土地付きの新築の戸建て住宅が、

3500万円で販売されていたとします。

Mさんとその家族は、

この住宅の立地や間取りも気に入り、

(1)すべて自己資金

(2)一部自己資金、残り住宅ローン

(3)すべて住宅ローン

といった3つの方法で購入する検討をしています。

 

そこで今回は、

上記(1)(2)(3)の方法で、購入を検討するとき

Mさんは、どんなところ確認していったのか、

その方法をみていきます。

 

なお、購入希望の住宅は3500万円です。

住宅ローン商品の内容は、

◎ 全期間固定ローン

◎ 返済期間35年

◎ 金利年1.5%

借入金額などの住宅ローンの詳細は、

このあとの記事ごとに明示いたします。

 

また、この記事では、

住宅購入や住宅ローンの契約に関係する、

諸費用や諸税については除いて記述しています。

 

記事の構成は次の通りです。

・Mさんについて

・(1) すべて自己資金

・(2) 一部自己資金、残り住宅ローン

・(3) すべて住宅ローン

・資産価値を考える

・70歳までの返済は厳しい

 

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Mさんについて

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現在、Mさんは35歳の会社員です。

パート勤めの奥さんと中学1年生(13歳)

と小学校2年(8歳)の子どもの4人家族です。

 

今住んでいる賃貸マンションの近くで、

数件、Mさん夫婦の希望に叶うような

新築戸建て物件を見つけ、

そのうちの1軒に決めたところです。

 

なお、住宅購入の頭金として800万円くらいは、

Mさん夫妻の貯蓄で用意できるとのことです。

 

また、両親からの資金援助や生前贈与

それに、夫婦の貯蓄で、

3500万円準備することは可能です。

しかし、現実的ではないとのことです。

 

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(1)すべて自己資金

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3500万円の住宅物件を、

3500万円現金で購入すれば、

当たり前のことですが、

物件の購入価格は、3500万円です。

 

ただし、前項に記述したように、

現在のMさんは、

3500万円の現金は持っていません。

 

しかし、Mさん夫妻の両親からの

資金援助や生前贈与をしてもらえば、

現金で、住宅購入資金は準備できるようです。

 

ただ、少なくとも、

Mさんの両親の老後生活資金や相続(生前贈与)、

といった問題が解決してから、

住宅購入資金は、両親から手元に届く訳です。

従って、相当時間がかかり、

Mさんの住宅購入には間に合わないでしょう。

 

また、Mさんが、

たとえ現金で購入できる環境にあっても、

現金で購入すれば、その分、

手持ちのまとまった現金がなくなることを

考慮すべきことです。

 

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(2)一部自己資金、残り住宅ローン

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次に、一部は自己資金で、

残りを住宅ローンで返済していく方法です。

 

自己資金は、

頭金や建売住宅を購入するハウスメーカーへの

この物件の購入契約の手付け金として、

現金での支払いが、必要なるときに使います。

 

3500万円の物件のうち800万円は、現金で支払い

残りの2700万円を、

上記記載の住宅ローン条件で購入するとします。

 

すると、ローン電卓で計算してみると、

・毎月の返済額82,670円

・返済利息総額772万1315円

・返済総額3472万1315円

となります。

 

実際のMさんのこの住宅の購入価格は、

800万円(現金支払い分)

+3472万1315円(住宅ローン返済総額)

4272万1315円となります。

Mさんは、3500万円ではなく、

利息分772万1315円高い、

4272万1315円

の物件を買ったことになります。

 

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(3)すべて住宅ローンで返済

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また、3500万円の住宅購入金額の全額を借入れる

(フルローンといいます)と、

上記と同じ条件で、

・毎月の返済額107,165円

・返済利息総額1000万9113円

・返済総額4500万9113円

 

と計算でき、3500万の物件でも、

4500万9113円、利息分の1000万9113円分、

購入価格が上昇します。

 

従って、同じ3500万円の物件でも、

(1)3500万円

(2)4272万1315円

(3)4500万9113円

と購入価格は、利息を支払う分高くなります。

 

しかし、購入資金を借り入れて住宅ローンで、

返済する期間、手持ちの資金は、

住宅ローンの返済のほか

子ども教育資金などに使うことができます。

ここは、カードローンなどよりはるかに

金利が低い、住宅ローンを有効利用すると

考えてもいいかもしれません。

 

なお、フルローンで、

住宅ローンを借りられる物件について、

融資をする側の金融機関などは、

万が一、その物件を売却する価格、

つまり資産価値を査定して、

その金額まで融資をしてくれるということです。

 

言い換えれば、記事の中の物件は、

あくまで3500万円の価値はある、

住宅といえます。

 

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資産価値を考える

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立地や建築年数といった様々な条件によりますが、

同じ物件を、

数年後に中古住宅として購入すると仮定して、

その販売価格が、

3500万円以上になっていれば、

その物件の資産価値が上昇する物件であり、

また、3500万円以下なら、

資産価値が下がっていく物件といえます。

 

つまり、住宅を購入することは、

たとえ、住宅ローンの返済という負債を抱えながら、

同時に、高額な住宅という資産も所有することです。

 

従って、資産価値のある、

借入れをしてもその分の価値もある

住宅物件を購入することが大切なのです。

 

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70歳までの返済は厳しい

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なお、Mさんが(2)(3)ともに、住宅ローンを

35歳から35年間返済していては、

完済は70歳になってしまいます。

いくら定年が延びても、

Mさんの老後の家計に影響します。

 

そこで、何歳の時に繰り上げ返済をするか、

 

といった住宅購入時に生涯のライフプランを

立ててから、

住宅を購入することも大切です。

 

また、そのプランで、

購入した住宅は、資産価値があるものとして、

重要な役割を果たしてほしいのです。

 

次回の後編で、

この点を、詳しく確認していくことにします。

 

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◆  今週のポイント

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実際の住宅購入価格の差額は、

 

家計によって致し方ないところもあります

 

従って、衝動買いや業者にあおられることなく

 

将来の家計を見据えて

 

一番いい方法で購入を決めましょう!

 

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◆ 編集後記

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新築と中古のうち、

 

掘り出し物は、

 

どちらの住宅に多いのでしょう!?

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第514号)

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