初めて経験することがあるとき、
特にお金に関わることは、
それを今までに経験したことがある方がいれば、
その方の結果を、
参考にしたいと思うことがあります。

今回は、
他人のどんなことが参考になるのか、
FPの立場で考えてみることにします。

お伝えする記事の内容は次のとおりです。
・他人を参考にしたいときはどんな時
・参考になること、参考にならないこと
・他人を参考にする理由
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他人を参考にしたいときはどんな時
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筆者が、相談者が描いた
ライフプランを実現させるために
今までより支出を減少させる
提案をしたとします。

たとえば、
小遣いの額や毎月の食費を削減する
提案です。

このような相談者も日頃から、
実行しなくてはいけないな、
と思っていた提案は、

相談者の背中を押すことになり、
受け入れてもらうことが多いです。

このようなときは、
他人のことは気になりません。

しかし、もっと大きなお金が動くとき、

たとえば、
住宅購入のために住宅ローンを組み、
滞りなく返済できるか、
といった相談があったとします。

相談者にとっては、
購入して住宅ローンの返済が可能か、
その最終決定をする前に、

本当に購入してもいいのか、
一抹の不安があり、

その不安を払拭するため、
筆者のところに訪れたのです。

ところが、筆者が試算した結果、
ローンの完済が厳しいので、
借入額を減らした方がいいと、
その根拠を示しながら提案することがあります。

相談者にとっては、
悪い予感の方が、
当たってしまったことになります。

このような、
つまり、自分の行動を肯定して、
背中を後押ししてくれるのではなく、

意に反する場合、

「わたしたちと同じような人は、
どうしている?」と、
他人を参考にしたくなるのです。

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参考になること、参考にならないこと
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他人と比較して参考になることと
ならないことがあります。

参考になることとしては、
上記、住宅ローン返済の問題の
続きになりますが、

無理な返済とわかっていても、
住宅ローンを契約して住宅を購入したら、

返済開始後、早ければ2,3年後から
返済が行き詰まることです。

また、購入しようとした住宅はあきらめ、
それより安価な住宅を購入して、
住宅ローンの返済も滞りなく
快適に過ごしている家族。

どうしてもその住宅が購入したい夫婦が、
その住宅を購入後、

極端と言えるほど家計の支出を抑えたり、

妻がパートをかけ持ちしたり、

また、今でこそ勤務先が
副業を認めるようになってきてはいますが、
夫が、会社には隠れて、
休日にバイトをしたりして、

家計の収入を増やして、
返済を続けながら、
お気に入りの住宅を保持することは、
参考になる方もいるでしょう。

参考にならないことは、

実は、他人は参考にならないことの方が、
多くあります。

つまり、他人とは、
・収入
・支出
・貯蓄
・家族構成
・家風
・主義主張
といったことが、
その方個人や
家族ごとでも異なります。

従って、同じ事例でも、

根本的に考え方の違う方同士には、
参考にならない方のほうが
自ずから多くなるからです。

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他人を参考にする理由
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このように、
他人を参考にすることは、

単に、他人の行動を参考にするのではなく、

あらためて、自分や家族のアイデンティティ、
つまり、
自身や家族の本質や独自性を確認することで、

より現在の収入や支出に見合った生活が、
出来ようにするための手段なのです。

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◆    今週のポイント
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他人と比較することは、

自身が行動するための

意思決定の

プロセスのひとつです!

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◆ 編集後記
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自己満足のために見栄を張る!

ひと時の快楽であっても、

その代償は、

家計に重くのしかかってくるでしょう!?
 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第563号)

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