<11月13日(月) 11:16提供:リクナビNEXTジャーナル>
世界の紛争の最前線で戦う日本の若者がいる。永井陽右26歳。
大学1年時からソマリアを救うための団体を立ち上げ、ソマリア人の若者ギャングの社会復帰プロジェクトを開始。卒業後はソマリア紛争の最前線に立ち、国連やアフリカ連合とともに、「カウンターテロリズム」と「武装解除」に取り組んできた。現在はソマリアだけではなく、ケニア、ナイジェリア、新疆ウイグル自治区などでテロ根絶と紛争解決に尽力している。……
──…… 永井さんを突き動かしてるものって何なんですか?
やはり僕が、僕らががやらなければという使命感と覚悟ですかね。……
──とはいえ死んじゃったら元も子もないじゃないですか。死の恐怖ってないんですか?
以前はありました。死ぬことが恐かった大学2、3年の時、哲学にハマった時期があったんですよ。……
そのゼミで輪読した本の中に、中島義道さんという哲学者が書いた『明るいニヒリズム』があったのですが、この本を読んだ時、大きな衝撃を受けました。…… どうせいずれは死ぬし、今生きてることに意味も価値がないのなら、何も恐れず“今ここ”を頑張ろうというふうに考え方が変わったんです。……
──多くの人は自分の将来や職業を考える時、自分のやりたいことを軸に考えるじゃないですか。世の中でも「やりたいことを仕事にしよう」とよく言われてます。
みんながそうやると地球は壊れるわけです。戦争は終わらないわけです。だから死んでもそうはならねえぞと思ってます。生き方の面においても、自分のためというよりはいち地球人として、いち人間として何をやるべきかという点に重きを置いています。
──でもさっきおっしゃったように生きることには意味も価値がないんですよね。ちょっと矛盾しませんか?
生きることや人生に意味も価値がないと思った上で、どう生きるかなんですよ。……
だから個人的にはキャリアプランニングっていう言葉がすごく嫌いなんですよね。そんなに自分のことだけ考えてどうすんの?って思います。「やりたいこと」じゃなくて「やらなければならないこと」を考えるべきなのではないかと思うのです。
やらなければならないことを
──確かにこのインタビューの冒頭でも、「自分がどんなにやりたくないことでも実行する。その姿勢が大事だ」とおっしゃってましたよね。これもすごいと思います。
……例えばテロとか紛争の問題が好きで得意でやりたいという人はほとんどいないわけです。さらに危険でオペレーションリスクも付加されるので、取り組む人がいなくなる。でもそうなったらテロとか紛争で毎日悲惨な目にあっている人たちはどうなるんですか。好きじゃないし興味もないしやりたくないからって見殺しにしていいわけないですよね。だから僕は、多くの人が言っている、「自分が好きで関心があって得意な分野に行った方がいい」という言説には真っ向から反論します。極端ですけどね。真摯じゃないなと。ちなみにこういうこと言うと敵が増えます(笑)。
気高さと使命感が大事
──「やりたいこと」より「やらなきゃいけないこと」の方が重要でそっちをやるんだと。
そういうことです。だから僕が取り組んでいるのがテロと紛争で、ソマリア、ナイジェリア、ウイグルなんです。誰もやれないけど、誰かがやらなきゃいけないめちゃめちゃ重要な問題と地域だからってだけです。……
だから国際協力にはもっと気高さが大事です。気高さと自分がやらなきゃいけないという使命感をもってほしい。「国際協力に興味があります。何かやりたいです」で終わってはダメなんです。そうじゃなくて真に必要なのは、今本当に解決すべき問題は何なのか、何が必要とされていて何をするべきなのかまで考えて実践できる人材。……
こういうことは特に若者世代に伝えたいですね。例えば40歳で家庭があって子どもが3人いる人が、誰かがやらなければならないことだからとテロと紛争解決の現場に行って活動するのは現実問題として難しいですよね。でも10代、20代の若者ならばそれができる。しかも今、そうなることを世界から望まれている。
僕は中学校や高校で講演をよくしているんですが、誰にでも国際協力はできるけど、誰かにしかできないこともあるのでその誰か、すなわちヒーローになりましょう。この時代のヒーローは人間として行動できる人こそがヒーローだよ、そしてなるのは君たちだとよく言っているんです。……
「やりたいこと」より「やらなきゃいけないこと」優先。
自分がやらなければという使命感と気高さ、覚悟の強さに脱帽です。
言っていることと、実際にやっていることがものの見事に一致していて、本当に素晴らしいですね。
是非、彼の持論を若者世代にどんどん伝えてほしいと思います。
私たちの地球は、ヒーローを待ち望んでいます。
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