今週と来週の2回に渡り、

老後の生活に向けたお金の基本について、

4つお話いたします。

 

今回はそのうちの2つ、

金融商品と保険商品の基本についてです。

 

お話しすることには

このコラムや私のところに相談にみえる方に

常々お話ししている内容も含まれています。

 

なぜなら、何度も確認いただきたい、

老後のお金と向き合うために、

極めて重要かつ基本的な事柄だからです。

 

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1つ目 金融商品の基本

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現在、市中には様々な特徴を持った、

金融商品が販売されています。

 

たとえば、銀行に一定の期間お金を預けておく、

定期預貯金があります。

 

預けたお金は、

自宅で、タンス預金をするのとは違い、

盗難の被害にある心配がありません。

 

また、預けた銀行が破たんしても、

預けたお金(元本)は、

ペイオフの制度により、

1金融機関、1預金者あたり、

元本1,000万円までとその利息などが、

保護されています。

 

しかし、現在の預金金利は低く、

利息による収益は期待できない状況です。

 

つまり、収益(リターン)は、

期待できないけど、

元本割れの損失の危険も少ない、

ローリスク・ローリターンの

金融商品といえます。

 

 

他方、株式投資や投資信託といった

元本保証がない金融商品もあります。

 

これらの商品で運用すれば、

年単位の収益の割合である利回りが、

3%とか5%とか、

高収益になることもあれば、

市場の動向によっては、

元本を割って損失がでることもあります。

つまり、ハイリスク・ハイリターンの

金融商品なのです。

 

未だかつて、

ローリスク・ハイリターンの金融商品は、

ありません。

また、銀行の預貯金や個人向け国債といった、

一部の金融商品を除いて、

元本が保証されている金融商品もありません。

 

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リスクとリターンには

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金融商品を運用した成果としての

リスクとリターンについてお話いたします。

 

まず、リターンとは、

収益の儲けのことです。

通常、リターンには所得税や住民税が、

課せられています。

 

この課税の税制優遇がされている制度を利用して、

運用するのが、

・NISA(少額非課税制度)

・iDeco(個人型確定拠出年金)

です(下記※1参照)。

 

また、リスクとは、

危険のことだと思っている方もいるでしょう。

金融の世界では「ブレ」のことを言います。

 

たとえば、ある会社の株式に投資をして、

「○○万円もうかった。」

または、「○○万円損をした。」

この○○万円の「ブレ」が生じることを

言っています。

この損が、

投資資金の元本を割り込むこともあります。

 

(※1)

NISA(少額投資非課税制度)

金融庁HP「NISAとは」

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/index.html

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCo(イデコ)の特徴(iDeCo公式サイト)

https://www.ideco-koushiki.jp/guide/

 

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2つ目 保険商品の基本

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保険商品は、

貯蓄と保障を兼ね備えた、

金融商品でもあります。

ここでは、主に保障の面を見ていきます。

 

保険商品には、

自身や家族が死亡した時や、

入院した時のための、

死亡や医療の保険商品が販売されています。

 

また、他人に損害を与えた時の

その損害や費用などを補いつぐなうことや

自身の補償のために、

火災や自動車といった損害保険商品が、

販売されています。

 

万が一の場合に、

家計や貯蓄から賄えない金額を、

これらの保険商品に加入して、

その保険から支出してもらうのが基本です。

 

自動車を運転中に不幸にして、

他人を死傷させてしまった場合の損害は、

家計や貯蓄、資産を処分しても、

到底、支払うことはできません。

 

その補償を得るために、

損害賠償保険に加入することは、

賢明なことなのです。

なお、ここまでお話している保険商品は、

民間の保険会社が販売している保険で、

加入することは任意です。

 

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死亡・医療保険への一考

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ところで、私たちは、

公的年金(国民年金・厚生年金)や

健康保険に加入しています。

 

国民年金は、原則60歳までの加入ですが、

60歳以降も厚生年金に加入する事業所に

務める場合は、

勤めている期間中70歳までは、

厚生年金保険料を納付します。

 

加入の要件を満たすことで、本人が、

死亡した時には、遺族が遺族年金を、

障がいの状態になった時には、

本人が障害年金を受給します。

 

また、健康保険は生涯保険料を納付します。

 

ここでは詳しくはお話いたしませんが、

たとえば、健康保険では入院した時に、

「高額療養費」の制度があり、

前年の収入や所得に応じて、

病院へ支払う限度額が定められています。

 

従って、必要以上に、

民間の死亡保険や医療保険に

加入する必要はないのです。

 

また、加入している保険商品の保障内容を、

知らないまま、

保険料を支払っている方もいます。

 

極端な例にはなりますが、

死亡保険に加入しているので、

何歳になっても、

遺族に死亡保険金が支払われる

と思っていても、

 

70歳「定期」の死亡保険だった場合は、

71歳で死亡したら、

保険金もらえないといったケースです。

 

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知識が必要

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ここまでお話してきたことは、

誰しもが、

何度となく聞いたことのあることでしょう。

 

特に「金融商品の基本」については、

生涯、株式投資をしてみようと思いながら、

生涯、しないままの方もいます。

 

決して、それが悪いことではありません。

 

それより大切なことは、

やはり、金融商品を運用するには、

運用する商品の知識が必要だということです。

 

言い換えれば、

様々な知識を柔軟に受け入れることのできる

年代から始めことです。

 

そして、老後の生活では、

今まで運用してきた金融商品を、

いまの運用の知識から、

いかに家計に負担なく軟着陸させるか、

 

つまり、自分自身で収益を確定させるのか、

または、

次世代の負担なく次世代に継ぐか、

考えて、行動する準備をしておくことです。

 

 

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◆  今週のポイント

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年齢に合った

 

お金との付き合い方を考えること

 

生涯に渡り、

 

必要なことです!

 

 

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◆ 編集後記

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リタイアが決まってから、

 

老後のライフプランの相談に、

 

みえる方がいます

 

現役中は、

 

仕事が忙しかったようです

 

 

人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ改訂版(第509号)

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