福井一成(医学博士)著・『思うように時間が取れない大人のための科学的勉強法』・日本実業出版社・2002年
長期記憶を効率よくつくる科学的な復習計画
●忘却曲線を利用した、復習時期のタイミング
復習を制するものが暗記を制するーといっても過言ではない。……
肝心なのは、「どの時点で復習していくか」である。
そのタイミングが復習の効率を左右する。
ここで注目したいのが、「エビングハウスの忘却曲線」である。
これは19世紀のドイツの実験心理学者エビングハウスが検証してグラフ化したものだ。……
横軸が時間、縦軸が記憶保持率となっている。……
1時間後に忘れるのは56%、1日後に忘れるのは66%。その差は10%しかない。
ならば、なにもその日のうちに復習する必要はないと割り切って、暗記した翌日に復習をすればいい。
1回目の復習をすると、それだけ記憶の定着作業が出来るので、その後の忘却スピードはゆるくなる。……
だから、2回目の復習は1週間後、3回目の復習はさらに間隔をあけて1ヶ月後にやればいい。(P.63~65)
●過剰学習は、時間をドブに捨てるようなもの
勉強の目標は、試験当日の時点まで、過去に記憶したことを覚えておくこと。
つまり、「長期記憶として、脳に留め置く」ことである。……
短期記憶の場合、海馬の神経細胞が、電気刺激によって科学的伝達物質を一時的に放出すれば事足りる。
しかし、長期記憶、神経細胞同士が形態学的な変化を起こして、長期的に統合しなければならない。……
その形態学的な変化を起こすためには、海馬における「頻回な電気刺激」が必要になってくる。
頻回な電気刺激とは、「何回も復習すること」にほかならない。……
「もう心配でたまらない」とばかりに、同じ箇所を何度も何度も復習していると(これを「過剰学習」という)と、時間のムダにもなるし、テキストがなかなか先へとすすまない。
それに、あまりに神経質になりすぎ不安な精神状態で勉強していると、「脳の内部でβエンドルフィンの分泌が減少し、脳波がβ波になる」ので、記憶力もダウンしてしまう。
逆に、復習する時期が遅すぎると、復習に長い時間がかかる(場合によっては、最初と同じくらい時間がかかる)ので、これまた時間をムダにつかうことになる。……
基本的には、新しい学習をメインにし、エビングハウスの忘却曲線にもとずいて、効率的なタイミング復習(1回目は翌日、2回目は1週間後、3回目は1ヶ月後)をはさんでいくようにすればよい。
そのやり方として最も簡単なのは、テキストの各ページに勉強した日付を書き記しておくこと。
最初は何月何日で、1回目の復習は何月何日、2回目の復習は何月何日…という具合に記録する習慣をつけることだ。……
パソコンでのスケジュール管理にたけている人なら、復習計画もパソコンで管理していけばいいだろう。(P.66~68)
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復習するにも、タイミングがあるのですね。
「エビングハウスの忘却曲線」は知ってはいたけれど、こんな風に活用できるとは!
パソコンでのスケジュール管理にたけてはいないけれど、復習計画にパソコンを使ってみようかしら。
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