先回は、家計に影響を及ぼす、

「参考にする」と「その通りにする」の違いについて、考えました。

 

今回は、家計にも影響を及ぼすこともある、

意外に身近な相続について、

考えてみます。

 

記事の構成は次の通りです。

 

 

1. 相続の基本

2. 相続での 「参考にする」と「その通りにする」

3. もめる相続ともめない相続

4. 相続には準備がいる

 

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1. 相続の基本

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たとえば、両親とその子供がふたりいる家族で、

もし、父親が亡くなったとします。

 

相続する資産として、

「現金」や銀行の「預貯金」上場企業の

有価証券、土地や家屋があったとします。

 

「現金」や銀行の「預貯金」は、

残高の金額を、

また、上場企業の有価証券や土地や家屋は、

今いくらで売れるか、

つまり、現在の資産価値に置換えた金額を、

 

民法に定められた割合で、

母親と子どもで分割すればいいのです。

 

遺産の分割のしかたは、

民法で定められているように、

その父(「被相続人」という)の遺産は、

母親(「相続人」が1/2、

こども「相続人」が1/2の半分ずつ1/4の割合で

均等に分割して相続します。

 

父親の後に母親も亡くなったら、

子どもは、1/2ずつ均等に分割して相続します。

 

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2. 相続での 「参考にする」と「その通りにする」

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先回、この記事で見てきたように、

収入が同じような家庭でも支出の内容が違うように、

まったく同じ家計の世帯はありません。

 

しかし、人のやっていることを、

「参考にする」ことや

「その通りにする」ことはありました。

 

相続に関しても、

「参考にする」ことや「その通りにする」

ことはあります。

 

「その通りにする」ことでは、

被相続人の遺産をそれぞれの割合に応じて、

均等に分割することです。

 

しかし、相続する家族ごとに、

「その通りにする」ことができない、

事情もあります。

 

遺産分割で争うようなことになるときは、

この均等に分けることが論点に、

なることも多いです。

 

従って、もめごとが起こりそうな遺産を

相続する時には、

事前に、いかにもめないようにするか、

また、すべての相続人が

納得のいく円満な相続をするか、

過去の事例を「参考にする」は大切です。

 

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3. もめる相続 ともめない相続

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現在、相続をして相続税の納付が必要なのは、

相続税基礎控除額の

「3000万円+600万円×相続人」算出された以上の

遺産を相続するときです。

 

上述のような父親の遺産を母親と子ども2人で

相続するなら、

3000万円+600万円×3人=4800万円

4800万円より多額の遺産を相続するときです。

 

ところで、相続税のかからない相続はもめないか、

というと、そうでもないようです。

 

参考資料として、

裁判所HP「司法統計年報家事事件編(令和元年)」を、

みてみます。

 

家庭裁判所で、遺産の価値が

5000万円以下の相続での調停が、

7224件のうち5545件と

全体の3/4をしめています。

 

相続税のかからないと思われる相続の方が

相続税がかかるであろう相続より、

調停の件数が多いのです。

 

ちなみに、一番多い調停案件は、

「現金」で「土地・建物」と続きます。

 

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4. 相続には準備がいる

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このように、相続をするときに、

民法通り「その通りにする」にすれば、

いいように思えるのですが、

できないことも多いのも事実です。

 

その理由は、

相続人が、遺産分割案を拒むときや、

また、相続人は分割案を受入れても、

その配偶者や子どもなどが口をはさむことで、

争いごと「争族」に発展することもあるのです。

 

従って、〇〇さんのところの相続と同じように

 

自分たちも相続することは難しいのです。

 

「参考にする」ことはできても

「その通りにする」ことはできないのです。

 

相続をする側、される側が、

納得いくように十分な準備期間と、

相続する親の決断が必要なのです。

 

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◆  今週のポイント

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やはり相続は親の責任です!

 

 

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◆ 編集後記

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誰と誰とが仲たがいしているのか、

 

具体的にどんなことで争っているか、

 

といったような、

 

お付合いのない近所の争族のはなしを

 

耳にすることがあります

 

理由はよくわかりません!?

 

 

来年もご愛読の程、

よろしくお願い申し上げます!

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第522号)

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