いわゆる年金生活に入ってから、

何らかの理由で
今住んでいる家から引っ越すことがあります。

その場合、その人や家族の家計に
どのような影響があるのか、

今回は考えてみます。


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引越しをする理由
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歳を取ってから
引越しをする理由としては、

マイホームの場合では、
・子どもが独立したことで家が広すぎて維持が大変
・以前から老後は街中の機能的なマンションに住むと決めていた
・長年住んでいたことで家屋の傷みが激しくなったが、
 リフォームする費用が捻出できなく、
 売却してそのお金で手軽な住宅を購入したため

また賃貸など持ち家でない場合では、
・何らかの理由で大家から立退きの依頼があった
・家賃を払えるだけの収入を確保出来なくなった
・退職をしたことで社宅から退去する

また、出身地に戻るなどといった、

様々な理由で引越することがあるでしょう。


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その引越しを決める時期と老後の家計
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では、引越しをすることは
いつ決めたのでしょう?

住んでいるところが、
賃貸、持ち家に限らず

すでに現役の時代に決めていた人もあれば、

賃貸住宅に住んでいた場合には、

終の棲家として生涯住む予定をしていたのに、
急にその賃貸の大家さんから

耐震性などの問題で、
その建物を取り壊したいので、
退去の依頼をされて
急遽引っ越す場合もあるでしょう。


また、長年住んでいたマイホームでは、

大修繕が必要となり、
やむなくその家を手ばなし、
手放したお金で
新居に移り住む人もいるでしょう。


計画的に引っ越すのであれば、
老後の家計収支に、
あまり影響はないかもしれません。

しかし、老後になって、
急に引越しをしなくてはならない場合は、

老後の生活に
影響が出ることが懸念されます。


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家は何年くらい住める
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冷静に考えてみれば、

マイホームであれ賃貸住宅であれ、

特に、マイホームの場合は、

購入した家で
何ら修繕することなく
その家に生涯住むことは
むずかしいことかもしれません。


どのような住宅に住んでいるのかにもよりますが、

マンションのような集合住宅であれば、
修繕のための積立てを
いわば強制的にしています。

従って、自分の部屋の中のリフォームには、
別途費用がかかりますが、

建物全体、共用部分の修繕の費用は、
通常、その積立てたお金で賄われます。


一方、戸建て住宅の場合は、
住む人が任意にしていくわけですが、

注文住宅や建売住宅でも、

端的言えば

ある程度お金をかけた住宅であれば、
それなりの耐久性があり、
修繕をしながらその家で、
生涯を暮らすことができるでしょう。

しかし、安価で購入した建売住宅の場合は、

生涯住むことなく、
リフォームをするより
建て直した方が安い場合もあるようで、

購入する時から、
20年後、30年後の
住まいの計画が必要のようです。


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老後になってから転居する時の準備
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このように考えてみると、

持ち家であれば、
修繕費などの費用が、

また賃貸であれば、
家賃が、

そこに住んでいる間は必要です。


老後になってから転居する計画を持っていたり、
転居せざるを得ない状況になることが、
予想されるのであれば、

そのための費用を用意しておかないと、
老後の生活自体に支障を来しかねません。


そのようにならないためには、

その費用を家計収支のなかで
予算化しておくことが必要です。


住宅を購入した時から、
この家にいつまで住むのか、

生涯住むのであれば、
家の維持費を、

転居するのであれば、
その費用と転居先での住宅の維持費を、

現時点で見込んだ家計の支出計画を
作成しておくことが必要です。


歳を取ってからの、
急な転居は、

生活するお金さえ事欠くようになり

命取りになりかねません。




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■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ
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衣食住のうち

住は安定した生活をしていれば

忘れがちです。


しかし、お金の一番かかるところでもあります。

定期的に生涯の棲家ことを考えましょう!
「人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ(第293号)」
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