,822円になります。
内訳は、
元本91万4,868円、利息54,954円です。

また同様に、
1ドル150円の円高になっていたら
1ドル149円で計算します。

結果は、112万182円になります。
内訳は、
元本105万6,708円、利息63,474円です。

つまり、預入れた時より10円
円高になっていれば、
元本の100万円が91万4,868円と、
8万5,132円の為替差損が生じます。

また、預入れた時より10円
円安になっていれば、
元本の100万円が105万6,708円と、
5万6,708円の為替差益が生じます。

なお、課税関係について、

利息は、円建て預金と同様に、
一律20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
課税されます(源泉分離課税)。

また、為替差益は総合課税の対象となり、
原則、雑所得として確定申告が必要です。

また為替差損は、
その年のほかの雑所得があれば、
そこから控除(損益通算)ができます。

従って、実際にこの預金を引き出す時は、
利息に課税された後の金額です。

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まとめ
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このように外貨建て預金には、
為替の変動リスクがあります。

また、その国の国内の景気などの
リスクもあります。

従って、予想が不確かなリスクもあります。

このようなリスクを軽減するためには、
ある程度、日本円を含めて、
通貨を分散して保有するのもいいでしょう。

ただし、元本が保証されていない金融商品で、
資産を形成する時は、
家計ですぐには必要としない余剰金を、
資金にすべきでしょう。

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◆    今週のポイント
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株式や投資信託に投資すると同様、

まずは、
外貨預金という金融商品を知ることが

大切です!

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◆ 編集後記
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円安円高に関わらず、

これからは日本円だけではなく、

他国の通貨も保有することが必要です!

もっとも、通貨から暗号通貨(仮想通貨)が

主流の時代に変わるかも!?
 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第572号)

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