<提供:J-CAST会社ウォッチ>
経営者、管理者に求められる力として、一般的には「進める力」とか「攻める力」というもがクローズアップされがちなのですが、じつはそれと並んで、いやむしろそれ以上に求められる力があります。
「受けの強さ」などと言う言葉で表現されることもある、「受ける力」がそれです。
マスコミに怖気づく、2人の社長候補
もう随分前の話になりますが、ワンマンかつ強気の経営姿勢で知られた上場製造業Y社のO社長。……
ところがある時、新聞沙汰になるような突然の不祥事が発生しメディアの厳しい追及に追い回されることに。……
後任の社長候補は、周囲の誰もが知る同期のライバル副社長と専務の2人。しかし両者とも……社長就任を固辞するという思わぬ展開に。……
ウソがバレれば、すべてを失う
そこでお鉢が回ってきたのが、若手役員のS取締役です。……
副社長も専務も、ここはひとまずS取締役に「捨て石」になってもらい、落ち着いたところで満を持して次期社長のイス争いを再開しようとでも思ったかもしれません。……
S新社長の堂々たるマスコミ対応はお見事のひと言でした。
一切逃げも隠れもすることなく、前社長時代の管理責任と思しき追及にも臆せず、常に前向きな姿勢で会見や個別取材を受けて立ち、この対応で一転。新聞記者たちの信頼を一気につかみました。……
「一大不祥事で逃げたり慌てたりして失敗する経営者が多い中で、社長はどうしてあのように堂々たる対応できたのですか」
S社長は自信を湛えられた表情で、答えてくれました。
「心構えに尽きます。
経営者がどうしよう、どうしようと慌てふためけば周囲は浮き足立ち悪循環に陥るだけです。
とにかく慌てず焦らず、マスコミと相対する心構えを決めることです。
正直が一番強い。
正直で失うものは何もありませんが、ウソはバレればすべてを失います。
正直を忘れずに心構えをするなら、何も恐れることはありません。
ウソやごまかしでその場を切り抜けようとするから、慌てたり、焦ったりして取り返しのつかないことになるのです」……
ちなみに、Y社のS社長体制は長期安定政権となり、今もこの体制下で順調な業績を残しています。
件の有事発生時、保身に走って正直さを欠いた副社長と専務は、二人ともすでに退任しています。
「正直で失うものは何もありませんが、ウソはバレればすべてを失います」
そう、一度ウソをつくと、そのウソがバレないようにするために、さらにウソをつかなければなりません。
ウソの上塗りを続けていくうちに、どこかで破綻が生じてしまうもの。
どこぞの企業を思い浮かべる方は、少なくないでしょう。
政治家さん方にも肝に銘じていただきたいと、思うところでしょうか。
もちろん、「正直者が馬鹿をみる」という言葉もあります。
単視眼的には、また、ある一定期間はそうかもしれません。
でも、究極的には、必ずしも「正直者が馬鹿をみる」わけではないと思います。
「正直が一番強い」
この名言をスタンスに、「受ける力」を磨いていきましょう。
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