韓日の民衆労働者の国際連帯に向けて | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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―排外主義ナショナリズムについて―

韓国大法院での新日鐵に対する元徴用工への賠償責任が認められたことに対し安倍政権は1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決しておりありえない判決だ」などという批難を繰り返しています。

しかし、個人間の損害賠償請求権を国家間の協定で勝手に消滅させることはできません。91年8月27日には外務省の柳井俊二条約局長もそのことは認めています。

私はかつて90年代ですが金ギョンスクさんという日本鋼管に徴用された方の損害賠償請求の代理人を務め、高裁段階で賠償金の支払いを認める和解を勝ち取りました。当時は、今般のようなあからさまな排外主義の攻撃はありませんでした。

また、先日、慰安婦の少女像などを展示した愛知での「表現の不自由展」が中止に追い込まれました。ここまで露骨なこともかつてはなかったと思います。

今おこっている、これらの一連の異常事態は何故でしょうか。何が原因でしょうか。

徴用工の判決については明らかに大資本である一企業の責任に国家権力が介入し対立を煽ろうとしています。

あいちの展覧会には従軍慰安婦少女像や天皇制をテーマとした作品の展示があり、河村名古屋市長は「日本人の、国民の心を踏みにじるもの」であるなどとあからさまな排外主義を煽っています。

いずれも、まさに支配層によるナショナリズムの扇動です。

では、ナショナリズムとは何か。『ナショナリズムは国民の自意識の覚醒ではない。ナショナリズムは、もともと存在していないところに国民を発明することだ。』(『民族とナショナズム』アーネスト・ゲルナー)

つまり、ナショナリズムとはあくまでも作られた概念、人工の産物にすぎない、国家権力にとっての使い勝手のいい「道具」である、ということです。国を愛する気持ち、などというものは自然のものでも、当たり前のものでもなく権力が国民を動員するために利用する道具にすぎないのです。

ナショナリズムとはブルジョア階級の政府のむき出しの姿です。誰のための政府か。その姿が隠しようもなく現れてきています。

 

―予防反革命として関東大震災時の朝鮮人大虐殺―

皆さんは『アリランの歌』をご存知でしょうか。キム・サンは「1923年以来、朝鮮人は日本人を信用しないし、日本人は朝鮮人を信用しない」と言っていました。短い期間ですが、日本で学び、中国革命を生きた朝鮮人革命家です。1923年が指すのはもちろん関東大震災時の朝鮮人虐殺のことです。私は、この「事件」について日弁連の人権委員会のメンバーとして調査を担当し、2003年には小泉政権に対し、国は虐殺の被害者・遺族に対し謝罪せよ、きちんと真相を究明せよとの勧告を出しました。つまり、この虐殺については国・政府に大きな責任があるということです。

1920年当時、日本国内では、労働運動、革命運動の萌芽があり、その頃から始まったメーデーの集会には禁止されていたにもかかわらず韓国人労働者も参加し「労働者に国境はない」と国際連帯を訴えていたのです。
 だからこそ、1910年に韓国を侵略した日本政府は、この韓国の人々の怒りが日本の民衆労働者と合流し爆発することを恐れ、その火を消す、予防するために関東大震災の不穏な状況を利用して虚偽の情報を流し、虐殺を拡大させたのです。

しかし、キム・サンはこうも言っています。「私は東京で知り合ったたくさんの日本人が好きだ。1919年の日本では革命階級が育ちつつあった。その頃はアナーキストが主要な急進分子だった。やがて共産主義運動が勢いを得た。日本人はよき同士である。日本の共産主義者は誠実で強く、犠牲を恐れず、彼らの大義に情熱的に献身する。これまで会った人がみんな好きだ。」

私たちは、100年経ったいま、民衆同士、手をつなぐことを実現しなければならないのではないでしょうか。

 

―国際連帯としての自国政府打倒―

私たちは生き抜くために戦争に反対します。そのためには、朝鮮半島の仲間たちと国際連帯として、戦争政策を進める安倍政権打倒を具体的に推し進めなければなりません。

ここからは韓国の仲間にも直接、呼びかけたいと思います。

戦争はあくまで侵略戦争です。

전쟁은 어디 까지나 침략 전쟁입니다. 

それぞれの国の民衆が互いに武器を向けて殺し合う意味などどこにもありません。

각各 나라의  민중이 서로  무기를  겨누는것은 서로예게 아무런 의미도 없습니다 

対立しているのは民衆と政府・資本であり、日本の民衆と韓国の民衆ではありません。

대립하고있는  것은 각나라의  국민과 정부자본이며 일본의日本の민중과  한국의 민중이 아닙니다

韓日の対立は、それぞれの内政の行き詰まりを排外主義ナショナリズムでごまかそうとしているにすぎません。

한일의 대립은 각각 내정의  한계를 배타주의、민족주의 얼버무리려 하고있는 것에지나지않습니다.

排外主義、戦争政策の政府を転覆し、私たちが社会の主体になる必要があります。

배타주의 전쟁 정책의 정부를 전복하고 、우리 사회의 주체가 될 필요가 있습니다.

朴槿恵政権を民衆の力で打倒した韓国の皆さんも同じだと思います。

박근혜 정권을 민중의 힘으로 타도 한 한국의 여러분도 마찬가지라고 생각합니다.

協力しましょう。

협력합시다.

私たちは、自国の政府を打倒します。

우리는 자국의 정부를타도합니다.

それ手を握ることだから。

그것이 손을 잡는 것이니까.

国際連帯して一緒に戦いましょう!

국제연대하여 함께 싸웁시다. 

闘争!