「嫌な思いをさせているかも」その気づきが大事―小島慶子とハラスメントをなくす方法を考える ≪続きを読む≫
2月28日(木) 18:33 提供:J-WAVE NEWS
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ハラスメントは、なぜ起きてしまうのか。ハラスメントのない社会を実現するためには何が必要なのか。先日『さよなら! ハラスメント ――自分と社会を変える11の知恵』を上梓した、タレントでエッセイストの小島慶子さんと考えました。
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■相手が嫌な思いをしないか…考え、気づくことが重要
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小島:ハラスメントは、立場の違いや力の違いがあるところで、力を持っている側が持っていない側に、そして社会のマジョリティに属する人たちがマイノリティの人たちに、尊厳を踏みにじったり、相手に脅威を与えたりするような言動を行うことです。いろいろあるから難しいと感じるかもしれませんが、その原則をわかっていれば、ハラスメントをしてしまっている、されている、見過ごしてしまっていることに気づきやすくなると思います。
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小島:ハラスメントには、本当に精神的に追い詰められて人生に深刻な影響を与えるものから、言われて不快だった、傷ついたけど翌日になったら普通に話せるくらいのものまで、いろいろなレベルがあります。でも、「もしかしたら自分が相手に嫌な思いをさせているかもしれない」と気づきを持つのと持たないのでは、違うと思います。「それだと何も言えなくなる」と心配する人もいるけど、それよりお互いがケアしあうことが大切です。「もし嫌だったら、ごめんね」とすぐ謝ったり「次からはやめるね」と言えばいい話なので。
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小島:最近では「多様性に寛容になろう」というテーマが広がっています。それは人と違っても生きやすい世の中になることだから、よいことだと思う一方、意見の合わない人や自分とは常識の違う人が増える世の中です。自分には悪気はなくても言ったことで相手を傷つけたり、相手に悪気がなくても言われたことで自分がショックを受けたり、怖い目に遭ったりする機会も増えるかもしれない。だから「多様性のある世の中」とハラスメントはセットで、「自分が言ったことが誰かを追い詰めていないかな、誰かを排除していないかな」と今までより敏感になる必要があります。
■メディアのなかのコミュニケーションが、“態度”のモデルになっている
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小島:「いじり」という言葉でいじめや嫌がらせ、ハラスメントが矮小化されてしまっている部分もあります。いじりがお互いの愛情表現として成立するからといって、全てのいじりを愛情表現だと言ってしまうと、いじりという名のもとにいじめられている人は声があげられなくなってしまう。自分と誰かとのコミュニケーションを、そのまま他の誰かとのコミュニケーションに当てはめることは非常に乱暴だと、多くの人が気がつきはじめて、「全てをいじりと言ってしまうのは、なしじゃない?」という声があがるようになってきました。
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小島:メディアは「こういうときに、どういう態度をとるのがイケてるのか」というモデルになってしまっている。身内や友だちなど閉じたコミュニケーションとは違って、オーディエンスがいてショーとして成立するコミュニケーションは、態度のモデルになるんです。たとえば、テレビで自虐的な女性に向かって「ブス」と言って、それを言われた女性は「おいしい」と思って返答する。その場面を見て、「これはアリなんだ」と学習してしまい、翌日職場や学校で同じことをしてしまう。ショーは虚構だけど、職場や学校は実生活だから虚構ではないし終わりがない。それはいじりではなく、いじめになってしまいます。
テレビやインターネットでの態度モデルによって、誰かが反論できない立場や泣き寝入りを強いられる立場に追い詰められることもある。それをわかっているのとそうでないのとでは、リアクションの仕方が違ってくると小島さんは付け加えました。
■ハラスメントのない社会へ。半径2メートルから変えていく
この先、ハラスメントのない世の中に向けて、どのような取り組みが必要なのでしょうか。
小島:教育現場のハラスメントに対しての教育や、包括的にハラスメントを禁止する法律を作るなど、いろいろなアプローチがあると思います。本は「半径2メートルから変えられることがある」ということを知ってほしくて出しました。自分と半径2メートルにいる人とのコミュニケーションを変えていきたい。職場でも家庭でも学校でも友達でも、今までありだった会話、たとえばデブいじりとか、ハゲいじりとか、女性蔑視的なギャグとか、男性同士でも童貞いじりとか、パワハラ的なじゃれ合いとか、それらについて「やめようか」「これって誰も得しないよね」と声をあげる。誰かが泣き寝入りしていたり、声をあげても誰も味方しなかったりする世の中じゃない方がいい、という空気を半径2メートルから作っていきたい。
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小島:それが言える間柄から、変えていけばいいと思うんです。
声をあげた側が冷笑されるような空気感があった社会が、少しずつ変化してきたきっかけについて、小島さんはこう話します。
小島:一昨年の、ハリウッドからはじまった「#MeToo」ムーブメントが日本に来て、昨年はセクハラだけではなくパワハラや働き方や学校現場などで、理不尽な目にあって泣き寝入りする人たちがいて、それはあってはならないというニュースが多発しました。可視化されてきて「私たちのまわりにはそういうことが多くあったんだな」と気が付き、それはよくないと考える人が増えました。それだけではなく、今年に入ってからは、『週刊SPA!』の問題で、アクションを起こした女子大生が出版社に対話を求めています。
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小島:最初は怒ることが必要。怒る人を見て、みんなが「これはよくないんだ」と気づくことが大事なんです。次の段階として「自分はよくないと思う。あなたはなぜいいと思うの?」と対話をして互いに学び合い、互いに合意を作っていく流れになっています。 ……
ハラスメントの問題で一番の鍵は、タイトルに掲げられている「『嫌な思いをさせているかも』その気づきが大事」ということだと思います。
往々にして、加害者はそんなつもりはないからです。
でも、大事なことは、相手がどう受け取めているか、とうこと。
想像力が必要です。
今、ハラスメントの種類は、何と50以上あると言われています。
ハラスメントハラスメントという、何かにつけて○○ハラスメントだと批判するハラスメントも登場。
一筋縄ではいかない現状になっていて、職場で苦労されている方も少なくないと思います。
かつて「ハラスメント」なる言葉が知られていなかった時代には問題視されなかったことが、おかしいと感じる人が多くなりました。
でも、ハラスメントを恐れるあまり、上司が部下に本来必要な指導ができなくなっていたり、ハラスメントの濡れ衣をかけられて、退職させられたり、また別の問題も浮上しています。
ひとりひとりの意識も、組織としての対応も、今後どのように向上させていくのか。
手腕が問われる時代ですね。
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