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<提供:デイリー新潮>
■断捨離どころか必要最低限がない!ミニマリストの極限スタイル(1)
「不要な物を断ち、捨て、執着から離れる」。「断捨離」が持て囃されて久しいが、近年これを先鋭的に極め、最小限の物だけで暮すミニマリストが話題を呼んでいる。……
平安末期から鎌倉初期の歌人、鴨長明は晩年、京の都を離れ、伏見郊外の山にわずか一丈(3メートル)四方、すなわち方丈の小さな庵を結び、隠棲した。そこで我欲を滅した彼が〈行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず〉と、人の世の儚さ、虚しさを綴ったのが、かの『方丈記』である。……
「僕も昔は、数十万円もするスーツを30着など、たくさん華美な洋服を持っていました。車も数千万円のものに乗っていた。これらが必要ないと思えるまでには、時間がかかりました」
こう振り返るのは、「CASSHERN」などの作品で知られる映画監督の紀里谷和明氏である。
「しかし冷静に考えると、それらのモノには、他人の価値観が入っていた。“人から格好いいと思われたい”とか“誰々が良いと言っていたから”などとの理由で購入してしまう。自分が本当に必要としているモノではなかったから、無駄な消費だったわけです」
■紀里谷氏の部屋
彼は以前、広さが100平方メートルの部屋に住み、ちゃぶ台と座布団だけを置いていた。それが無意味と思い、50平方メートルのワンルームに引っ越したという。
現在の部屋にあるのはベッドと小さなソファ、作業用のデスクのみ。テレビはない。洋服は4着で、ジム用のスポーツウェアが1着にTシャツが3枚。靴下と下着は7枚ずつという。彼は、いかにして物欲から解き放たれ、ミニマリストという生き方に目覚めたのか。
「僕自身は、ミニマリストやミニマリズムという言葉を意識して生活しているわけでありません。ただ、モノを減らせるようになったのは、デジタル化の影響が大きかった。ある時、部屋にある大量のCDをデータに移していると、ふと『これって結局、石油じゃん』と思ったのです。これほど資源を無駄遣いしていたのかと、自分でも驚いた。それからは本もデジタルで読むようになりました。そうなると、全てのモノに対し、“これは本当に必要なのか”と自問するようになった。……」
ミニマリズムの裏側にあるのは、大量消費社会だ。
「日本では戦後七十余年、大量消費社会を突き詰めてきた。人間には頭脳以外に魂もあり、消費に対し魂は疲れ切っているのに、頭脳がそれを止めようとしない。この分離に反発して生れたのがミニマリズムなのでしょう」
■東日本大震災の影響
ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -/ワニブックス

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↑ の著者で、元「ワニブックス」編集者の佐々木典士(ふみお)氏が解説する。
「源流は2005年くらいまで遡ることができるのですが、大きな影響を与えたのは、東日本大震災でしょう。皆、“この国は数十年に一度、こんな大災厄が起こるんだ”という事実を強く感じた。現に室内でモノに押し潰されるという恐ろしい経験をした人も少なくなかった。これにより、モノに対する見方が変わった人は多かったと思います。……」
佐々木氏は、冒頭で紹介した『方丈記』を挙げ、
「ミニマリストという生活スタイルと、日本人が本来持つ、伝統的な美的感覚は親和性が高い と指摘する。……
我が家には高級なスーツや車はありませんが、くだらない物が溢れ返っております。
自分が断捨離すると、夫の物が気になってストレスになりそうなので、今はミニマリストから遠い生活。
ただ、一般的な平均寿命からすると、夫が先に逝くので、そうしたら、私はこのマンションを売り、事務所で暮らしたいと思っています。
ワンルームマンションなので、物が置けない。
必然的にミニマリストという生活スタイルになる予定です。
それがいつかは神のみぞ知る世界です。
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