何のために働くの? 納得感のあるキャリアの築き方・選び方 ≪続きを読む≫
6月18日(月) 20:00 提供:ライフハッカー
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――そもそも、「働く」ってなんだろう?
答えを知りたくて、『働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者である、人財教育コンサルタントの村山昇さんにお話を聞いてみました。……
「働く」とは、ものごとの状態を変化させること
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「いろいろな答えがあると思いますが、私が考える『働く』ということは、『作用する』、あるいは『ある力が発揮され、周囲に影響を与えること』です」と村山さん。
つまり、働くとは、「活動によって、ものごとの状態を変える」こと。そうやって変化を起こすことによって、報酬を得られたり、得られなかったりする。広い意味では報酬を得ないボランティア活動なども「働く」ことに含まれると村山さんは説明します。変化の形には、次の3種類があります。
1. 増減型 A→A±
例えば、自動車の販売。以前の状態より数を減らしたり増やしたりする仕事。
出典:『働き方の哲学』 村山昇[著]・若田紗希[絵]
2.変形・変質型 A→B
例えば、様々なデータを集めて、分析レポートを作成する。あるいは英語を日本語に翻訳するなど、以前のものから形を変える仕事。
出典:『働き方の哲学』 村山昇[著]・若田紗希[絵]
例えば、新薬の開発。今までないものを作り出す仕事。
出典:『働き方の哲学』 村山昇[著]・若田紗希[絵]
世の中の仕事は、この3種類のどれか、あるいは掛け合わせによって成り立っています。そして、人にはそれぞれ得意・不得意があります。どんどん物を売って業績を伸ばすことが得意な人もいれば、0から新しいものを作り出すことが得意な人もいます。自分の強みを持つ人が世の中に求められる人となるのです。……
「働く」ことは、何らかの変化を起こすことだと分かりました。では、数十年間働き、キャリアを形成していくうえで、大事なマインドとは、何なのでしょうか? 村山さんは、その考え方として、キャリアを作る要素を3層1軸で説明します。
出典:『働き方の哲学』 村山昇[著]
1層目=何を持つか(have)
知識や技能、資格、人脈。これは日ごろ業務をする上で必要な能力や資産です。
2層目=どう行うか(do)
持っている知識やスキルをどう成果に結びつけるか。行動特性や思考のことで、人事用語では「コンピテンシー」とも言われます 。
3層目=どうあるべきか(be)
「仕事観」や「人生観」のこと。自分の根底にあるマインドの部分です。
第1層は目に見えやすいのですが、下にいけばいくほど、見えづらくなります。自分は何のために働くのか、という第3層の「観」を、30代後半までに育てることが大事だと村山さんは言います。
そして、ゆるがない「観」を醸成できれば、自分自身が何を目指すの「軸」が生まれます。これは仕事をする目的や目標、夢や志といってもいいでしょう。この軸が第三層の「観」から出ていることが理想的です。
そうすれば、人事異動や上司が変わるなど、外的要因によって振り回されることがなくなります。むしろ、その外的要因を利用するような働き方ができるようになるのです。
■会社と自分は平等だと考えてOK
会社員はどうしても「雇われ意識」が大きくなってしまいますが、「これは人生100年時代の最大の敵」だと村山さんは言います。
会社と自分は平等だと考えてOK。そのためには、どこからも求められる力、エンプロイアビリティ(雇われ得る力)を身に着けることが大切です。 これまでは、新卒で入った会社をまっとうすれば良かったのですが、人生100年時代となると、定年後も働かなければなりません。雇われ意識のまま60歳まで働いてしまうと、定年を迎えたあと、何をしたらいいのか途方に暮れてしまうことになります。
■キャリアを積んでいく上で、やってはいけないことは
「好き嫌いの感情で安易に転職すること」だと村山さんは言います。軸や観がないまま、「上司が嫌だから」「なんとなく仕事がミスマッチだから」と感情的なレベルで職場を変えていくと、次の組織でもまた「嫌いな上司がいるから嫌だ」となり、転職を繰り返し、漂流してしまうことになります。そうではなく、観から出た軸をもとに、次のキャリアを考えることが大切。そうすれば、キャリア形成の主導権を自分が握ることができるのです。
■キャリア形成は男女の違いより個人差が大きい
……「今は、キャリア形成において男女の違いはほとんどない」と言います。女性でもキャリアを積むことは可能ですし、「男女差よりはもはや個別差の方が大きい」と言います。
「出産を機に、自分のキャリアを見つめ直す時間ができます。職場から離れたことで、復職後の軸が明確になったという人は多い」(村山さん) ……
では、どうすれば、「観」を養い、自分の軸をつくることができるのでしょうか?
……村山さんがオススメする観を育てるための方法は、人と会うこと、本を読むこと。
「会社員はどうしても世界が狭くなりがちなので、できるだけ会社以外の人と会い、話をすることは視野を広げる助けになります。趣味やボランティア活動などに参加して利害関係のない人との関係性を構築するのもいいでしょう」(村山さん)
とはいえ、人と会うのは限界があるので、読書も有意義です。……
日々意識していると、必要な出会いが引き寄せられる
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村山さんは、もう少し積み上がっていく実感が持てる仕事をしたいと考えました。
そんなとき、たまたま出会ったのが、中国のことわざ。
「1年の繁栄を願うなら、作物を植えなさい。10年の繁栄を願うなら、木を植えなさい。100年の繁栄を願うなら、人を育てなさい」
このことわざを知り、自分は人を育てる教育の仕事に携わりたいという、軸のヒントを得たという村山さん。それが現在のキャリアにつながっています。……
「すぐには自分の軸が見つからなくても、日ごろから意識していれば、転機となる人や言葉に出会えます」と話す村山さん。その引き寄せのことを「セレンディピティ」といいます。……
どうぞよろしくお願いいたします♪
どうもありがとうございます。感謝のうちに。
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