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2000年のシドニーオリンピックの金メダリストで、同年、女子スポーツ界で初の国民栄誉賞を受賞した高橋尚子さん。……
――チャレンジがプレッシャーになることはないですか? もしプレッシャーがあるとすれば、それを乗り越えるコツは?
「……プレッシャーかと言われればそうかもしれないですけど、ある意味『結果にとらわれない』というか、『最終的な目標の場所』を普段の生活ではあまり考えていなかったというのも事実です。
目標を達成する一番の近道は、今日、今、何をするか、何ができるのか、一日という限られた時間の中で最高の力をすべて注ぎ込むことができるのかということ。
今を積み重ねることが一番の近道だと私は思っています。
現役時代も、後悔なくやり切ったと思える一日を過ごすことを一番大切にしてきました。
もうこれ以上走れないとか、これ以上やれないくらいやりきったと思う日、スタッフのみんなで『よく頑張ったね』と抱き合って終われるような日を積み重ねていくと、本番のスタートラインに立ったときに後悔することがゼロになるんです。
その結果が優勝であれば、もちろんうれしい。
でも、2位とか3位とか、負けてしまっても、素直に『自分よりももっと頑張ってきた選手なんだな』と勝った人を素直にたたえられること、それがスポーツマンシップなのかなと思うんです。
国籍や人種が違っていても、同じ思いでその大会まで向かってきた選手は、最も魂の近い相手であり、仲間だと思います。
そう感じることができるよう、私は日々の瞬間、瞬間をすごく大切にしていました。」……
「…… 現役時代は『練習』という小出監督の“恐ろしいメニュー”があるんですけど、それはそれは恐ろしくて(笑)、1週間に一度、『80キロ走る日』があって、平均でも毎日40〜50キロは走るんです。
こういう厳しい練習を積み重ねていくと、陸上を嫌いになったり、『もうマラソンは嫌だな』と思ってしまう人もいる中で、私がそうならなかった理由があると思います。
小出監督の“きついメニュー”はある意味、仕事で、その仕事が終わったあとに私は『遊びで走ってきます』と言って、楽しんで走る時間を一時間ほど必ず持っていました。
『探検ラン』といって知らないところを走ったり、きれいな景色のところに走りにいったりするのです。
走ることは楽しい、という原点に毎日戻ることができた。
これが長くマラソンを好きでいられる理由ですね。……」
――毎日を特別な一日にするために心掛けていることはありますか?
「一生懸命やったときって、すべてをちゃんと覚えているんですよね。
現役時代は食べて寝て走るだけで、他のことは何もしていないのに、すごく一生懸命、陸上をしていたからこそ、練習日誌を開くと、練習風景が同じようなものでも、その時に何を思ったかが、風とか天候とともに蘇ってくるんです。
自分のやりたいことを毎日、一生懸命にやることで、結果的に思いが刻まれていくのかなと思います。
あとは、ランナーズハイというか、走っていると、どんどん気持ち良くなってきて、悩み事をポジティブに解決できるようになったり、周りの人に感謝する気持ちになるので、結果として自分だけでなく周りの人へもあたたかい気持ちになれます。
自分だけの殻に閉じこもらず、いろいろなところを見わたしてみて、感謝の気持ちを口にすること。
それから、私は普段から景色を見るようにしています。
景色は、365日同じものはないんです。
雲は毎日違うし、景色に感動することって多かったりしますよね。
そういうふうに、心を動かされる自分でありたいなって思っています。
景色やそのときの状態で自分の気持ちが動いたり、感受性を豊かに保つことで、日々の生活に彩りが出るのかなと思います。
電車から、ビルから、“今日の空”を眺めてみるだけでも日々の違いを感じることができて、感動や喜びを見つけることができれば、毎日に彩りが出て、特別な一日になっていくのではないかなと思います。」
Qちゃん(愛称)は、走ることが大好きで、楽しんで走っていた、という印象がありますが、そのためにいろいろと工夫をしていたのですね。
考え方や行動など、見習いたいところが沢山あります。
皆さんにも心にとめていただきたいと思います。
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