昨日、日弁連の臨時総会が開催されました。議題は多岐に渡り、6時間近くの白熱した議論となりました。
弁護士は全員、弁護士会に所属しています。強制加入の組織であり、その意味で弁護士会は完全な自治組織です。・・・国民国家という概念と似ているし、実態的にも近いと思います。
つまり、自治=民主主義的運営を「建前」としつつ、実態的には大衆(弁護士・国民)の意思とかけ離れた執行部・政府により運営されているという意味においてです。
いわゆる新自由主義、日本でいう構造改革路線において、攻撃の対象となったのが、ナショナルセンターたる労働組合であり、旧社会党的野党であり、そして在野の人権の砦としての弁護士会です。民衆の結集軸として団結体の解体が狙われたということです。
闘う労働組合は解体され残っているのは連合・・・。社会党も今は昔。ということで、弁護士会ですが、今、まさに、「司法改革」=弁護士激増政策により弁護士会の自治も危機に陥っています。
弁護士が一気に増加させられ自治組織としての意義自体が問われるほどに解体の危機にあります。経済的に厳しい状況にさらされる弁護士一人一人にとっては、それなりに多額の会費(まあ、いわば税金)を負担してまで「自治」をしなければならない意味がわからない、負担感しかない、という意識が高まっていることを感じます。
これが、まさに「司法改革」の狙いであり、狙い通りの展開ということ。弁護士自治を攻撃することにより、闘う弁護士会の牙をもぐ、ということです。政府・資本にとっては、弁護士自治は邪魔でしかない、とうことです。
まあ、「たかが弁護士会」かもしれませんが、「自分の場所」の自治について何もしないで、何を言っても責任から逃げていることにしかならないのでしょうか。・・・これは自分に対してもあらゆる意味で自戒ですが。
弁護士自治は、学生にとっての大学の自治、国民にとっての民主主義です。主体的・能動的な参加があって初めて、実質的に実現するのであり、「諦め」と「受動性」によっては「支配」されるだけです。
昨日の総会でも、「見舞金」や「処置請求」、そして「委任状」の問題など自治のあり方に直結する多くの議題が争点となりましたが、そこに全く参加しない(するつもりのない)弁護士もどんどん増えています・・・政治的無関心の国民と同じく。
自治を手放し、奴隷になるか、それとも諦めずに自分たちの世界を自分たちで回すか・・・いよいよ曲がり角になってきました。「されど弁護士会」、民衆のために闘う弁護士会を再生しましょう。