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↑「脳研究者池谷裕二 パテカトルの万能薬
柔軟な脳の目」より
ある政治問題について世間の人々がどう考えているかを街頭調査をしました。
クリップボードにアンケート用紙をはさんで手渡し、政治問題がどれほど深刻かを記入してもらいます。
2種類のクリップボードを用意します。
一つは重さが2キログラム以上ある重厚なタイプ、もう一つは340グラムの軽量タイプです。
同じ質問内容にもかかわらず、重いクリップボードで回答したほうが、事態を「重い」と判断する傾向があることがわかりました。……
この街頭実験を行ったマサチューセッツ工科大学のアッカーマン博士らは「手は目的思考型の装置だ」と述べています。
ヒトは積極的に手を動かすことで、環境から情報を得たり、環境を操作したりします。……
手から感じ取った情報は無意識のうちに当人の心理に影響を及ぼします。……
続いては椅子です。
やはり2種類を用意します。
クッションの付いた柔らかな椅子と、木製の硬い椅子です。
椅子に座りながら車を購入する場面を想像してもらいます。
定価は180万円です。
この購入価格をディーラーと交渉します。
すると、柔らかい椅子に座ると態度が軟化し、柔軟に交渉を進めたのに対し、硬い椅子に座ると態度を硬化させ、自分の考えに固執する傾向がありました。……
触感が内観に影響を及ぼすのは万国共通の現象なのです。
いや、むしろ私たちの脳が「重い物体」と「深刻な問題」という個別の事象から受ける別の感触を(表面上の異質さを超えて)同一視できる俯瞰能力を持っているからこそ、「重い問題」という隠喩が成立するのでしょう。
鋭い意見、温かい対応、痛い性格、甘い記憶ー私たちの言語がこうした豊かな感情表現に彩られているのは、それだけ脳の着眼点が柔軟であることの証拠です。
ふむふむ。興味深い事実ですね。
私たちの脳は、まだまだ未知の世界です。
でも、私たちが想像している以上に、素晴らしい能力を秘めているのではないかと思います。
今後解明されるかもしれない「脳科学」に期待しています。
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