私のところによく相談いただく

「お困りごと」があります。

 

言い換えれば、

みなさまの「お困りごと」があります。

 

そこで、今回から数回に分けて、

その「お困りごと」の基本的な解決策を、

お伝えいたします。

 

これから解決する「お困りごと」の内容は、

次のとおりです。

 

1.年金の受給額に間違いはないのか(今回)

2.退職金で住宅ローンを完済してもいいのか(今回)

3.NISAやIDeCoと元本割れの心配(次回以降)

4.保険に入る本当の理由がいまひとつわからない(〃)

5.住宅は所有すべきか賃貸でいいのか(〃)

 

それでは、はじめに

公的年金の受給額について考えます。

 

---------------------------------

1.年金の受給額に間違いはないのか

---------------------------------

何歳から、「老齢基礎年金」がいくらもらえる、

受給できるのか?

 

加えて、厚生年金保険に加入した方は

「老齢厚生年金」は何歳から、

いくら受給できるのか?

 

その金額は、

毎年、誕生日の月に「日本年金機構」から、

郵送される「ねんきん定期便」で、

確認することができます。

 

50歳未満の方には、はがきで、

直近1年間の

これまでの加入実績に応じた年金額が、

 

また、50歳以上の方には、

同じくはがきで、

年金見込額が届きます。

 

「節目の年」と呼ばれている、

35歳、45歳、59歳には、封書で、

20歳以降の全期間の国民年金保険料や

(勤務先を含めた)厚生年金保険料の納付の

記録情報と、年金の受給見込額が、

届けられます。

 

また、「ねんきんネット」に登録しておけば、

いつでも、パソコンやスマホから、

自分の年金受給額を確認することができます。

 

確認した年金の受給額が、

実際に受給できる額とは違うときには、

 

次の2つの理由を考えることができます。

 

(1)以前に問題になった、年金保険料を

納付していたのに、

その記録が漏れている場合

 

この可能性があれば、

最寄りの「年金事務所」に相談してください。

 

(2)年金保険料は納付しているのに、

年金の受給額が少なく思う場合

 

この場合は、まずご自身が受給できる、

年金受給額を計算してみてください。

 

ちなみに年金の受給額は、

「老齢基礎年金」は、20歳から40年間完納すれば、

777,800円(令和4年度)受給できます。

 

納付していない月などがあれば、

その分減額されます。

 

また、「老齢厚生年金」は、下記<参考1>の

定められている数式で求めることができます・

 

<参考1>

日本年金機構HPより 

老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/jukyu-yoken/20140421-01.html

 

年金の見込み額に間違いはなく、

老後の生活をしていくには厳しい受給額なら、

その現実を受入れて、

老後の家計収支に見合う対応策を検討して、

快適な老後が送れるように、

早急に準備を始めることが大切です。

 

たとえば、

老後の家計収支のシミュレーションをして

年金の繰下げ受給<参考2>を

検討してもいいでしょう。

 

家計収入を増やす、支出を減らすことは、

近々の検討課題と言えます。

 

<参考2>

日本年金機構HPより 

年金の繰下げ受給

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-02.html

 

-------------------------------------------

2.退職金で住宅ローンを完済してもいいのか

-------------------------------------------

次に、退職金で、

住宅ローンを完済したとき、

家計に起こることを考えてみます。

 

まず、退職金が入ってくれば、

貯蓄、つまり手持ちの現金が増えます。

 

家計収支としては、

一時的かもしれませんが、

お金が余っているといってもいい状態です

 

次に、老後の家計収支を考えてみます。

 

具体的には、これから先、

毎年、年金を中心にいくらの収入があり、

また支出があるかを予想します。

 

ここでは、貯蓄を取崩す生活も予想されます。

 

毎年の家計収支がマイナスになって、

その分を、貯蓄を取崩して、

家計が成り立っていくのであれば、

 

その指標として、

平均寿命男性約82歳、女性約87歳から、

少なくとも5歳以上、

男性87歳以上、女性92歳以上の、

生涯の家計収支を作成して、

貯蓄額が残っていれば、

 

老後の家計収支は、

今のところ、問題ないといえます。

 

ここまで準備をして、

退職金で住宅ローンを完済してもいいのか、

検討に入ります。

 

上記で作成したシミュレーションの、

退職金を収入に入れた後に、

住宅ローンの完済に必要な金額を、

支出に入れて計算してください。

 

その結果、

生涯の家計収支に大きな変化がなければ、

退職金で、住宅ローンを完済して、

いいかもしれません。

 

なお、このシミュレーションをするときは、

特に、75歳から80歳以降の貯蓄額の変化を、

注目してください。

 

なぜなら、住宅ローンを退職金で完済したあと、

老後の生活の破たんが起こる年齢だからです。

 

念のために、住宅ローンの毎月の返済額の内容を

復習しておきます。

 

毎月の返済額は、

元本の返済分と残債の利息分の合計です。

 

住宅ローンの返済当初は、

 

毎月の返済額のうちの多くを、

利息分を返済する割合が多いので、

 

繰上げ返済をすると、

元本はもちろんのこと、

利息分の返済削減の効果があります。

 

しかし、返済末期になれば、

毎月の返済額の内容は、

利息分はほとんど払い終えて、

元本分の返済をしていることが多いです。

 

つまり、退職金で完済して、

利息分の支払い額の削減効果が期待できるか?

 

その利息分の金額は、完済後に、

予期しないまとまったお金が必要になり、

お金を借りた時の利息の金額と、

どちらが高額になるのか?

 

住宅ローンを完済することで、

手元からまとまった現金がなくなります。

 

老後の生活では、

現役の時代に比べてお金を作ることは、

困難が予想されますので、

 

住宅ローンの完済に限らず、

 

老後の生活に入る前に、

まとまったお金を家計から支出することは、

慎重に考えることも重要です。

 

*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*

◆  今週のポイント

*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*

 

お金は、急には生まれてくれません!

 

冷静に、現状を認識する

 

そして、将来の生活も冷静に認識する

 

生涯、お金とお付き合いするために、

 

たいせつなことです!

 

*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:

◆ 編集後記

*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:

 

世間が、何を言っていようが、

 

まずは、ご自身の家計と

 

相談することです!

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第526号)

Photo by photo ac

「人生の添乗員」「人生の行程表」は牧野寿和の登録商標です