富山遠征に行った。


1日目、出発する時、

「この遠征は、遠足ではない。

今まで練習してきたことを、試す場だ。

遊び半分の気持ちで行かないように。」

そんな話をした。

ところが、1日目の晩。

消灯時刻を過ぎても、子ども達は、騒いでいた。

「出ろ。正座。」

問答無用だった。



昔から、指導方針は変わっていない。

低学年は、楽しむ。

中学年は、ドリブル。

高学年は、ドリブルにパスも入れる。

変わっているのは、勝敗だ。

中学年までは勝てない。

これは、昔も今も変わらない。

だが、高学年になると、……。

昔は、それまでの「借り」を返した。

今は、返せない。


ボールを奪われても、追いかけない。

相手がシュートを打とうとしていても、当たりに行かない。

大差で負けても、へらへら笑っている。

そんな子ども達を見ていて、

何もかも全部放り出して、

「やーめた!」って言いたくなった。

子ども達を叱ることが多くなった。


遠征前3年間に叱った回数よりも、

遠征中の4日間の方が、

叱った回数が多かった。

これでは、子ども達、楽しくないだろうなあ。


自責の念に駆られる。



最後の晩。

五箇山の民宿に泊まった。

合掌造り。

世界遺産だ。

4部屋ぶち抜いて、みんなで寝た。


子ども達の寝顔を見ながら、

この子達のおかげで、自分は生きていられるのだなあ、

ほっぽり出すなんて、とんでもないなあ、

と思った。


これからは、楽しみながらも勝てる子ども達を育てていこう、

そう思った。