いわゆる年金生活に入ってから、 何らかの理由で 今住んでいる家から引っ越すことがあります。 その場合、その人や家族の家計に どのような影響があるのか、 今回は考えてみます。 --------------------------------------------------------- 引越しをする理由 --------------------------------------------------------- 歳を取ってから 引越しをする理由としては、 マイホームの場合では、 ・子どもが独立したことで家が広すぎて維持が大変 ・以前から老後は街中の機能的なマンションに住むと決めていた ・長年住んでいたことで家屋の傷みが激しくなったが、 リフォームする費用が捻出できなく、 売却してそのお金で手軽な住宅を購入したため また賃貸など持ち家でない場合では、 ・何らかの理由で大家から立退きの依頼があった ・家賃を払えるだけの収入を確保出来なくなった ・退職をしたことで社宅から退去する また、出身地に戻るなどといった、 様々な理由で引越することがあるでしょう。 --------------------------------------------------------- その引越しを決める時期と老後の家計 --------------------------------------------------------- では、引越しをすることは いつ決めたのでしょう? 住んでいるところが、 賃貸、持ち家に限らず すでに現役の時代に決めていた人もあれば、 賃貸住宅に住んでいた場合には、 終の棲家として生涯住む予定をしていたのに、 急にその賃貸の大家さんから 耐震性などの問題で、 その建物を取り壊したいので、 退去の依頼をされて 急遽引っ越す場合もあるでしょう。 また、長年住んでいたマイホームでは、 大修繕が必要となり、 やむなくその家を手ばなし、 手放したお金で 新居に移り住む人もいるでしょう。 計画的に引っ越すのであれば、 老後の家計収支に、 あまり影響はないかもしれません。 しかし、老後になって、 急に引越しをしなくてはならない場合は、 老後の生活に 影響が出ることが懸念されます。 ------------------------------------------------------ 家は何年くらい住める ------------------------------------------------------ 冷静に考えてみれば、 マイホームであれ賃貸住宅であれ、 特に、マイホームの場合は、 購入した家で 何ら修繕することなく その家に生涯住むことは むずかしいことかもしれません。 どのような住宅に住んでいるのかにもよりますが、 マンションのような集合住宅であれば、 修繕のための積立てを いわば強制的にしています。 従って、自分の部屋の中のリフォームには、 別途費用がかかりますが、 建物全体、共用部分の修繕の費用は、 通常、その積立てたお金で賄われます。 一方、戸建て住宅の場合は、 住む人が任意にしていくわけですが、 注文住宅や建売住宅でも、 端的言えば ある程度お金をかけた住宅であれば、 それなりの耐久性があり、 修繕をしながらその家で、 生涯を暮らすことができるでしょう。 しかし、安価で購入した建売住宅の場合は、 生涯住むことなく、 リフォームをするより 建て直した方が安い場合もあるようで、 購入する時から、 20年後、30年後の 住まいの計画が必要のようです。 --------------------------------------------------- 老後になってから転居する時の準備 --------------------------------------------------- このように考えてみると、 持ち家であれば、 修繕費などの費用が、 また賃貸であれば、 家賃が、 そこに住んでいる間は必要です。 老後になってから転居する計画を持っていたり、 転居せざるを得ない状況になることが、 予想されるのであれば、 そのための費用を用意しておかないと、 老後の生活自体に支障を来しかねません。 そのようにならないためには、 その費用を家計収支のなかで 予算化しておくことが必要です。 住宅を購入した時から、 この家にいつまで住むのか、 生涯住むのであれば、 家の維持費を、 転居するのであれば、 その費用と転居先での住宅の維持費を、 現時点で見込んだ家計の支出計画を 作成しておくことが必要です。 歳を取ってからの、 急な転居は、 生活するお金さえ事欠くようになり 命取りになりかねません。 *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*: ■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*: 衣食住のうち 住は安定した生活をしていれば 忘れがちです。 しかし、お金の一番かかるところでもあります。 定期的に生涯の棲家ことを考えましょう!
「人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ(第293号)」 Photo byphoto-a