ここのところ、来年(令和6年)からスタートする
新しいNISA(少額投資非課税制度)(※)が、
話題になっています。
ただ、新しいNISAも、
投資した元本が保証される金融商品で、
運用されるのではありません。
この記事の読者の皆さんの中にも、
「元本が保証されないなら私には関係ない。
けど、お金を貯めることには興味がある。」
と、いう方もいることでしょう
そこで今回は、
毎月5万円ずつ20年間積立をすると、
どのくらいの収益(リターン)があるか、
またリスク(ブレ)があるのか?
元本保証されている銀行の定期預金、
また株式や投資信託といった、
元本保証のない金融商品に、
毎月5万円ずつ20年間、
積立投資をしたときの
シミュレーションをしてみます。
ただし、今回のシミュレーションで、
収益に対象する課税額や諸費用は、
計算していません。
また、冒頭に話題にしたNISA制度を利用した
金融商品でのシミュレーションでもありません。
この記事の構成は次のとおりです。
・リスクを考えて投資する
・投資の考え方を決める
金融庁HP「新しいNISA」を参照してください
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/index.html
----------------------------------------
銀行の定期預金で年利0.0020%で積立てる
----------------------------------------
銀行の定期預金に毎月5万円ずつ、
積み立てていけば、
20年間で1200万円貯まります。
年利0.0020%で計算すれば20年間で、
利息が2,410円つきます。
万が一。積み立てをしていた銀行が、
破綻しても、
元本1,000万円までの預金と
破綻日までの利息等は、
預金保護機構によって保護されています。
-------------------------------------------
A社の株式に年利1.0%を目標に積立投資する
-------------------------------------------
では、元本が保証させれてない金融商品に、
投資をした場合のシミュレーションしてみます。
A社は、長年、経営は安定していて、
あまり景気の動向で、
株価は変動していませんでした。
そこで、長期間年利1%で運用できるだろうと、
毎月5万円ずつ20年間投資をすると、
シミュレーションをしてみます。
収益(リターン)が約128万円と計算できました。
-----------------------------------------------
B投資信託に年利回り3.0%を目標に積立投資する
-----------------------------------------------
また、A社よりもっとリターンを得たいと、
B投資信託に、
年利回り3.0%を目標に、
毎月5万円ずつ20年間積立投資したとします。
その結果、順調に運用できれば、
リターンが、約438万円と計算できます。
-----------------------
リスクを考えて投資する
-----------------------
上記の3つを結果をみて、
同じ5万円を20年間投資するのに、
単に、老後の生活資金を貯めたいなら、
銀行に積立預金をすればいいでしょう。
少しは収益を上げたいのであれば、
A社の株式に投資をする。
いやもう少し利益を得たので、
B投資信託で運用する。
といった考え方もできるでしょう。
ただ、ここで問題になるのは、
元本が保証されていない、
A社の株式やB投資信託に投資をした場合、
A社の株式では最大約128万円の利益が
見込めますが、
もし、景気が悪化したり、A社に問題が生じて、
株価が下落すれば、
収益どころか、投資した元本を割込む
損失を生じる可能性があります。
つまり、1,200万円を資金に、
約128万円リターンを得る可能性も、
投資元本を割込む可能性もあるのです。
同様にB投資信託でも、
約438万円リターンを得る可能性も、
投資元本を割込む可能性もあります。
資産運用では、
このリターン(収益)が変動する、
ブレの大きさをリスクと言っています。
このリスクを考えて
投資をすることが大切です。
----------------------
----------------------
リスクを考えた投資とは、
金融商品の基礎知識を学んでから、
投資をすることは、もちろんのことです。
この先の家計収支の推移を展望しながら、
投資をしていくことです。
損失のリスクに耐えられないと、
最悪の場合、
家計は破たんしてしまうからです。
それに加えて、たとえば
上記のA社が何らかの影響で、
業績が悪化して株価が下がった時に、
A社の業績の回復を待つか、
それとも、A社の株を売って、
他社の株を買って、A社での損失以上の
収益を目指すか、
ここは、投資の教科書通りには、
いかないところであります。
また、投資をする醍醐味と考えるか、
危険と考えるかは、
それこそ、個々人の
元本が保証されていない金融商品に
投資をするか、
また投資をするなら、
どのような容認度にするか、
指針になるものです。
◆ 今週のポイント
投資は机上で考えるのではなく、
リスクの対策を身に付けてから
本格的に実践するものです!
*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:
◆ 編集後記
*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:
一般的に、
余裕資金で、
元本の保証されていない投資する
では、余裕資金とはなにか?
考え出すと、
結構、難しい話しかもしれませんね!
人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第542号)
Photo by photo ac
「人生の添乗員」「人生の行程表」は牧野寿和の登録商標です