今こそ、季節外れの「4月テーゼ」を。 | 御苑のベンゴシ 森川文人のブログ

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 もうすぐ、10月。ロシア革命から100年目の10月を迎えます。

 ロシア革命といえば、レーニン。そして、そのレーニンのロシア革命への登場と共に、歴史的にインパクトを与えたのが、ドイツを「封印列車」で通過し、ロシアに約10年ぶりに到着した途端に行った演説と発表された「4月テーゼ」というのは有名だと思います。

 

 どれだけインパクトがあったかという点では、その場に居合わせたメンシェビキのスハーノフという人が以下のように述べています。

「私は、あの演説を忘れることができない。異端者的に図らずも熱狂的興奮に投げ込まれた私にだけではなく、本当の信仰者たちにも衝撃を与えて驚愕させた、雷光のごときあの演説を。誰もあのようなことを予期していなかった、と断言する。まるで全ての原始的な諸力が棲息地から起き上がったように思えた。
 そして、全ての自然界破壊の精神的なものが、邪魔する物なく、懐疑なく、人間的な苦しみも人間的な打算もなく、クシェシンスカヤ邸のホールにいる取り憑かれた信徒たちの頭の上で、響き回った。」

 

 その演説の翌日発表された「4月テーゼ」の最初の提起は、既に始まっていた戦争の問題です。

 「戦争は、ロシアについてはいまなお無条件に帝国主義的強盗戦争であって・・・『革命的祖国防衛主義』にいささかでも譲歩することはゆるされない。・・・革命的祖国防衛主義の一般の信奉者の広範な層-彼らに対しては特に詳しく、根気よく、忍耐強く、その誤りを説明し・・・資本を倒さなければ、・・真に民主主義的な講和で戦争を終わらせることは不可能であることを証明しなければならない。戦線の軍隊のあいだでこの見解の最も広範な宣伝を組織すること」

 

 

 100年後の今日、再び戦争が間近に迫っています。朝鮮半島をめぐる緊迫は目をそらそうとしても、「今、ここにある危機」そのものです。

 そんな中、目の前に迫る解散・衆院選をめぐって、日本の「野党」がぐちゃぐちゃに再編しつつありますが、大きくは、改憲、戦争政策に右シフトの流れで、まさに「戦前」的で恐ろしい、といわざるを得ません。

 

 その「台風の目」として登場した小池「希望の党」は同党参加の条件について「基本的には憲法(改正)への対応。それは安全保障にも関わる」とし、「リアルな安全保障が必要。北朝鮮の危機が迫る中でどうするのか。同じ方向性を持っていないと、党としての対応が揺れてはまずい」などと指摘、とのこと。希望の党と連携する方向の民進党議員の安全保障政策について、「(これまでは)議論のための議論と、野党としての対案というニュアンスが多かったと思う。それを超えてリアルな形での対応ができる安全保障政策を共有したい」(9/27)という、つまり、現実的(リアルな)な軍事政策(安全保障)の展開を行うという正に、かつての安倍政権の元防衛大臣らしい、明確な軍事的な姿勢です。

 

  レーニンの「4月テーゼ」は、「臨時政府をいっさい支持しないこと。・・・この政府、資本家の政府にむかって、帝国主義的であることをやめよ!という、幻想をうえつけるような、許し得ない『要求』をだすのではなくて、この政府を『暴露』すること」と、政治的な暴露、つまり、政治の正体、本質を暴いて、大衆に訴えよ、と言っています。

 

 ムードやキャッチフレーズではなく、何が行われようとしているのか、狙われているのか、つまりは、私たちをどこへ持って行こうとしているのか、という点こそ、重要であり、今だからこそ、「4月テーゼ」が打ち出したようなモノの見方、ムードに流されたない反戦と反排外主義の姿勢を持ち出すべきだと思うのです。