全分娩に対する帝王切開手術の比率が上昇した理由は複数の要因が重なったものと考えられています。

以下に、その要因を示しました。

 

【社会的要因】

少子化により分娩数が減少したため、相対的な危険度の高い初産婦の割合が増加し、帝王切開の比率が増加しました。また、出産の高齢化により母体の妊娠年齢、分娩年齢が上昇したため、高齢初産婦の帝王切開手術が増加しました。

 

【医療技術の向上】

陣痛開始以降の分娩進行評価のために胎児心拍連続モニタリングが発達・普及し、ドップラ検査による間欠的な心拍聴取に比べて胎児心拍異常、胎児機能不全を示す兆候を早めに察知するようになったので帝王切開手術が増加しました。不妊症治療の進歩による低体重児が増加したため帝王切開手術の比率が上昇しました。

 

【従来経腟分娩であったケースが帝王切開に】

骨盤位の分娩の多くは児の損傷や安全性から帝王切開手術が選択されるようになりました。また双胎分娩は第1児、2児での危険度が異なるため安全性の面で、そして低置胎盤の分娩は分娩後の出血も含めて管理しやすいという理由から帝王切開手術が選択されるようになりました。

 

【分娩補助手段】

産婦人科医の技量的な問題や医療訴訟の増加から鉗子(かんし)・吸引分娩が減少し、相対的に帝王切開手術の選択が多くなりました。また誘発分娩の増加と分娩監視装置の進歩で初産の誘発分娩時の帝王切開率が上昇、VBAC(帝王切開後経腟分娩)の頻度が医療訴訟の問題から減少し、選択的帝王切開手術の比率が上昇しました。

 

【感染症の問題】

分娩時に外陰部ヘルペス、水痘ウイルス、HIV感染などがある場合、経腟分娩よりも、児への感染率の低い帝王切開手術が選択されるようになりました。

 

【生活様式の変化と社会的事情】

肥満の有病率上昇に伴い妊娠高血圧症候群の妊婦が増加し、帝王切開手術の選択が増加しました。また分娩後の児の脳性麻痺による医療訴訟の増加や、「貴重児」という言葉が生まれた現代では分娩者の希望から帝王切開手術が選択されるケースもしばしばみられるようになりました。

 

 

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