かれこれ20年位前でしょうか、
筆者がFP事務所を開設したころ、
貯蓄から投資へとよく言われていました。
昨今、岸田政権になってから、
また、よく聞くようになりました。
しかし、銀行の預貯金、
保険の商品の一部を除いた、
ほとんどの金融商品は、
投資した資金(元本)が、
元本を割込むこともある、
つまり、元本が保証されてはいません。
とはいっても、特に若い世代を中心に、
税制優遇制度を利用して、
資産形成をする人も増えてきたようです。
そこで今回は、
「貯蓄から投資」対応できる人には、
どのような理由があるのか?
探っていくことにします。
この記事の構成は次のとおりです。
・投資をしてお金を増やす
・元本の保証がない投資とは
・元本保証のない投資ができる条件
・投資を実践するためには
----------------------------
----------------------------
収入を得て、
銀行の預貯金口座に入ったお金を
さらに増やすには、
お金にも働いてもらうことが必要です。
お金に働いてもらうには、
・株式や投資信託といった金融商品に投資
・不動産に投資
・金などの現物商品に投資
といった投資をする方法があります。
その他にも、
競馬競輪といったギャンブルや、
宝くじを買うなど様々な方法があります。
しかし、これらに投資をするお金の元本は
保証されていません。
また、収益を得たときには、宝くじ以外は、
税金がかかります。
なお、冒頭でお話したNISAやiDeCoで、
金融商品を運用して得た収益の税金は
優遇されていますが、
投資した元本の保証はありません。
--------------------------
--------------------------
100万円投資した株式の株価が、
110万円になったときに売却すれば、
10万円の収益が上がります。
しかし、約20%の税金と
証券会社への手数料が、
収益の10万円から引かれます。
また、株価が元本を割って、
90万円になっていたときに売却すれば、
10万円損をします。
この株価の10万円収益か損失を出すかのブレを
「リスク」といいます。
金融商品を購入するときは、
この「リスク」を考慮して購入します。
従って、
「リスク」の低い銀行の預貯金は、
元本が保証されている。
しかし、収益は望めません。
「リスク」が高くなっていけば、
その分、損益の幅もでてきます。
従って、
リスクの高い金融商品を購入するには、
リスクに見合う資金を所有していることが、
条件になります。
その条件には、
投資した額が元本を割るようなときは、
いくらまでなら許容できるか、
自分の資産を知っておくことも含まれます。
-------------------------------
-------------------------------
株式投資をするなら、
たとえば、
購入しようとしている会社が、
取り扱っている商品に、
最近、特許が取れて、
今後独占的な販売が見込める。
といった、その会社の業績が上がって、
それとともに株価も上昇していく、
といった明確な理由を
見つけることができることが必要です。
また、別に株式を購入しようかと、
考えていた会社の株価が、
下降傾向から上昇傾向に転じた時、
その原因は、
市場全体かこの会社だけか、
その理由を分析できることも必要です。
そして、株価が上昇しているときも、
また値が下がっているときも、
このままこの株式を持ち続けるのか、
いくらになったら売却するのか、
その判断ができることです。
この判断が難しいことは言うまでもありません。
このような分析や判断をして、
あと腐れを残さないように、
自らの投資のしかたを決めておくこと。
それが、元本保証のない金融商品に、
投資ができる条件です。
-----------------------
-----------------------
元本が保証されていない金融商品に投資して、
いつも収益を上げるのは至難の業です。
これから株式投資を始めようと思っていれば、
たとえば、10万円の資金で1年間、
国内や海外の業種の違う数社の
株式を購入して、
株式市場や世の中にどんなことが起こったとき、
購入した会社のどんな情報が報道されたとき、
SNSでうわさが流れたとき、など
各社の株価はどのように反応するか、
研究して、理解出来てから、
本格的に投資を始めてもいいでしょう。
このようなことができる人が、
「貯蓄から投資」に対応できる、
また対応できる理由でもあるのです。
ただし、お金には働いてもらいたいけど、
元本の保証のない金融商品には
手を出したくない。
だから、銀行に預けておいて、
そのお金を使わなければ、
増えもしないけど減らない。
それで私はいい。
このようなしっかりとした
ポリシーを持つことも大切なことです。
筆者も否定はしません。
*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*
◆ 今週のポイント
ある金融商品に投資をするときの
我が家のその許容額はいくら?
この金額を決めておくことが、
元本保証のない金融商品に
投資するときの鉄則です!
*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:
◆ 編集後記
*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:
手元に100円あったとして、
インフレになり物価が上がり、
100円で買えたものが120円になったら
手元の100円では買えません!
しかし、100円は手元にあるままです
このお金を120円になるように、
働いてもらう方法を考えるのは、
お金を持っている人です!
お金は素直ですので、
言われたように働いでくれます!
人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第531号)
Photo by photo ac
「人生の添乗員」「人生の行程表」は牧野寿和の登録商標です