水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)

 

妊娠ママが水痘を初感染後に発症した場合は、分娩がいつ行われたかによって新生児の水痘感染の重症度が異なります。水痘ウイルスは感染後にママの体でウイルス量を増やしますが、時間経過とともに抗ウイルス抗体価も増加します。

したがって、分娩時にママの体に存在する水痘ウイルス量と抗体量が赤ちゃんの感染の度合いの目安になるのです。

 

分娩後3日以降にママが水痘を発症した場合は感染初期で、水痘ウイルス量が少量のため胎盤を介した感染は起こらないか、起こっても軽症の新生児水痘に留まります。

 

分娩前5日、後2日の感染は、増加した水痘ウイルスが胎盤を介して赤ちゃんに移行し感染します。感染初期のために母親から移行するウイルス抗体が少量で肺炎、脳炎などの重症

水痘になりやすく、死亡率は30%に達します。

 

また、ママが水痘を発症してから6日以降に分娩になった場合はママの体の中で水痘ウイルスに対する十分な抗体量が産生されているため新生児の水痘は重症化しません。

 

妊娠20週以前に水痘ウイルスに初感染すると、産まれてくる子供には稀に先天奇形(先天性水痘症候群)のおそれがあります。

 

 

*先天性水痘症候群とは

妊娠8~20週以前にママが水痘に罹患すると1~2%の頻度で新生児にみられる、四肢携帯異常を特徴とした疾患です。

皮膚瘢痕、発育障害、神経系の異常(四肢麻痺、水頭症、大脳皮質の萎縮、痙攣)、眼球の異常(網脈絡膜炎、瞳孔不同、眼振、小眼球症、白内障)、骨格の異常(上肢、下肢、指、趾の低形成)などが起こることがあります。

 

 

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