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<12月1日(金) 18:00提供:エキサイトレビュー> ……
俗語発掘記 消えたことば辞典 (講談社選書メチエ)/講談社

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↑ では、流行語が生まれる理由として、(1)社会的理由、(2)心理的理由、(3)言語的理由、(4)言語感覚的理由の4つがあげられている。
(1)の社会的理由は、《社会の状況、世相、風俗を言い表すことばがなかったときに、またそれを風刺しようとするときにちょうどぴったりのことばが流行する場合》だという。今回、新語・流行語大賞のトップテンに入った語でいえば、真実ではない情報を指す「フェイクニュース」がこれに当てはまるだろうか。
社会的理由にはまた《あることがらが頻繁に起こる場合、それを報じることばがメディアを通じ必然的に多く使用されて流行語になる場合もある》と、『俗語発掘記』は説明する。アメリカのトランプ大統領が昨年の大統領選で繰り返した「アメリカ・ファースト(アメリカ第一主義)」にならい、日本でも各方面で使われ、やはり今年の流行語大賞のトップテンに入った「○○ファースト」などは、ここに分類できそうである。
(2)心理的理由は、《有名人に追従する大衆心理や、人が使っているから自分も使わないと時代遅れになるとか仲間はずれになるとかいう意識が働いた場合》だという。今回年間大賞に選ばれた「インスタ映え」はまさにこれだろう。同じくトップテン入りしたブルゾンちえみの「35億」のように、芸人のネタから生まれたギャグにも、このケースに当てはまるものが少なくないようだ。
(3)言語的理由は、《そのことば自体の持つ特質によるもの、すなわち語形・意味・用法の奇抜さ、新鮮さや日常会話に使用できる範囲の広さから流行する場合》という。今年の新語・流行語大賞にノミネートされたサンシャイン池崎の持ちギャグ「空前絶後の~」のように、その言い方も含めて真似したくなる言葉はここに分類できる。
最後の(4)言語感覚的理由とは、1960年代に流行った「シェー」や「ガチョーン」などのように《感覚に特化した表現であって、あまり意味のない音を感覚的に発するおもしろさから流行する場合》である。今年の新語・流行語大賞では、この手の言葉はノミネート語にも見当たらなかったが、2013年の年間大賞に選ばれた「じぇじぇじぇ」などは近年の傑作だろう。……
なるほど、流行語が生まれるには、その背景があるわけですね。
そして、やはり、その年にどんな言葉が流行ったかで、世相が垣間見えるというもの。
今年は。
「2017ユーキャン新語・流行語大賞」トップテン・選考委員特別賞
※五十音順
<トップテン>
・インスタ映え(年間大賞)
・35億
・Jアラート
・睡眠負債
・忖度(年間大賞)
・ひふみん
・フェイクニュース
・プレミアムフライデー
・魔の2回生
・○○ファースト
<選考委員特別賞>
・9.98
・29連勝
たかが言葉、されど言葉。
一過性で終わる言葉もあれば、広辞苑に掲載されるようになる言葉もあります。
言葉も世につれ。
でも、言葉を使う人によって、また受け取る人によって、同じ言葉が違う意味を持ちます。
思えば、息子が生まれるとき、「美しい日本語を使おう」と心した私。
その思いを、今新たに噛み締めています。
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