わたくしのところに相談にみえる方の中に、

「私のような人はどうしていますか?」

と聞かれる方がいます。

 

私が黙っていると、

「参考にしたいから」と言われる方も、

「その方のされたとおりにしたいから」

と言われる方もいます。

 

今回は、この「参考にする」と「その通りにする」

の違いが、なぜ家計に影響を及ぼすのか、

お伝えいたします。

 

記事の構成は次の通りです。

 

1.「参考にする」と「その通りにする」とは

2.家計への影響

3.将来まで見通すことが大切

 

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1.「参考にする」と「その通りにする」とは

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たとえば、住宅を購入するときに、

住宅ローンを契約するなら、

 

契約者の年齢や収入から、

・無理なく返済できる金額

・返済期間

・購入物件の価格

などを決めていきます。

 

資産を形成していく時も、

 

単に銀行に預金して貯蓄額を増やしていくか、

 

現在、税制優遇施策が実施されている

NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)※1や

iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)※2

を利用して資産額を増やしていくか、

 

また、通常に株式や投資信託で運用していく、

といった方法もあります。

 

ただ、NISAやiDeCoにも言えることですが、

・口座を開設する金融機関の選択の仕方

・運用する銘柄の選び方

・収益の決め方

などを決めていくことが必要です。

 

<参照>※1「金融庁HP「NISAとは」

※2 iDeCo「iDeCo公式サイト」

 

加入中の保険商品で、

現在の被保険者(保障、補償の対象になる人)に、

合致してない保険商品は見直すことが必要です。

 

その方法として、

その保険の保障、補償が必要なければ解約します。

 

また、必要な部分があれば、それ以外のところは、

解約します。

 

しかし、それができない保険商品であれば、

その保険商品は解約して、別の保険商品で、

必要な保障、補償を求めます。

 

上記であれば、

不動産業者や証券や銀行の担当者、

保険の募集人からの提案を、

時にはより自分に合うように、

再度、提案してもらったりして、

 

また、他の人がどのようにしたか、

文字通り、参考にしたりして、

自分で判断して決めることを

「参考にする」のです。

 

一方、不動産業者や証券や銀行の担当者、

保険の募集人の言う通りに、

契約することや、

知人や同僚のそのまま真似をするのが、

「その通りにする」です。

 

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2. 家計への影響

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「参考にする」より

「その通りにする」にした方が、

家計への影響は少ないかもしれません。

 

なぜなら、「参考にする」には、

自分用にカスタマイズするために、

時には専門的な知識を得るために、

そのための費用や時間も消費するからです。

 

また、「その通りにする」では、

そのまま契約すればよく、

知識を得たりする時間も費用も

必要ありません。

 

ただし、将来まで見通する契約をすると、

状況が変わることもあります。

 

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3. 将来まで見通すことが大切

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将来にわたり、

「その通りにする」にした方が、

「参考にする」より家計への影響が少ないか、

というと、そうとは限りません。

 

なぜなら、例えば住宅を購入するときに、

住宅ローンを組もうと考えた時、

 

昨今は、住宅ローン返済のシミュレーションを、

金融機関のサイトに限らず、

様々なサイトでできます。

 

多くのサイトに入力する項目は、

借入額や返済期間、契約者の年齢や収入など、

なかには返済金利や団体信用保険の種類なども

入力できるサイトがあります。

 

現在の年齢を80歳、収入を0円といった、

むちゃな入力をしないが限り、

毎月の返済額などを表示してくれます。

 

しかし、入力する内容が不確かなものでは、

完済するまで、

毎月無理なく返済できるかは不透明です。

 

返済が滞れば、

その家に住めなくなるかもしれません。

 

つまり、家計支出に占める

金額が大きな項目ほど、

 

単に「その通りにする」ではなく、

 

「参考にする」程度に話を聞いて、

自分ならどうするかをよく考えて決めないと、

 

その時はよくても、

将来、大きな重荷になりかねないのです。

 

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◆  今週のポイント

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大きなお金がいることほど、

 

人に任せても、

 

将来、なにかが起こったとしても、

 

任された人が助けてくれるとは

 

当然、限りません!

 

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◆ 編集後記

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相続について、

 

「参考にする」と「その通りにする」は、

 

今回とは別の意味でも複雑です。

 

詳しくは次回に!

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第521号)

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