性病(VD:Venereal Diseases)

古くから性病(VD:Venereal Diseases)といわれてきたものは、みなさんもよく知っている梅毒と淋病の二つです。

 

抗生物質の発達により減少傾向を見せていたこの二つの性病は、第二次世界大戦終了後の混乱期に再度日本中に蔓延したため、性病感染対策として昭和23年7月15日に性病予防法が制定されました。

 

制定された性病予防法は8項目からなる法律で、届出、治療、罰則などから構成され、梅毒、淋病、軟性下疳、鼠経リンパ肉芽腫症を対象疾患としていました(性病予防法の総則には梅毒、りん病、軟性下かん、そけいりんぱ肉芽しゅ症と記されています)。

 

軟性下疳

この4つの性病は、この法律制定当時にかなり流行していた性病でしたが、その後の時代の移り変わりと同時に急速に性病の勢力分布は変化しました(主に抗生物質の登場による)。

 

軟性下疳はヘモフィリス・デュクレイ(軟性下疳菌)という細菌の感染で起こり、感染部位に強い痛みの壊疸性潰瘍と鼠経リンパ節の化膿性炎症を発症することが特徴です。

1945~50年に大流行しましたが、近年では海外旅行で感染する人が僅かにいるのみになりました。

 

鼠経リンパ肉芽腫症

鼠経リンパ肉芽腫症はクラミジアによる性行為感染症ですが(現在の性器クラミジア感染とはクラミジアの種類が異なります)、感染初期に出来る水疱は痛みがほとんどなく、水疱1~2週間で治ります。

感染後、1週間~2カ月後に鼠径部のリンパ節が腫脹・化膿し進行していくためこの名前がつけられました。

 

鼠経リンパ肉芽腫症は熱帯雨林気候をもつ発展途上国にのみ見られる地域限局性の性病へと変化し、現在の日本でこの病気を見ることはほとんどなくなりました。

 

 

この4種類の性病は初期病変が性器もしくは性器付近に存在するために、患者も治療する側も「性器の病気」と診断することは簡単で、一目瞭然でした。

これらのことから性器の病気は性行為で感染する、イコール性病と名付けられたのです。

 

 

 

 

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