小学校の漢字のテストで、
いつも100点満点を取るT君がいました。
T君のことを、誰もが、
漢字の天才と認めていたのを覚えています。
しかし、大人になってからは、
このように素直に認めるだけではなく、
自分も
人から一目を置いてもらいたい、
人のできることは自分もできる。
と、たとえば、
・事業に成功する
・豪邸を持つ
・大金持ちになる
といった思いを、
時にはお金まで使って、
実現しようとする方がいます。
必ずしも
できなくてもいいこともあります。
今回は、
自分もできると思うと疲れるのか?
その根本をお話いたします。
今回の記事の構成は次の通りです。
・資産形成の考え方
・保険商品について
・住宅購入について
・使わなくてもいいお金を使わないために
では、お話を進めていきます。
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子供と大人の世界のちがい
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冒頭にお話をした漢字のテストには、
いわゆる難読漢字が、
必ず1問は出題されていました。
だから、T君がいつも満点を取るのは、
すごいと誰もが思っていたのです。
それから、
時が経ち、私がFP業を始めてから
間もなく20年になります。
このところ、
住宅ローン金利や足元の物価の上昇と、
将来の家計を危惧した相談が
多くなってきています。
このような大人の相談は、
単に漢字のテストで100点を取るT君を、
尊敬して見るだけではなく、
自分も100点取るためには何をすべきか、
それ考えて、結論を導き実行する。
と、考えている方もいます。
しかし、大人になったら、
すべてのことができるかというと、
必ずしも、そうとも限らないのです。
おとなの世界でも、
「T君はすごいな」と言って見ているだけで、
いいこともあるのです。
では、その事例をみていきます。
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ご自身の家計の資産を形成していくには、
通常、株式や投資信託、保険商品、
銀行の定期預金といった金融商品や、
人によっては、
金や石油といった現物でも運用していきます。
しかし、このなかで、
預け入れる資金(元本)が保証されているのは、
1000万円までの銀行預金だけです。
元本が保証されていないとは、
どういうことか、
株式投資を例に見ていきます。
たとえば、A社の株式を200万円買って、
100万円の収益(リターン)を上げられるか、
また、同額の100万円の損出を出してもいいのか、
この上下200万円のリスク(ブレ)を、
許容できる方は、
このA社の株式を買うことができるのです。
多少、誇張した表現ですが、
資産運用をしながら、
資産を形成するときの基本的な考え方です。
従って、株式投資を始めたら、
元本割れが心配で、
仕事が手に付かなくなるようでは、
元も子もありません。
だれしもが、
元本が保証されていない金融商品で
運用することに、
向いた性格の方ばかりではないのです。
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自動車保険や火災保険といった損害保険は、
他人を事故に巻き込んだ時や自身の
損失補償のために加入します。
従って、万が一のときに、
自身の貯蓄などでは、
損失額を賄えない補償の金額を
保険に加入して補えるようにしておきます。
死亡保険は、主に残される遺族の
生活資金やご自身の葬式代などのために
加入します。
支給の対象になる、
公的な遺族基礎年金や遺族厚生年金から、
支給額の足りない分を
民間の保険商品の保険金で補います。
また、医療保険は、
入院した時に公的な健康保険から支給される
「高額医療費」の支給額を確認して、
必要な金額分を民間の医療保険に加入します。
安心のためといって、
たとえば、ご自身の葬儀費用のためにと、
死亡保険金1000万円の死亡保険に加入して、
高額な保険料を払っていたとしても、
それは、安心料が高すぎるかもしれませんし、
何の自慢にもならないのです。
また、民間の死亡保険や医療保険に
加入しない方がいても、
何らおかしくないのです。
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住宅は資産です。
現に、所有している間は固定資産税を納付します。
ただ、高額なものですが、
「安物買いの銭失い」の対象にも、
なりかねないものです。
新築、中古の物件に限らず、
物件の品質を良く吟味して、
将来、売る売らないは別として、
少なくとも購入した時も、
高額に売却できる物件を探してから、
購入することです。
なぜなら、くどい様ですが資産だからです。
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以上、金融商品、保険、住宅購入と、
よくお金が使われていることをみてきました。
家計は健全に運営していくためには、
ご自身の家計の収入と支出、貯蓄、
そして資産に即したお金を使う。
または、人が使っているからではなく、
ご自身の判断でお金は使います。
価値のないものを買うこと、
つまり、無駄使いには、
お金は使わないことです。
子どものころと違い、
大人になれは、年を追うごとに、
交際範囲も広がり、
役立つ情報も無駄な情報も耳にします。
その情報を精査して活用できるのは、
ご自身、または配偶者や家族です。
それ以外の方の入り込む余地はありません。
従って、他人がやっていることを
真似る時間は、
ただ無駄の時間なのです。
疲れるだけです。
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◆ 今週のポイント
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人がやっているから、
そのまねをするだけでは、
自分にはできません!
ただ、疲れるだけなのです
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◆ 編集後記
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価値観の違いで、
お金の使い方が違います
周りが無駄な失費だと思うお金を使うのを
止めることのできるのは、
同じ価値観を持つ方!?
人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第517号)
Photo by photo ac
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