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おもてなしといえば、東京オリンピック招致のプレゼンテーションで、アナウンサーの滝川クリステルが披露した言葉として広く知られています。日本、そして日本人の心情の一端を的確に現した言葉とされています。
おもてなしは残酷
おもてなしは良いこととされていますが、別の見方をすれば、常にそれを強要される残酷社会ではないか、そうした問いかけをするのが榎本博明による ↓ です。
「おもてなし」という残酷社会: 過剰・感情労働とどう向き合うか (平凡社新書)/平凡社

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副題に掲げられている、過剰、感情労働とは、労働の対価として感情を差し出す仕事をいいます。
それは人工的に笑顔を作り出す環境であり、日本のサービス産業のほとんどが当てはまるといえるでしょう。
感情労働は、人間その人に対する負担が大きいことが指摘されています。
欧米式は合わない?
著者が説くのは、日本的な相手をおもんぱかる感情の配慮はよきこととであるとされています。
しかしながら、欧米式の、顧客満足度の概念が取り入れられることにより、よりサービス過剰、お客様至上主義になっているのではないか。それに対して客の側もどんどんと横柄かつわがままになっているのではないかと読み解きます。
よくある比較文化論のように見えて、ネット上のクレーマー社会や監視社会を見る限り深刻な問題であるともわかります。
ひとつの貴重な提言を行っているといえるでしょう。
「お客様は神様です」
三波春夫が演歌歌手と聴衆との関係で使ったこの言い回しは、一人歩きをしてしまい、誤解を生む言葉になってしまいました。
顧客や消費者が求めるサービスに応えること。
このことを必死にやろうとすれば、長時間労働にならざるを得なかったり、クレーマーをのさばらせてしまうという現実があります。
過剰サービスが何をもたらすのか、考え直す時代でしょう。
まず第一に、働く人が心身ともに健康であること。
この大切さを社会全体で共有していくようにしなければいけないと思います。
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