筆者が、相談者のライフプランを作成するとき、

家計支出で見直すことが多い項目のひとつが、

死亡保険や医療保険といった保険商品の

保障内容です。

 

そこで今回は、

万が一のために加入する保険の保障は、

 

万が一を保障すればよいワケをお伝えします。

 

なお、この記事では労働災害(労災:

業務または通勤中に、労働者が負傷、

疾病、障害または死亡すること)

には触れません。

 

この記事の構成は次のとおりです。

万が一の最悪を考える

死亡保険で最悪に備える

医療保険で最悪に備える

・まとめ

 

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万が一の最悪を考える

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保険会社(民間)の保険に加入する目的は、

 

保障に見合う保険料を保険会社に支払い、

万が一の時に、

死亡保険金や入院給付金といった保障を

得ることです。

 

たとえば、

夫婦とふたりの子どもがいるA家で、

万が一、夫が亡くなったとします。

 

夫を対象(被保険人)とした死亡保険に

加入していれば、

 

残された家族の生活費や

夫の葬式や法要の費用が、

 

もし、夫が事業を営んでいて亡くなった後は、

事業をたたむなら

その保障を得ることができます。

 

また、夫が病気やけがで入院した時、

夫が医療保険に加入していれば、

 

入院や手術給付金といった保障を

得ることができます。

 

これらの保障を得るためには、

保険が保障される期間の保険料を、

保険会社に支払っています。

 

ただし、私たちは、健康保険料は生涯、

原則60歳まで国民年金保険料か、

厚生年金保険料を70歳まで納付する人もいます。

 

この公的な社会保険では足りない、

万が一の時の保障を、

民間の保険会社の生命保険や医療保険で補う

という考え方もあります。

 

一方で、万が一の最悪を考えて、

公的な保障では不十分だと思い、

保険に加入することは、

その人や家計にとっては、

大切なことかもしれません。

 

しかし、必要以上の保障を

求めて保険に加入して、

 

そのために保険料の支払額も増大して、

保険の見直しにつながることも

間々あるのです。

 

具体的な例をみていきます。

 

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死亡保険で最悪に備える

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たとえば、

上記のA家の夫が万が一亡くなるという

万が一の最悪の時に備えるのに、

 

公的な遺族保障では足りない分を、

民間の保険商品で補うとします。

 

夫はサラリーマンで、厚生年金に加入していて、

万が一死亡した場合、

妻に「遺族厚生年金」と、

下の子どもが、

18歳の高校を卒業する3月まで、

「遺族基礎年金」が受給されます。

 

その後、妻が40歳から65歳になるまでの間、

遺族厚生年金に加えて、

中高齢寡婦加算596,300円(令和5年度の額)が

受給できます。

 

妻の65歳以降は、

夫の生前かまた夫の死後にも、

厚生年金を納付する会社に務めていて、

老齢厚生年金を受給するなら、

 

夫の遺族厚生年金と妻が受給していた

遺族厚生年金とを調整して受給できます。

 

なお、夫が事業主で、

一度も厚生年金に加入したことがなければ、

遺族基礎年金のみの受給です。

 

このような公的な遺族年金の受給額で

足りない分を、

 

民間の死亡保険に加入して、

万が一のときに保障される金額を補います。

 

従って、保障額は子どもが誕生した時が、

一番保障額が高く必要です。

 

ちなみに、一度に支出する額が多いのは、

大学入学に関わる費用です。

 

子どもが独立すれば、

その時の貯蓄高によりますが、

死亡保険は不要になるかもしれません。

 

または、保険商品によっては、

払済終身保険に変えてもいいでしょう。

 

 

受給額の詳細は、

日本年金機構のHP

遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-04.html

 

遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150424.html

 

また、払済終身保険については、

金融広報委員会のHP「知るぽると」の「6生命保険を見直す

https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/seiho/seiho6_04.html

 

をご覧ください。

 

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医療保険で最悪に備える

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医療保険でも、

私たちは終身健康保険に加入して、

原則、現役の間は、

医療費の3割を支払っています。

 

また、病気やけがで入院した時には、

健康保険の「高額療養費」制度で、

 

前年の所得に応じて、

入院一カ月ごとの医療費の支払いの上限が、

定められています。

 

勤め先によっては、

福利厚生として、入院費用を

補填してくれる企業もあります。

 

また、子どもの医療費の無償化や

一部負担してくれる自治体もあります。

 

従って、万が一のことを考えて、

これらの公的な制度を補完する、

民間の医療保険に必要な保障分だけに、

加入すればいいのです。

 

なお、高額療養費制度の詳細は、

厚生労働省のパンフレット

高額療養費制度を利用される皆さまへ

https://www.mhlw.go.jp/content/000333280.pdf

 

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まとめ

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厚生年金や医療保険も、

毎月保険料は支払っています。

 

無料で保障を受けられるのではありません。

 

それに加えて、繰り返しになりますが、

民間の保険商品に加入すれば、

保険料を支払って保障を得るのです。

 

従って、死亡保険や医療保険に限らず、

適切な保障を得るためには、

 

家族の成長に合わせて変化していく、

その時の万が一に見合うように、

 

保険商品の保障の内容と保険料を、

定期的に見直していくことも大切。

 

という考え方もあります。

 

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◆  今週のポイント

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保険を見直す時期は、

 

加入後10年経って以降が多い!?

 

その訳は……。

 

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◆ 編集後記

*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:

 

新入社員の独身の人が、

 

死亡保険に加入しました。

 

(1)保険金額は、

 

(2)保険料は、

 

(3)受取る人は、

 

では、結婚、住宅購入、子どもの誕生、

子どもの独立、退職した時といった、

 

(1)から(3)は?

 

各々のシミュレーションが必要ですね!

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第540号)

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