株式や投資信託といった金融商品には、

リスクがつきものです。

 

運用次第では、投資した金額(元本:がんぽん)を

下回る、元本割れを起こすことさえあります。

 

ただし、銀行の預貯金など、

元本が保証されている金融商品の数は、

限られていますし、現在の低利息では、

とても収益は見込めません。

 

従って、金融商品を運用するときに、

リスクはうまく付き合うもの、

と言ってもいいでしょう。

 

ところで、金融の世界でのリスクとは、

運用の結果、いくらまで収益が上がるか

反対の損失がでるか、

このブレ幅のことをいいます。

 

また、収益のことをリターンとも言います。

 

よく耳にする、

ハイリスク・ハイリターンの商品とは、

リスクの大きい分、大きなリターンも見込める、

株式などの金融商品のことです。

 

また、ローリスク、ローリターンと言えば、

銀行の預貯金などの商品です。

 

今回は、

ある会社の株式を想定利回り年3%で、

毎月20,000円ずつ積立て、

毎年見直し20年間運用した時、

しかも、その3%は、

収益ではなく損失のリスクだった場合を、

シミュレーションしてみます。

 

この記事の構成です。

1. シミュレーションの前提

2.  シミュレーションの結果

3. 20年間すべて収益が上がったときとの差

4. シミュレーションを振返る  

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1. シミュレーションの前提

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このシミュレーションは、

・株式会社A社の株式を毎月2万円ずつ買付ける

・年3.0%で運用する(ただし今回は通期損失)

・4年に1回見直しをする

・複利で計算する/利息の「は数」は切捨てる

・諸税や運用にかかる手数料は考えない

 

このあとの項目で具体的にお話いたしますが、

毎年、年3%の損失分を差し引いた元本で、

運用を続けていきます。

 

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2.  シミュレーションの結果

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では始めていきましょう。

 

毎月2万円ずつ年3.0%で運用していきます。

 

まず、1年目で、

年利3%の損失が出る計算をします。

 

積立て元本は、

2万円×12ヵ月=24万円です。

 

24万円の年利3%は、約3908円ですので、

24万円-3,908円=236,902円。

 

236,902円が、毎月2万円ずつ積立てて、

年3%の損失が出た時の結果です。

 

2年目は、236,902円に毎月2万円を年利3%で、

複利運用していきます。

 

そして、1年目と同様に、

損失として、積立額から差引きます。

 

このような操作を毎年切り替えしていくと、

5年目の末には、

1,089,632円手元に残ります。

 

同様に10年目の末には、

2,020,766円です。

 

同様に15年目の末には、

2,835,508円となります。

 

そして、20年後には、

3,524,159円(1)手元に残ります。

 

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3. 20年間すべて収益が上がったときとの差

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20年の間、毎月2万円ずつ、

年利3%で運用できたとすると、

6,553,211円(2)手元に残ります。

 

ちなみに、

毎月2万円ずつ20年間積立てるだけだと、

4,800,000万円(3)です。

 

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4. シミュレーションを振返る

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(1)と(3)の差は、1,275,841円です。

 

単に、銀行に預金しておいた方が、

20年間で、約127万円損失を、

免れることができたといえます。

 

また、(2)と(3)の差は、1,753,211円です。

 

上記とは反対に、銀行に預金しておくより

年3%で運用した方が、

20年間で、約175万円収益が上がるといえます。

 

ただ、収益は課税の対象になります。

もし、所得税や住民税で約20%課税されると、

175万円の20%は35万円で、

175万円-35万=140万円(4)が納税後の収益です。

 

20年間、常に、損失や収益が上がるだけの

一方的な運用をすることは、

現実的は考え辛いことです。

 

ということは、

ご自身の資産運用の考え方や

収入などの客観的な家計の環境から、

リスクの許容度として(1)から(4)の範囲を

容認することができれば、

 

特色の違う複数の金融商品で運用していくことで、

市場の動向にもよりますが、

さほど、元本割れのリスクを懸念することなく、

運用を楽しむことは可能だ、と思うのです。

 

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◆  今週のポイント

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金融資産運用も、

 

頭で考えているだけではなく、

 

できる範囲で行動してみれば、

 

損するリスクではなく、

 

収益が上がる方のリスクを、

 

味方につけることができます!

 

 

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◆ 編集後記

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お金は、

 

噛みつかれることはありません!

 

しかし、お金は、

 

優しくもありません!

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第525号)

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