物価が高騰しています。
自衛の対策の手段のひとつが、
家計の支出を節約することです。
ただし、
「節約するぞ!」
「財布のひもを締めるぞ!」
といった、かけ声は勇ましく、
しばらくの間は、
何かと支出を抑えるように心がけても、
結果は、「なにしろ出費を控える」で、
終わってしまうこともあります。
そこで今回は、
家計支出の何をどうしたら、
節約はできるのかを、
考えていくことにします。
この記事の構成は次のとおりです。
・節約=支出を減らすこと?
・節約しても貯蓄もする
・使えない資産は無駄使い
・貯蓄と資産
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家計の根本は、収入・支出と貯蓄
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節約を考える前に、
まず家計の根本を確認しておきます。
家計は、給与や事業からの収入と
生活を支えていくための支出、
そして、将来、使うための資金を蓄えておく、
貯蓄から成り立っています。
貯蓄は資産の一部です。
貯蓄のほかに、
株式や投資信託といった金融商品を運用する。
また、不動産を運用するなど、
その人にとって、馴染む適切な方法で、
資産を形成していくことができます。
ただし、貯蓄をするにも資産を形成するにも、
家計の収支が崩れないよう、
バランスを保っていくことが根本です。
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ここからは節約の話です。
例えばA夫婦が、
これから、住宅を購入するための頭金を
貯めることとします。
A夫婦は3年前に結婚して、
夫婦で、住宅を購入するための頭金を、
毎年100万円ずつ、5年間かけて500万円、
貯めることにしたのでした。
A夫婦は、貯めるためにお金を使うという
お金を使う目標を、
決めたことにもなります。
A夫婦はともにフルタイムで働いています。
とはいっても、
毎月約8万3,000円ずつ貯めていくことです。
夫婦から思わず「節約しなくては」
といった、言葉が漏れていることでしょう!
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節約をすることは、
支出を減らすことで、間違いはありません。
しかし、単に今までより
「節約、節約、節約をしなくては」と言って、
めくらめっぽう闇雲に、
支出額を減らしていけば、短期的には、
家計の支出は減るかもしれません。
しかし、A夫婦の目標の5年間で
500万貯めることは、
途中で、息切れしてしまうかもしませんし、
本当は必要なものまで、
買うことを控えてしまう可能性もあります。
そこで、節約すべき支出の内容を、
決めておいた方が良いでしょう。
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A夫婦も当てはまりますが、
単に、節約をして、
家計支出を減らすのではなく、
毎月、毎月約8万3,000円ずつ、
貯めて生活をしていくのです。
言い換えれば、
夫婦の毎月の収入から、
毎月約8万3,000円ずつ引いた金額で、
家計を成り立つようにするのです。
これができれば、
A夫婦の節約は成功している。
と言えるでしょう。
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A夫婦は住宅ローンを組んで、
住宅を購入する計画です。
購入した住宅は、
A夫婦の共有名義で購入すれば、
購入額の割合で夫婦の資産です。
しかし、住宅ローンを返済するまでは、
負債でもあります。
つまり、住宅ローン完済までは、
購入した住宅の現在の売却額-負債額(借入金の残債)
=現在の住宅の資産額
といった式が成り立ち、住宅ローン完済後より、
資産価値は減少します。
また、資産価値の点では、
単独名義の物件の方が共有名義の物件より、
高くなります。
A夫婦の場合でも、夫婦の共有名義ではなく、
夫か妻の単独の名義の方が、
資産価値は高くなるでしょう。
これも、節約をするひとつの方法です。
また、購入した住宅を住宅ローンを完済後など、
何の負債もない状態で、
何らかの理由で、住宅を売却しようとしたとき、
少なくとも、購入時と同額、
または、それ以上で売却できないなら、
資産価値のない物件を、
購入したといっても過言ではありません。
これこそ、無駄使いです。
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このようにA夫婦を例に考えますと、
資産を購入するために貯蓄をして、
貯めたお金で資産を購入する。
その資産も、
持っていることを誇るのではなく、
時には、売却してほかの資産を得る。
どんどんお金を回せば回すだけ、
自身や夫婦、家族で描いた生活が実現できる。
このような生活ができる根本は、
家計の収入と支出を把握して使うことです。
従って、小売物価などが値上がりすると、
闇雲に家計の支出を減らして節約した。
と満足することも大切かもしれません。
ただ、大局的に見れば、
物価の上昇も、景気循環の流れのなかでの
現象で避けられないことです。
何十年かの周期で起きるものです。
物価上昇に踊ることなく、
個々人の長期的なお金を使う目標を掲げながら、
家計収支の運用をしていけば良い!
と考えるのです。
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◆ 今週のポイント
「使う」目標があった方が、
効率的な節約ができる!
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◆ 編集後記
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今回の記事のような、
頭金を貯めるといった目標を決め、
実際に、5年間家計の支出を減らせば、
その支出額に慣れた家計収支の運営や、
貯蓄が可能になるようです!
これこそが、
節約の成果といえます!
人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第536号)
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