パイオニアに聞く 日本のインバウンドビジネスの現状と課題(2) .≪続きを読む≫
2月8日(木) 19:00 提供:新刊JP
人口減少局面に入、国内需要が縮み始めた日本にとって、「グローバル経済の中でどのように稼いでいくか」は大きな課題となる。……
そうした中、注目を集めている成長市場が「インバウンド」だ。
観光業界においては「訪日外国人観光客」を指す言葉として以前から知られている「インバウンド」。しかしこの言葉は実態としての広がりを表していないとするのが、『儲かるインバウンドビジネス10の鉄則 未来を読む「世界の国・地域分析」と「47都道府県別の稼ぎ方」』(日経BP社刊)の著者で、10年も前からこの分野に携ってきた中村好明さんだ。……
――本の中に「花仕事」と「米仕事」という印象的な言葉が出てきます。この二つの仕事の両立が今後のインバウンドビジネスの成功のカギだと指摘され、そしてまた同時に、中村さんは「花仕事から入れ」と提唱していらっしゃいます。この理由はどんな点にあるのですか?
中村:まず言葉の定義からお話しますと、「米仕事」とは、「自分が食べていくための仕事」で、「花仕事」は「地域社会のためになる仕事」です。
「花仕事」がいよいよ重要になってくる理由についてですが、訪日ツーリズムを例に説明すると、今後観光バス等で「点から点を移動する」というような団体旅行の形態はどんどん縮小して、個人旅行(FIT)がマジョリティになっていくのはまちがいありません。そうなると、旅の形態もBtoBであらかじめ決められた特定の観光施設を巡るのではなく、自分たちで探し選んでその街やその地域にやってくるようになる。加えて言うなら、気に入った街や地域を何回も何回も訪れるリピーター化も進みます。
こうした訪日客の思考として、その地の観光の「ゴールデンルート」を巡るのではなく、「自分だけのオリジナルな旅」を求める方向にますますシフトしていくのです。こうなってくると、どんなに大きな企業でも、単独のプレーヤーだけで個人の訪日客のニーズを全て満たすのは不可能です。それゆえ、街や地域全体で訪日客をおもてなしする考え方や仕組みが必要となってくるのです。
それを実現しようとしたら、自分の店や自分の施設の都合と利益だけを考えているわけにはいきません。地域全体がより多くの観光客を呼び込めるようになるために、自分に何ができるかという思考と取り組みが必要になってきます。これこそがまさに「花仕事」なのです。
この「花仕事」をやらない限り、持続的な「米仕事」も実現できませんし、逆に言えば地域全体のことを考えた「花仕事」を続けていれば、それはやがて「米仕事」の大きな収益となって自分に自社に返ってきます。これが「花仕事から入れ」の真意なのです。……
グローバル経済は、いかに世界のヒト・モノ・カネ・情報を自国に集めるかという戦いです。これらを集めるための戦略は、すべて“インバウンド”なのです。……
「花仕事」とは、「地域社会のためになる仕事」。
「米仕事」とは、「自分が食べていくための仕事」。
この言葉の定義が面白いですね。
そして、「花仕事から入れ」という提唱も、感銘を受けました。
皆さんは、如何ですか?
どうもありがとうございます。感謝のうちに。
社会保険労務士福島里加事務所
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