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<提供:ビーカイブ>
日産自動車のV字回復に多大なるリーダーシップを発揮したカルロス・ゴーン氏が人事部に課したタスクは、たった2つでした。「すべての人事情報を数字で把握すること」、そして、「すべての従業員に付加価値を付けること」です。……
処理速度とプラスアルファの処理能力
コンピュータのスループットは、処理の速度を示します。
人間のスループットは、処理速度の速さに加えて、インプットにその人なりの価値をどのくらい加えてアウトプットできるかに相当します。
1つ例を挙げてみましょう。
ある課長が、資料のコピーを部下に頼みました。
部下のAさんは、言われたとおりにコピーを取って、課長に手渡しました。
課長はそのコピーを持って会議に参加しました。
Bさんは、「このコピーは何のために使うのですか」と課長に尋ねました。
課長は「会議用だ」と答えました。
それを聞いたBさんは、配布用の資料とは別にコピーをもう1つ用意し、「会議でメモが取れるように、課長用には余白をつけておきました」と言って課長に資料を渡しました。
また別の日に、課長はCさんにコピーを頼みました。
Cさんは「この資料は会議用ですね。会議に出席されるのはどなたですか」と課長に質問しました。
たくさんの部長が出席する会議であることを知ったCさんは、資料の左上をホチキスで止めました。
そして、1部だけ、右上をホチキス止めした資料を用意しました。
課長が、「なぜ1つだけ右上がホチキス止めされている資料があるのか」尋ねると、Cさんは「その資料は出席予定のD部長用です。
D部長は左利きなので、左手でもメモしやすいように右上を綴じました」と言ったのです。
期待を上回る価値提供にフォーカスした人財活用を
コピーを取る3人の部下の話は、簡単な仕事であっても人によっては非常に高い付加価値をつけることができることを示しています。
BさんやCさんのように、期待を上回る価値を提供できる人財を採用し、教育し、育成すること、またそういう人財を発掘して責任あるポジションに任命することが、「人に付加価値を付ける」ことの第一歩なのです。……
『稼ぐ人財のつくり方 生産性を2倍にする「攻めの人事」』山極 毅 著
日本経済新聞出版社
稼ぐ人財のつくり方 生産性を2倍にする「攻めの人事」/日本経済新聞出版社

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なるほどコピーの例は、「人に付加価値を付ける」ことがどういうことであるのかが端的にわかりますね。
ちょっとした観察力と気配りが、大きな違いを生みます。
従業員一人ひとりが付加価値を付けた仕事をこなせば、組織は活性化するのは、確か。
問題は、どうやって付加価値を付けていくか。
まずは試行錯誤でしょうか。
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