住宅を購入する時に、 多くの方は住宅ローンを組みます。 住宅を購入するに当たり、 私のところに、 住宅ローンの件で相談にみえる方がみえます。 なかには、住宅ローンを組んで、 返済が始まってから相談にみえる方もみえます。 今回は、 住宅ローンを借りた後、 何が問題となり 相談が必要になるのかをお話いたします。
--------------------------------------------------------- こんなはずではなかった --------------------------------------------------------- 「住宅ローンの相談にのっていただけますか?」 と相談を受けた場合、 その多くは、 これから住宅を購入する方が、 ・住宅ローンの仕組みをよく知らないので教えてほしい ・ハウスメーカーなどから複数の住宅ローン商品を提案され どの商品がよいのか迷っている ・いくら融資を受けたらいいのか、融資を受ける額で迷っている また、すでに住宅を購入して融資の返済をしている方は、 順調に返済がすすんでいる方からは、 ・繰上げ返済の時期とその金額 ・子どもの教育費を念頭に住宅ローン完済の進め方 ・老後の生活を加味した住宅の建替えや住替えとその費用 また、順調に返済ができていない方からは、 ・返済が滞りがちになってきたがその善後策はないか ・マイホームを手放したくないがどうしたらいいの ・返済をしている金融機関との交渉の仕方 といった、なかにはファイナンシャルプランナーの 業務の範疇を超えた相談もあります。 そして、返済に困っている方は、 「こんなはずではなかった」 と、よく言われます。 --------------------------------------------------------- なぜこうなった --------------------------------------------------------- 返済が困難になった方の話を続けます。 なぜこうなってしまったのか? その原因は、 1.賃貸の家賃とたまたま同額であった毎月の返済額を甘く見ていた 賃貸住宅では、部屋の設備などを故意過失で壊す以外の修理は、 原則、大家さんが負担します。 しかし、ご自身の家の修理費はご自身が支払うことが原則です。 また、固定資産税などの税金の納付も必要となります。 この分の支払額は、 賃貸の家賃より出費がかさむということです。 2.住宅購入時に、無計画に不必要なものまで購入した予算オーバー マイホームを購入する前に、 購入費用や住宅ローンを組む費用や諸経費などを 試算しておいても、 実際には、そのほかに予定外や予算をオーバーしても この際だからと購入した家電品や家具、 戸建ての場合は外構の費用で、 住宅ローンの返済を始める時に、 すでに家計収支が大幅な赤字になっている場合です。 3.もともと返済できる収入がなかった 現在の収入では、 住宅ローンの返済がままならぬけど、 返済は何とかなるだろうと、 気に入った住宅物件を購入して、 実際には何ともならなかった場合です。 --------------------------------------------------------- 対策 --------------------------------------------------------- 住宅ローンの返済ができなくなった、 主な理由をあげてみました。 このような場合の対策は、 まずは、住宅ローンの契約をしている金融機関に、 事情をはなして相談をすることです。 具体的な対応策は、 家計収支や ほかに融資の滞納や遅滞はないかなど 融資を受けている人の事情や 金融機関の方針にもよるでしょうが、 その分の利息は発生しますが、 返済期間を延ばしてもらい、 毎月の返済額を下げてもらう方法や、 極論を申しますが、 返済が不可能であれば、 任意売却や競売で、 マイホームを手ばなし、 融資額を返済する。 ということになるになるでしょう。 --------------------------------------------------- このような相談をしないために --------------------------------------------------- このような相談をしないためには、 住宅ローンを借りる前に、 まず、 毎月滞りなく返済できる額かを、 見栄を張ることなく、 素直に検証してみることが第一です。 私の知っている方には、 最初にマイホームを購入した直後から、 滞りなく返済することは難しいと、 新築の物件だったこともあり、 あまり損をすることなしに売却をして、 数年後、今度は綿密な住宅ローン計画を立てて、 住宅を購入された方もみえます。 住宅ローンが、 返済できないのであれば、 家族を守るためにも、 その物件をあきらめる勇気も必要でしょう。 *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*: ■「人生の添乗員(R)」からのワンポイントメッセージ *:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*:*: 住宅ローンで融資を受けてもいい額なのか? 現在の収入と貯蓄額で、 容易に判断できます その判断を素直に受け入れましょう
「人生の添乗員®からのワンポイントメッセージ第263号」より
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